電脳筆写『 心超臨界 』

明日への最大の準備はきょう最善を尽くすこと
( H・ジャクソン・ブラウン・Jr. )

◆言論統制 《 今も生きているプレス・コード 》

2024-11-15 | 05-真相・背景・経緯
§6 不都合な真実――東京裁判史観に縛られた日本
◆言論統制 《 今も生きているプレス・コード 》


これらの項目を見ると、日本のマスコミが終戦直後から、ありとあらゆるものに対する「批判」を禁止されたことがよくわかります。見たかぎり禁止されなかったものは「日本政府に対する批判」くらいでしょうか。だから日本のマスコミは、今でも政府批判ばかりやっているのですね。


『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』
( ケント・ギルバート、PHP研究所 (2017/7/4)、p32 )

終戦直後の昭和20年(1945)9月に定められた、正式名称「日本に与うる新聞遵則」、通称「プレス・コード」に規定された30項目を、手元にある資料『日本人を狂わせた洗脳工作――いまなお続く占領軍の心理作戦』(関野通夫著、自由社)から引用してみましょう。

( 1)SCAP(連合国軍最高司令官もしくは総司令部)に対する批判
( 2)極東国際軍事裁判批判
( 3)GHQが日本国憲法を起草したことに対する批判
( 4)検閲制度への批判
( 5)アメリカ合衆国への批判
( 6)ロシア(ソ連邦)への批判
( 7)英国への批判
( 8)朝鮮人への批判
( 9)中国への批判
(10)その他連合国への批判
(11)連合国一般への批判(国を特定しなくても)
(12)満洲における日本人の取り扱いについての批判
(13)連合国の戦前の政策に対する批判
(14)第三次世界大戦への言及
(15)冷戦に関する言及
(16)戦争擁護の宣伝
(17)神国日本の宣伝
(18)軍国主義の宣伝
(19)ナショナリズムの宣伝
(20)大東亜共栄圏の宣伝
(21)その他の宣伝
(22)戦争犯罪人の正当化および擁護
(23)占領軍兵士と日本女性との交渉
(24)闇市の状況
(25)占領軍軍隊に対する批判
(26)飢餓の誇張
(27)暴力と不穏の行動の扇動
(28)虚偽の報道
(29)GHQまたは地方軍政部に不適切な言及
(30)解禁されていない報道の公表

この決まりに違反した新聞は発禁などの処分を受けます。ちなみに朝日新聞は一度、業務停止処分を受けています。これらの項目を見ると、日本のマスコミが終戦直後から、ありとあらゆるものに対する「批判」を禁止されたことがよくわかります。見たかぎり禁止されなかったものは「日本政府に対する批判」くらいでしょうか。だから日本のマスコミは、今でも政府批判ばかりやっているのですね。

また、日本を褒(ほ)めてはいけなかったこともわかります。森喜朗元首相が「日本は神の国」と発言したときのマスコミの大騒ぎは、「(17)神国日本の宣伝」の禁止に原因があったわけです。「(18)軍国主義の宣伝」の禁止は、マスコミが軍事力や国防の重要性を報道しない原因であり、「(19)ナショナリズムの宣伝」の禁止は、愛国心の大切さに触れない原因だと言えます。日本人が民族的な優秀性に自信を持ったり、一致団結して本領を発揮するのは困ると考えたわけです。

そして「(20)大東亜共栄圏の宣伝」の禁止があるせいで、終戦まで日本人の誰もが正式名称である「大東亜戦争」と呼んでいた先の戦争を、突然「太平洋戦争」と報道するようになったのです。日本のマスコミはこの項目(20)を今日に至るまで頑(かたく)なに守っていますから、洗脳工作を継続しているわけです。だから私は「太平洋戦争」という言葉を使わずに「大東亜戦争」と書いています。

興味深いことに、「(28)虚偽の報道」の禁止だけは、もはやまったく守っていないマスコミが多いのですが、そもそもGHQの意向に従って、散々、虚偽の報道を行ってきたわけですから、実はGHQによる占領統治時代から、大半のマスコミは何も変化していないということです。

そして、この30項目を読み返したことで、私が本書に書く内容は、これらの規制項目にことごとく抵触する内容であることを、再認識することができました。
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