「レーニンの罠」による分断――湯浅博さん

ポートモレスビーのアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）で、激しい米中衝突に目を奪われ、小さな国が中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に組み込まれたことに気づかなかった。島嶼(とうしょ)国家のトンガとバヌアツが、過去の対中債務を帳消しにする再交渉の代償に、「一帯一路」に参入するよう合意させられていた。トランプ政権がアジア諸国に、「一帯一路」戦略による「戦略経済に縛られてはならない」と呼びかけたばかりであった。しかし、この枠組みが登場する前から借金漬けの小国は、背に腹は代えられなかった。 . . . 本文を読む