自民党総裁選をめぐり、異なものを見た。21日のテレビ朝日の番組で、ジャーナリストの青木理氏が産経新聞の20日付朝刊記事「首相『石破封じ』牽制(けんせい)球次々」について「ある種異様な記事だ」と述べると、出演していた石破茂元幹事長がこう同調したのである。「今の指摘の新聞がそうだが、メディアと権力は一定の距離を置いていたはずだ。代弁人ではなかった」。まるで産経が権力の代弁人だといわんばかりだが、いったい何の根拠があってどの部分がそうだというのか甚だ疑問だった。 . . . 本文を読む
今月、スイスのジュネーブで開かれた国連人種差別撤廃委員会で「100万人以上のウイグル人が中国で拘束されているという情報がある」との指摘があり、世界の人々を驚愕させた。これに対し、中国の代表は、「根拠のない中傷だ」として、強く反発した。「100万人」という数字の確かさは別にしても、ウイグル人への弾圧は、紛れもない事実である。新疆自治区では、自治区に住むウイグル人全体が、さまざまな形で自由を剥奪・制限され、日常的に監視されている状況下にある。 . . . 本文を読む
須佐之男命にまつわる一連の物語には、間もなく大国主神(おおくにぬしのかみ)が国作りを始めることの前提条件を整える意味があるのではないでしょうか。大国主神の祖先が須佐之男命で、須佐之男命は天照大御神の弟でいらっしゃいますから、天照大御神と大国主神は始祖を同じくすることが分かります。天(あま)つ神(かみ)と国(くに)つ神(かみ)は親戚なのです。後に大国主神は天照大御神に国を譲ることになりますが、国を譲る神と譲られる神は赤の他人同士ではないことになります。 . . . 本文を読む
須佐之男命と八俣大蛇の戦いは、須佐之男命の作戦勝ちとなりました。武士道や現在の感覚によれば、酒を飲ませて斬り付けるのは卑怯な戦法と評されるかもしれません。しかし『古事記』ではこのような作戦は、むしろ知恵として評価し、その後も悪知恵とも思える戦法がいくつも登場します。 . . . 本文を読む
八俣大蛇(やまたのおろち)(遠呂知(おろち))は「斐伊川(ひいがわ)」そのものではないかという説があります。そう考えると、八俣大蛇伝説が事実を反映させた物語であると想像できます。曲がりくねった斐伊川はいくつもの支流を持ち、時には氾濫して人々を飲み込むことがありました。翁(おきな)が、毎年一人ずつ娘がさらわれ「今こそその怪物がやってくる時期なのです」と述べたのは、斐伊川に毎年氾濫の時期があったことを思わせるものです。 . . . 本文を読む