小説を書く関係で、江戸の天明期のころを調べているが、あの時代も浅間山の噴火や大飢饉や打ちこわしがあって、世情騒然としていた。飢饉を例にとれば、奥州だけで200万人が餓死したという記録さえ残っている。ところが文化の花は咲いたのである。川柳、狂歌、講談、浮世絵、黄表紙、洒落本、歌舞伎、浄瑠璃等々。江戸の人びとはけっこう生活を楽しんでいたようなのだ。 . . . 本文を読む
治江さんの義父は、演劇や絵画に才能をふるった前衛芸術家の村山知義。夫の亜土さんは児童劇作家だった。そんな芸術的環境で育った錬さんが7歳で失明した。そこで、「視覚障害者が作品を自由に触って鑑賞できるように」と1984年にギャラリーを夫婦で始めた。 . . . 本文を読む