団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

年の瀬

2020年12月29日 | Weblog

  26日(土)から妻が年末休暇に入った。今年は妻の休暇が私を緊張から解き放してくれた。東京の病院への通勤は、コロナウイルスが蔓延する渦中へ自ら飛び込んでいくかのように思えた。妻の休暇中は、二人そろって自粛生活することができる。

 年末年始の休暇ぐらいゆっくり休んでいればよいのに、妻は計画を立てていた。27日は大掃除と冷蔵庫の中の整理。28日、二人で歯医者検診。28日が集合住宅のゴミ出し最後の日なので、それまでにゴミをまとめて出す。

 私が育った家庭では、年末の大掃除は家族全員で朝から働いた。家中の畳を庭に出し、棒で叩いて埃を払った。畳の数が多く大仕事だった。床に敷いてあった古い新聞紙を除去して床を掃き、何か白い薬を撒いた。その上に新しい新聞紙を敷いた。叩いて少し陽に当てた畳を元に戻した。全部の部屋の畳をやり終えると、もう夜になっていた。2日かがりの大掃除だった。母ちゃんと姉ちゃんは、二人で家中の障子紙を張り替えた。あれだけ大掛かりな大掃除だったので、全部が終わると家中が見違えるようだった。そんな明るくきれいな家で毎年正月を迎えた。

 今、私が住む集合住宅の家には、畳が1枚もない。床はすべて板張りである。寂しい気もするが、あの重労働から解放された感は、捨てがたい。まずクイックルワイパーで壁や家具、照明器具、絵画などの埃を落とす。クイックルのモップと拭き掃除専用のアイロボットを共用する。家具の下もクイックルを使うと面白いように溜まった埃の塊が取れる。アイロボトットは、黙々と行ったり来たりしている。コードレスのハンドクリナーで、アイロボットやクイックルやホウキが取れないゴミや埃を吸いとる。以前は床のオイル塗りも自分たちでやっていたが、業者に頼んでいる。今年はコロナのせいで、それもできていない。来年にはやれるといいのだが。風呂、エアコンは、毎年ダスキンに清掃を頼んでいるが、それも今年はできない。

 妻の休暇のお陰で、いつもは一人だけで黙って散歩をするのだが、二人で散歩できる。二人だと時間も距離も苦にならない。散歩する人が増えた。一人での散歩が一番多いが、なかには夫婦も散見する。いつも夫婦での散歩を目にすると羨ましいと思うのだが、妻が休暇だとその思いも消える。早く妻が退職してくれればと思うのだが、何せ歳の差婚なので、それはまだ先の事だ。それまで私の命がもつのか心配である。

 28日には二人で歯科検診に出かけた。電車を乗り継いで行った。病院も歯科医院へ行くのも小心者の私は恐ろしい。妻はそのような素振りを見せない。PCR検査を受けて“陰性”だったこともあるが、私のように訳もなく何もかも恐れることはない。歯科検診の結果、私は来年には総入れ歯にしなければならない程、歯槽膿漏が進んでいると言われた。80-20運動(80歳で自分の歯が20本残っている)が私の目標だったのだが。

 昨日高校の同級生からメールが来た。高校のクラス担任だった中島恒夫先生が28日朝亡くなったという訃報だった。90歳だった。私がカナダへ留学する前、壮行会で『出船』を歌ってくれた。朗々たる歌声を忘れない。

 『船のやうに 年逝く人を こぼしつつ』 矢島渚

 

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