団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

ネットショッピング 

2014年09月18日 | Weblog

  妻の休日に合わせてウォーターベッドのシリンダーの水を換えた。一年に一回の大仕事だ。組み立て式のベッドを分解する。長さ2メートルの筒状シリンダーの両端を妻と二人で持ち風呂場まで運ぶ。重いので妻の足取りがおぼつかない。でも共同作業は楽しい。シリンダーの水を取り替え、水の防腐剤を一錠入れ2重になっているフタをする。シリンダーは全部で7本ある。6本完了した時点で防腐剤の買い置きがなくなった。残る一本のシリンダーに印をつけて防腐剤なしで設置した。

  防腐剤は東京渋谷の東急ハンズでずっと買っていた。今回も東京へ心臓の定期検診で行った時、防腐剤を買いに東急ハンズに寄った。東急ハンズはあちこちに出店されたが、店によって置いてある商品は異なる。東急ハンズという名前だけ同じで、置いてある商品構成は違うことが多い。渋谷店の相談コーナーへ行って防腐剤の売り場を尋ねた。女性係員がまずガイドブックで調べてくれた。「もう取り扱いがないようです。申し訳ございません」 私は「他の店に置いてあるか調べていただけますか?」と聞いた。彼女は新宿高島屋店、横浜店に電話して調べてくれた。どの店にもなかった。こうして次々に売れない商品は淘汰されてゆく。これが合理化である。梯子で上にあげておいて、平気で自分たちの都合で取り扱いをやめる。消費者はたまったものではない。

  最近店に直接行って買い物するのに気後れする。なぜなら、以前取り扱っていた商品を平気で置かなくなる。私が買いたいものを以前買った店で買おうと思って行っても買えないことが多い。最後に頼るのはネットショッピングである。これは凄い。私はこのネットショッピングは好きではない。しかしこれは最後に残された欲しいものを手に入れる手段である。在庫を置かない既存企業や商店は、売れ筋商品だけを扱い利益を追求する。そのうちに店舗そのものがネットショッピングに凌駕されるかもしれない。

  パソコンでアマゾンに繋ぐ。「ウォーターベッド 防腐剤」と入力。発見。一箱2900円。2箱発注。早すぎる。面倒でも店で何万点もの商品から見つける喜びはない。便利かもしれないが味気なさすぎる。私のような年金生活者は、時間がたっぷりある。できればネットショッピングなどに頼らずに自分の足で歩き回って、数ある商品の中から自分が求めるモノを探し出すのは楽しいものだ。

  世の中便利になることは結構だが、このままだと増々人と人との接触が剥ぎとられてしまう。私はたとえ赤の他人であろうと商品を媒体にしてやりとりする会話が好きである。商品知識に造詣が深い店員との会話から学ぶことは多い。貴重な授業である。そういう買い物ができる店は減る一方である。

  横浜中華街でアワビとナマコの乾物を買ったことがある。店の主が「アワビの調理には8,9日かかり難しいですよ。おできになりますか?」 私を風変わりな個人客だと思い気遣ってくれる。「私はもう何度も調理しました。できます」 そこからアワビとナマコ談義が始まりお茶まで頂いた。こんな買い物いつまでできるのか。そろそろ中華街のあの店に行ってみようかな、とネットショッピングで届いた防腐剤を手になぜか思った。

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