団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

歯医者さんにほめられる歯に

2014年09月16日 | Weblog

  「歯医者さんにほめられる歯に」これはある歯磨きのテレビコマーシャルのフレーズである。歯医者にほめられる歯なんて滅多にあることではない。

 口の中に赤い染料を入れ、歯の汚れを赤く浮き出す。自分でもあきれるほど口の中の歯は真っ赤に染まる。最初これは歯医者の“やらせ”で予め患者を脅す演出かと疑った。こうして患者をびびらせて高額な治療に誘導する手管だと勘ぐった。

  7月9日磨き残し汚れ度79%8月7日24.1%9月4日10%。遂に9月4日私は歯医者さんにほめられた。だからテレビのコマーシャルで「歯医者さんにほめられる歯に」が放映されると私は画面に向かって口を開け歯をむき出しにする。そして「私、ほめられました」と訴える。

 まだ汚れ度79%の頃、それでも私は夜テレビを観ながら20分くらいは歯ブラシ、フロス、歯間ブラシの歯磨きセットで歯磨きをしていた。糖尿病は、まず歯槽膿漏で私の歯全体をグラグラにさせた。教え子の一人が歯医者になった。彼に連絡して私が通える範囲で良い歯医者を紹介してくれと頼んだ。彼が歯学部に合格した時、「いつか先生の歯を治療できるようなるよう努力します」と手紙をくれた。私はそのことを忘れなかった。直接彼の治療をうけることはできなかったが、彼が推薦してくれた歯医者に行った。今から8年前だった。大きな歯科医院で歯医者が15,6人いる。まず糖尿病が原因の歯槽膿漏の治療から始まった。半年がかりで上下すべての歯の歯肉を切開して歯石除去と歯肉の治療を受けた。痛いし腫れるし食べ物はまともに噛めないし散々だった。しかしそのすべてが報われた。歯槽膿漏は改善されグラグラしていた歯もしっかりした。歯と顎の骨の後退も進行を抑えることができた。最初断られた奥歯2本のインプラント埋め込み手術も可能になった。現状維持のために歯磨きが重要と歯科衛生士から懇切丁寧に指導を受けた。歯の治療はその後ほとんどしなくてすんだ。3箇月に一回の定期検診だけを継続して受けていた。

  以前から上顎左側の歯肉の後退が激しかった。鏡で上唇をめくって見ると、よくこれで歯が収まっていると感心するほど歯肉がなくなって歯の根元がむき出している。歯医者に相談すると「老化現象のひとつで歯医者にできることは歯磨き指導で歯肉の後退を遅くすることしかできません」と言われた。歯に赤い歯垢染色液を塗り歯の汚れを調べられた。歯医者が言う患者の平均の80%の汚れ度だった。特に歯の裏側がの汚れがひどかった。本気で歯磨きしないと歯肉は更に後退する速度が速まり早晩歯が抜けるとまで言われた。

  私は本気になった。80-20(80歳になっても自分の歯が20本残す)が私の目標だ。私が歯磨きに関して、自分でやれることはやったという自負がある。後は一つしか方法はない。妻の出番である。歯の裏を妻に磨いてもらうことにした。毎日5分かからない。私はソファかベッドに仰向けに寝る。妻は懐中電灯で口の中を照らしながら奥歯の歯間まで磨ける山切りカットの特製歯ブラシで一本一本そして歯間を磨く。効果抜群、効果てき面。8月7日には50%以上の改善。そして9月4日の検査では汚れ度は10%だった。歯医者はあきらかにいぶかっているようだった。歯医者さんにほめられた。嬉しかった。歯医者さんは衛生士の女性の指導も讃えた。でも私は歯科衛生士にも歯医者にも妻の協力を伝えることはしなかった。妻こそ私の歯の改善の立役者なのに。私が歯に関してすでに要介護者だと思われたくなかった。まだ見栄をはっている。

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