団塊的“It's me”

コキロク(古稀+6歳)からコキシチ(古稀+7歳)への道草随筆 2週間ごとの月・水・金・火・木に更新。土日祭日休み

親戚・知人・友人がいない国には行かない

2014年01月09日 | Weblog

  私は海外旅行に関して、66年間の人生のうち20年以上海外で暮らした経験を土台に守っている信条がある。“親戚・知人・友人がいない国には行かない。”

  新聞にこんな記事があった。あるトラベルデザイナーという人が書いたものである。『地球一人旅を楽しむコツ5カ条①旅行カバンをできるだけ空っぽに!帰国後も旅の余韻を楽しめる現地調達を!②言葉を話せなくても、現地の単語と笑顔と度胸で土地の人に話しかける。友好的だと分かれば、いろいろな人が旅先で助けてくれるはず。③何でも見てやろう、何でも食べてみよう!好奇心いっぱいの旅を④理不尽だと思ったら我慢せず、日本語で勝負しよう!⑤「人生も旅も一人旅」と言い聞かせ、依存心を抑え、自立心を磨く。』

 南米エクアドルで新婚旅行中の日本人夫妻が12月28日に銃撃され、夫の人見哲生さん(28歳)が死亡、妻の真梨子さん(27歳)は重傷で現地の病院に入院治療中である。痛ましい。新婚旅行という夫婦生活の頂点である夢のような時間がひっくり返され地獄になった。人見さん夫妻はシェラトン・ホテルで食事をしたあと、自分たちが滞在しているホテルに戻るために流しのタクシー乗って事件に巻き込まれた。ホテルで二人はホテル専属のタクシーを使うよう進言を受けていたという。残念だ。もう少しの注意喚起があったら、今頃は土産話をたくさん持って故郷の埼玉に戻っていたであろうに“・・・たら、・・・ねば”は空しい。けれどあと一歩踏み込んだ危険管理があったならと思わずにはいられない。

 『地球一人旅を楽しむ5カ条』にケチをつけたくない。ただ多くの日本人がこのような5カ条を信じて海外旅行に出かけるのは危険で南米エクアドルの新婚旅行夫妻の二の舞事件はまだまだ続くであろう。特にこれから懸念されるのは、この5カ条を標榜し実践する団塊世代などの元気な人々の一人旅は、ますます増えると思えるからだ。

 日本は安全な国だと言われている。私はそうは思わない。危険はどこにでもある。こういう私を神経質だ臆病だと言われても、結局自分を守れるのは自分だけである。私は5カ条を提案して警鐘を鳴らしたい。①親戚、知人、友人がいない、到着地に迎えに来てもらえない国には行かない。②どうしても行きたかったら信頼できる団体旅行に参加して行く。数回訪ずれて①と呼べるようになったら一人ででも行ける。③安全は金で買える。安全にかける金を減らそうとすればするほど危険は増える。タクシー、ガイド、通訳を雇う。④ホテルは①と③の代わりとなりうるので国際的な高級ホテルに泊まる。⑤どんなに注意深く危険を避ける備えをしても、いつでもどこでも事故事件に巻き込まれる危険はある。覚悟とそのいざという時のための担保や保険を用意して旅行に出かける。

 旅行と冒険は違う。自分は旅行に行くのか冒険に出るのかの自覚が必要である。旅行は土産や土産話を持って、無事に家に戻ることが最終目的である。冒険に出かける人に私の5つの提案は何の意味もない。冒険とは、あえて危険を冒すことだから。

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