充実果樹園生活(つくば展開地ぶどう園)

来て!見て!食べて!! つくば展開地(てんかいち)ぶどう園

摘房、房づくり、ジベレリン処理(ブドウ)

2011-04-29 | ブドウ(葡萄)栽培
1間の主枝の片側に7-8房になるように、ジベレリン処理の時期を
考慮して、房の発育が揃ったものを中心に余分な房をのぞきました。

房づくりの目的は商品性の高い房型にする、花穂を切り詰めて花蕾
数を制限して結実を安定させることです。巨峰4倍体品種のピオーネ、
安芸クイーンでは花穂が十分のびた開花初めころに3.5cmくらいの長さ
にそろえました(写真トップ)。副穂は残しておいて、ジベレリン処理時
に終了した印としてのぞきます。



ジベレリン(25ppm)とフルメット(10ppm)の溶液を作成して、
房づくり終了した満開後3-5日の花穂を処理しました。


処理後の安芸クイーン
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フゲンゾウ(普賢象)は八重ざくら

2011-04-28 | 花木・花壇 jardineria
ソメイヨシノの桜前線は青森へ達しようとしていますが、
ソメイヨシノ以外にも多くのサクラが楽しまれてきました。



八重咲きのサクラにはフゲンゾウ(普賢象)という有名な
品種があります。この花では葉の形をした雌蕊が象の二本
の牙のように突き出ています。白象に乗る普賢菩薩になぞ
らえてこの品種名がつけられました。雌蕊が葉から変化し
た器官であることを示しています。パッションフルーツで
も書きましたが、花の中にそれぞれの宗教が反映されてい
るようです。


白妙(シロタエ)


手弱女(タオヤメ)


鬱金(ウコン)


江戸(エド)


駿河台匂(スルガダイニオイ)
かすかに良い香りがします

ウメは一花をサクラは木全体を見ると昔から言われています
が、写真で全体を表現するのは難しいので残念ながら花中心
となりました。


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パッション(受難)フルーツ(-1) 

2011-04-26 | 熱帯果樹 pina, platano
温室に珍しい花が咲いていました。パッションフルーツです。
スペインの宣教師が1610年ごろ南米でその花をみて、キリスト
が十字架にかかった姿になぞらえ「受難の花 passion flower」の
名で欧州へ紹介しました。



彼らの目には、三裂した雌蕊の柱頭は十字架上のキリストで、
柱頭の膨らみは釘の頭にあたり、有柄の子房は、アシの棒に
つけて差し出された酸っぱい葡萄酒を染ませた海綿、それを
取り巻く雄蕊の5つの葯は、十字架上で負った5ヵ所の傷、
射出する美しいヒゲ状の副花冠は、イバラの冠または後光と
見えました。5枚のガクと5枚の花弁は刑場で見取った10人
の使徒、掌状の葉はキリストを刺した槍の穂先、または迫害者
の手、長い巻きひげはキリストを打ったムチとたとえて、原住
民のインディオがキリスト教に改宗する天啓としたそうです。
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ナシの受粉

2011-04-25 | ナシ(梨) pera
1年間の経験ですが、他の果実と比較するとナシは本当に
手間がかかると思います。枝を倒して花芽をつける、整枝・
剪定で枝を棚につける、摘蕾、受粉、摘果と続きます。


ナシの花粉とボンテン

受粉は日本ナシも西洋ナシ(写真トップ ラ フランス)にも
必要です。ニホンナシ用の花粉としては中国から輸入した雪花梨
(セキハナナシ)の粗花粉が販売されています。ボンテンで利用が
予定されている3-5番花を中心に花粉をつけていきます。良い
種子が5つの部屋に2個ずつ形成されると、いびつでない形の整った
ナシになります。



マックス レッド バートレット

受粉時の天候に注意が必要です。1時間後に20mmの雨が降りま
すと、約半数が流れてしまいます。2時間後ですと20%は流れます
が大部分は柱頭に侵入しているそうです。3時間後の雨はOKだそう
です。省力化と少雨でも受粉が可能な溶液受粉という方法も試み
られています。
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リンゴの蕾は赤い

2011-04-22 | リンゴ(林檎) manzana
故郷の福島では黄金週間頃にリンゴの白い花が咲いていま
した。今年も東日本大震災や原子力発電所の事故がありま
したが変わらずに咲くことと思います。いつも遠くから花
だけを見ていましたので、蕾も当然白いと思い込んでいま
した(写真トップはつがるの花)。


王林の蕾と花

王林の花が一番先に咲きました。リンゴの果実の赤さとは
関係なく、蕾は赤のようです。王林は果実が黄色の品種で
すが、やはり蕾も赤い色でした。


室内にあったふじの蕾

別な目的で室内に保存していたふじの蕾は真白でした。赤い
色はアントシアニンと思いますが、アントシアニンの合成
には花弁が紫外線にあたることが必要だそうです。これは
以前「3色の陸奥」で書いたことと同じです。赤い陸奥にす
るために日光に当てる作業が必要でした。
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アケビの花

2011-04-20 | グミ・アケビ
昨年は実だけの登場でしたが、今年は花も撮っておきたいと
時々付近をブラブラ見回っていました。家のよりも立派な
アケビと出会いましたので紹介します。



雌雄同株ですが、雌雄異花です。雌花の中央部分にはバナナ
の果実のような6-9本の雌蕊があります。雄花の中央部分には
6本の雄蕊がミカンのように丸まっています。自家不和合性で
多品種との混植が必要です。雌蕊をつくる単位として心皮と
呼ぶ特殊な葉があります。この心皮が1枚だけで、あるいは
何枚か合わさって1個の子房をつくります。複数の心皮が合着
までにいたらないものがあり、離生心皮といいその果実を分果
といいます。アケビ、芍薬、ボタン等がこれにあたります。
雌蕊が多いので一花に多数結果しますが、2果を標準にして、
形のよい大果を残すとよいそうです。
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ブドウの芽かき、新梢管理

2011-04-19 | ブドウ(葡萄)栽培
露地のブドウはやっと芽の表面に細かい柔らかそうな
毛が伸びてき始めています。温室内のブドウは随分葉の
数がふえました。安芸クイーンとピオーネの芽かき、新
梢管理をはじめました。種なし栽培ですので、強い新梢
をつくり、新梢の生育を揃えてジベレリン処理などを効率
的に進めるために必要です。


安芸クイーン


ピオーネ

1回目芽かき 展葉4-5枚の頃に不定芽や副芽をかく。若木
で結果母枝の芽の発育が極端に進んでいる場合は、生育を
を揃える様に芽かきをおこなう。

2回目芽かき 展葉7-8枚の頃に花穂を持たない新梢、極端
に強い新梢や弱い新梢を整理し、新梢の勢力を揃える。
房づくりや、ジベレリン処理の作業をしやすくしたり、花穂
傷つけないよう棚下におろすように誘引する。
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ツバキ咲き誇る

2011-04-18 | 花木・花壇 jardineria
もっと寒い時がと思っていましたが、ツバキの花の盛期は桜
の咲くころだそうです。写真トップは雄蕊も花弁になった品種
です。
安土・桃山時代から園芸植物として育てられるようになり、元禄
時代に最高潮を迎えました。17世紀末に欧州に紹介されて、
19世紀にはブームが起きました。日本では昭和20年から30年
にかけてブームになったそうです。和種2100、洋種2600以上
になるようですが、世界中に普及した70%前後は日本原産の
「カメリア・ジャポニカ」に由来するそうです。バラより大き
いので小さな庭では多品種を楽しめません。

本文は岸川慎一郎さんの「欧米ツバキ文献咲き誇る」日経
新聞4月14日を参考に書きました。













サザンカとツバキの違いですが、ツバキの花弁は基部で
くっついていて筒状になっているので、花が散るときに
花弁と雄蕊群が合わさったままぽたりと落ちますが、
サザンカは花弁が一枚一枚別々に散ります。またツバキ
の雌蕊の子房には毛がなく、子房が肥大してできる果実
の表面もつるつるしています。サザンカの子房は白い
長毛でおおわれているので、その果実表面にも毛がある
ので見分けられるそうです。
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ナシ摘蕾

2011-04-15 | ナシ(梨) pera
品種保存が目的のナシの場合は果実数をコントロールする必要
はありません。マメナシ(写真トップ)や八里香(中国ナシ)は
剪定されただけで、その後のコントロールはありません。


八里香

果実を出荷する目的のナシについては、整枝・剪定のあとに、
摘蕾、摘果で果実数を減少させます。ナシは一花房に8-9個
くらいの蕾をつけますが、基部から先端に番号をつけると
3-5番果が、重量、果形、糖度が優れていますので、この蕾
を残すような摘蕾をします。


摘蕾前

摘蕾後

花房の中心を指で軽く押すと先端(6番以降)の蕾が折れて
簡単にのぞくことができます。満開後1ヵ月くらい後に、枝
全体や、果形を考慮した摘果をおこないます。
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川中島白桃に授粉

2011-04-14 | モモ(桃) melocoton
現在一番人気の桃はあかつき(白桃×白鳳 写真トップ)です。
あかつきの花を良く見ると黄色い花粉がたくさん雄蕊について
います。モモは自家受粉によって受精するので、花粉がある品種
であれば、通常は問題なく結実します。


川中島白桃

一方川中島白桃には花粉が見えませんので、花粉をつけてやら
なければなりません。ということで本日はポット栽培の川中島
白桃に、あかつきのまだ花粉が多くある花をとってきて、直接
授粉をしました。家庭で栽培している小規模の場合はこれで十分
ですが、大規模の栽培では蕾から咲き始めの花をあつめて、葯
を取り出し、開葯機で加温して花粉を取り出します。摘果も
川中島白桃の場合は、開花後30日以上経過してから行います。
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