(あらわたし、年女だわ。何度目の年女なのかは聞かないでね。)
「ユミの干支は何?」と、昔々カナダ人のカップルに尋ねられたことがある(このブログを読んでいる当時を知る知人のために書いておくと、あのポールとステファニーのカップルである。)
とっさに返答に迷ってしまった。日本人が「ウシ」と十把一絡げに考える動物たちは、英語では数種類の単語の使い分けがなされており、それぞれで意味とイメージが違う。
"cattle" は(家畜としての牛全体を見るゆえに)集合名詞で単数はないし、"beef" は肉のことなので論外だし、"calf" は子牛だし、"bison" は野牛だし、"buffalo" は水牛だ。第一"bison" や"buffalo" は日本人にとって、「牛」としてまず最初にイメージされるものとは異なる。そうなると、"ox"か"cow" か "bull" だ。でも "bull" はメリルリンチのあのロゴマークみたいな血気盛んな雄牛のことで、ちょっと違うような気がする。(ちなみに市場の上げ相場のことを "bull" という。)
ということは "ox" か "cow" かの選択になる。で、ウシで日本人がイメージできるのは、どちらかといえば牛乳石鹸のカウブランドのイメージにあるウシ(おそらく乳牛のホルスタイン)だろう。つまり "ox"(おもに雄牛)ではなく、"cow"(乳牛、雌牛)に違いない。
そうとっさに判断して、質問よりほぼ1.5秒後に「"Cow"」と答えたとたんに、カナダ人カップルは大爆笑!
女性のほう「いやだぁ。そんなのがサイン(=sign、この場合は「干支」のこと)になるのぉ? アハハハ」(馬鹿にしてますね、あなた。)
男性のほう「ハハハハハ」(明らかにあきれ返っているけれど、それをわたしに悟られたくないんですね、あなた。)
といわけで、とっさに答えを修正。
「…じゃなくて、"ox"! オーーーーーーーーーークス!」
「ああ、それならわかるわね」
「うん、それなら納得できるよ」
カップルは真顔に戻ったのであった。
「丑年」の英語訳は通常は "year of the Ox" である。が、どうして "cow" ではなく "ox" になるのだろう。英語の "cow" という単語には、少なくとも英語的にはオリエンタル・ゾーディアック(十二支のことをこう呼ぶことがある)にはふさわしい動物とはみなされないイメージが付いるのが、一つの理由かも知れない。でも、筆まめの最新バージョンのイラスト集を見るにつけ、どうみても日本人の大半が丑年の牛に対して、 "cow" をイメージすることが多いのは明らかだ。
十二支の干支のイメージの関連でいうと、子年もかなり問題。この場合のネズミは普通は "rat" を使うが、英語的には "mouse" と "rat" のイメージの差は大きい。日本語では「ネズミ」と総称してしまうがミッキー・マウスはあくまでもマウス(ハツカネズミ系)でなければならず、ラット(ドブネズミ系でネガティブなイメージがついている)では、あんなに人気は出なかったろう。またそれゆえに "rat" どもを登場させた『レミーのおいしいレストラン』のストーリーが成立する。その "rat" を我々は干支にしているわけだが、「(ドブ)ネズミの年」の存在を、文化の異なる人間がどう考えているかは、あえて尋ねたことがないのでよくはわからない。
ついでに「卯年って "rabbit" なの? "hare" なの?」という話になる。日本の在来種に "rabbit" は存在しないため卯年のウサギとは "hare" のはずだが、卯年に "rabbit" の絵柄の年賀状も結構ある。わたしたちは日常生活においてイエウサギ(rabbit)(または原種であるアナウサギ)とノウサギ(hare)を区別しないのである。
「ユミの干支は何?」と、昔々カナダ人のカップルに尋ねられたことがある(このブログを読んでいる当時を知る知人のために書いておくと、あのポールとステファニーのカップルである。)
とっさに返答に迷ってしまった。日本人が「ウシ」と十把一絡げに考える動物たちは、英語では数種類の単語の使い分けがなされており、それぞれで意味とイメージが違う。
"cattle" は(家畜としての牛全体を見るゆえに)集合名詞で単数はないし、"beef" は肉のことなので論外だし、"calf" は子牛だし、"bison" は野牛だし、"buffalo" は水牛だ。第一"bison" や"buffalo" は日本人にとって、「牛」としてまず最初にイメージされるものとは異なる。そうなると、"ox"か"cow" か "bull" だ。でも "bull" はメリルリンチのあのロゴマークみたいな血気盛んな雄牛のことで、ちょっと違うような気がする。(ちなみに市場の上げ相場のことを "bull" という。)
ということは "ox" か "cow" かの選択になる。で、ウシで日本人がイメージできるのは、どちらかといえば牛乳石鹸のカウブランドのイメージにあるウシ(おそらく乳牛のホルスタイン)だろう。つまり "ox"(おもに雄牛)ではなく、"cow"(乳牛、雌牛)に違いない。
そうとっさに判断して、質問よりほぼ1.5秒後に「"Cow"」と答えたとたんに、カナダ人カップルは大爆笑!
女性のほう「いやだぁ。そんなのがサイン(=sign、この場合は「干支」のこと)になるのぉ? アハハハ」(馬鹿にしてますね、あなた。)
男性のほう「ハハハハハ」(明らかにあきれ返っているけれど、それをわたしに悟られたくないんですね、あなた。)
といわけで、とっさに答えを修正。
「…じゃなくて、"ox"! オーーーーーーーーーークス!」
「ああ、それならわかるわね」
「うん、それなら納得できるよ」
カップルは真顔に戻ったのであった。
「丑年」の英語訳は通常は "year of the Ox" である。が、どうして "cow" ではなく "ox" になるのだろう。英語の "cow" という単語には、少なくとも英語的にはオリエンタル・ゾーディアック(十二支のことをこう呼ぶことがある)にはふさわしい動物とはみなされないイメージが付いるのが、一つの理由かも知れない。でも、筆まめの最新バージョンのイラスト集を見るにつけ、どうみても日本人の大半が丑年の牛に対して、 "cow" をイメージすることが多いのは明らかだ。
十二支の干支のイメージの関連でいうと、子年もかなり問題。この場合のネズミは普通は "rat" を使うが、英語的には "mouse" と "rat" のイメージの差は大きい。日本語では「ネズミ」と総称してしまうがミッキー・マウスはあくまでもマウス(ハツカネズミ系)でなければならず、ラット(ドブネズミ系でネガティブなイメージがついている)では、あんなに人気は出なかったろう。またそれゆえに "rat" どもを登場させた『レミーのおいしいレストラン』のストーリーが成立する。その "rat" を我々は干支にしているわけだが、「(ドブ)ネズミの年」の存在を、文化の異なる人間がどう考えているかは、あえて尋ねたことがないのでよくはわからない。
ついでに「卯年って "rabbit" なの? "hare" なの?」という話になる。日本の在来種に "rabbit" は存在しないため卯年のウサギとは "hare" のはずだが、卯年に "rabbit" の絵柄の年賀状も結構ある。わたしたちは日常生活においてイエウサギ(rabbit)(または原種であるアナウサギ)とノウサギ(hare)を区別しないのである。