goo blog サービス終了のお知らせ 

巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

は~ あ~あああ 納豆!

2005-04-21 21:29:11 | 英語
「ちくわぶ命」に続きゲテモノ食い扱いされるかもしれないが、わたしは納豆が好きだ。上級レベルのファンとはいえないが、中級レベルのファンぐらいは自称してもよいと思う。

わたしが考える納豆の食べごろは、賞味期限が過ぎて「熟成した」感が強くなる賞味期限後1週間ぐらい。昔は賞味期限が過ぎるとアンモニア臭がきつくなったものだが、現在は食べ難い臭いになることはない。

ときには何もいれずに、グワーッと親の仇のように箸でかき混ぜて糸をひかせるだけひかせて、ストレートでむしゃむしゃ食べる。醤油ダレやカラシをいれない納豆は塩分がなく、もろに納豆の風味がして、これがまた良いのである。

もちろん熱いご飯と一緒に食べるのなら、カラシや醤油ダレを入れる。薬味として使うのは、海苔、ねぎ(長ネギ、あるいはさらし玉ネギ)、オクラ、ナガイモ、キムチなど。生卵も入れるとおいしいのだが、これをやると食べ過ぎと肥満につながる可能性があるため、日頃は自重している。トーストの上にこんもりと納豆をのせて、納豆トーストにするときもある。個人的にはイギリスパンの納豆トーストが好きだ。

もちろん納豆を味噌汁に入れたり、チャーハンに入れたりということはよくやる。納豆パスタも作る。

最近では大きなスーパーへ行くと、かなり高級な納豆が何種類も売られている。こういった高級納豆はそれなりにおいしいが、常食は家計に打撃を与える。そこで毎日食べられるお手ごろ価格の一押しは、くめ・クオリティ・プロダクツ「くめ納豆 特選味道楽ミニ2」だ。しかし現実問題として、くめ納豆は近所のスーパーには置いてない場合があり、そこで比較的どこでも売っている、タカノフーズ「おかめ納豆 極小粒(ごくこつぶ)」を冷蔵庫にストックしている。

私個人として許せないのは、「金のつぶ におわ納豆」というやつ。におわない納豆なんて、納豆じゃない…っていうか、味そのものがちょっと。納豆ビギナーを入れ食いするのにはよくとも、真の納豆ファンには邪道だ。しかしこの「におわ納豆」が初心者を奥深い納豆ワールドへ引き込んでいるという貢献は、大きく評価したい。

しかし、納豆は、そのにおいに慣れていない者には耐えがたいものであり、ときにこういう食べ物が存在することすら許しがたいとの評価を受ける。

かなり昔、わたしが生徒として出席していた英語学校の英語専修クラスでの話だ。

わたしと同じクラスの人たちの中のある生徒が、授業の前に英語日本語チャンポンで会話をしていた。その会話の中で、生徒の一人だった中年の男性が北大西洋条約機構(NATO)を英語で「ナトウ」と発音していたのが気になったので、わたしは「英語では”ネイトウ”と発音する」と指摘したが、信じてもらえなかった。(そういえばこの人、わたしが"tax haven"(タックス・ヘイヴン)と言ったときも、「"tax heaven"(タックス・ヘヴン)の間違いだろう」と堂々と指摘してくれた。若い女性のことばなど、信用できなかったらしい。)

彼に何を言ってもしかたがないので教師を待ち、教師から正解を言ってもらおうとした。ところがやってきたカナダ人の英語講師は、「何をいっているのかね。"ネイトウ"に決まっているだろ。」と言ったまでは良かったのだが、そのことばに続けて「"ナトウ"とは、日本で最もひどくて臭い食べ物の名前じゃないか。」と答えた。やはり英語ネイティブには「促音の”ッ”(小さなッ)」の聞き取りは難しかったらしい。

聞き捨てならないことばに、それは「NATOではなく、nattoでしょう。n_a_t_t_o!」とすかさずわたし。
「大体ひどくて臭い食べ物とはなんだ。納豆は日本で最もおいしくて、もっともヘルシー食べ物だぞ。」と、NATOとナトウと発音していたした中年の男性。
男性のことばにいっせいにうなずき、くちぐちに英語で納豆を賛美し始める他の生徒たち。なんとその場にいた8人の生徒全員が納豆好きであったのだ。(ちなみに全員が関東出身者だった。)カナダ人の英語教師は、「納豆が好きな人間がこんなに存在するなんて信じられない!」というポカンと顔をしていたが、われわれの「納豆を誹謗するもの許すまじ」の強硬な姿勢に、自分の主張が間違いであると認めざるを得なかった。

ところで、大豆イソフラボンのせいか、わたしのお肌の調子はまぁまぁである。

(本記事のタイトルは、「アッコちゃん来るかと 団地のはずれまで 出てみたがぁ」という、ひみつのアッコちゃんの「すきすきソング」のメロディで歌ってください。)


ピザハット

2004-12-04 18:35:31 | 英語
近所に、ピザハットが開店した。さっそく、新聞の折込にピザハットのチラシが入っていた。なんとなく嫌な予感がして、家族に聞いた。
「ピザハットの『ハット』って、意味わかる?」

「帽子だろ。」

ああ、やっぱり。ハットは「ふちのある帽子」(=hat)ではない。「山小屋」「丸太小屋」(=hut)なのだが。

「でも帽子のことだよ。赤い帽子のマークがついてるし。」

うん。たしかに帽子に見えるが、おそらくあれは屋根に違いない。でも、最初からhutだと思ってあのマークを見ないと、小屋の屋根には見えないのだ。

日本人には紛らわしいぞPizza Hut。


Red Herring(赤ニシン)

2004-11-21 16:49:03 | 英語
イノガミさんの無相亭日乗の記事「hunting」を読んで、red herringのことを思い出した。

Red herring(赤ニシン)とは燻製ニシンのことだ。この燻製ニシンは人間が食用にするばかりでなく、ときにはキツネ狩り反対派がキツネ狩り妨害工作をするさいに使用する。

英国ではキツネ狩りのシーズンになると、狩猟犬の集団がキツネを追いかける。その過程でキツネが畑(麦畑など)を通るとする。するとキツネを追った狩猟犬の群れが大挙して畑の中に押し寄せ、畑をめちゃめちゃにしてしまうことがある。

畑を荒されるのを嫌った英国の農夫たちが一計を案じた。畑のはしに燻製のニシンを置いておいたのだ。するとその強烈なニオイに、キツネのにおいがかき消されるのとイヌの嗅覚が狂ってしまうのとで、イヌが狐を追うことが不可能になり畑に入いらなくなった。

嗅覚が人間よりも百万倍から一億倍(後者の数字はホントかな?)優れているといわれイヌのことだ。彼らにとって、燻製ニシンのニオイは「鼻が曲がる」どころか文字通り「悶絶モノ」に違いない。Red herringは英国の伝統的な狩猟犬撃退法であり、ひいてはキツネ狩り反対派によるキツネ狩り妨害工作にも使われるようになったというわけだ。

さてこのred herringは、英語では「ものごとの論証において、やってはいけないfallacy(誤った推論、謬論=びゅうろん)」のひとつとしても知られている。

英語はアリストテレス以来の2000年以上にわたる欧米の修辞学の伝統に支えられた言語だ。ものごとの論証には演繹法、帰納法、類推法、因果法といった修辞法をきちんととるべきだとされている。そしてfallacyについても同様に分析され分類されており、そのひとつがred herringなのである。

たとえば喫煙の危険性について討論していると考えよう。以下がred herringだ。

嫌煙派は「喫煙はガンを引き起こす」と言っています。
でも、考えてもみてください。わたしたちは毎日多量の排気ガスを吸っていますよね。この排気ガスには発ガン物質が含まれているのですよ。なぜ嫌煙派は、喫煙を批判する前に、車のほうを禁止しないのでしょうかねぇ?


つまりred herringとは「討議されている問題から注意をそらすために、関係ない問題を持ち出すこと。あるいはその関係のない問題」のことである。

有名なfallacyにはred herringのほかに


  • ad hominem(人身攻撃)

  • ether-or(二者択一)

  • bandwagon(バンドワゴン)

  • slippery slope(滑りやすい斜面)



など、いずれも名前からして面白いものがある。でも長くなりそうなので、他のfallacyの説明は別の機会に。


英語の資格はどこまで通用?

2004-09-19 05:00:00 | 英語
社会人にねらい ビジネス英検スタートへ 日本英検協会 [朝日新聞]

 財団法人日本英語検定協会は、主に社会人を対象とした新しいビジネス英検「STEP・BULATS(ステップ・ブラッツ)」を始める。同協会の実用英語技能検定「英検」はこの5年で受験者が100万人近く減少、ビジネス分野では企業の昇進条件などで使われている「TOEIC」に押され気味で、新検定を老舗(しにせ)の存在感復活の決め手に、と意気込む。
 協会は昨秋、英・ケンブリッジ大の英語力検定組織「ケンブリッジESOL」と業務提携。ESOLが29カ国で実施し、就職や社員教育に利用されているビジネス英検「BULATS」をベースに、今回の検定を共同開発した。
 当面は「読む」「聞く」の2技能について企業や団体を対象に実施、来春には「書く」「話す」も始める。値段交渉、苦情処理など「ビジネスの現場で使える英語」を試験に盛り込んだことが特徴で、0点から100点で到達度を測る。
 実施が年3回と決まっている英検と違い、テスト日時と会場が自由に選べるのも売り。17日夕から申し込みを受け付ける。受験料は初年度は2900円。
 宮田光朗専務理事は「ビジネスの現場での英語力の物差しがTOEICだけという状況はどうか。企業のニーズに応じて選んでもらいたい」。
 63年に始まった英検は98年度には約352万人が受験したが、03年度は約254万人に。受験者の8割を占める小中高生が少子化で減ったことや、ビジネス分野でTOEICが使われたことが原因という。
 一方、TOEICを実施する国際ビジネスコミュニケーション協会が一部上場企業655社を調べたところ、約8割がTOEICの点数を「採用時に参考にしている」「将来、参考にしたい」と答えたという。 (Asahi. com.09/17 17:57)
(http://www.asahi.com/national/update/0917/025.html)


わたしが20代だった1980年代、英検は絶大な力を持っていた。英検1級というのは「英語の達人」の証明として、水戸黄門の印籠のようなものだった。「わたしは英検1級を持っているのだから、もっと待遇が良くてしかるべきだ」などと、人事部にのりこんで直談判する人もいたぐらいだ。

さてわたしは、本格的な転職を考えた96年に、英検とTOEICの試験を受けた。その理由は履歴書の資格欄が、少しばかりさびしかったからに他ならない。日々の仕事で英語を使っていたので、英語の資格試験がとっつきやすかった。

面白かったのは、当時の2つの試験の受験者の年代層の違いだった。英検は、1級ということもあってか、年配の受験者が多かった。特に面接テストでは、白髪の人間がかなり混ざっていて、わたしのグループに学生は1人もいなかった。これとは対照的に、TOEICの受験者は若い人ばかりで、30代のわたしはどっと老け込んだ気分になった。

さて、1996年当時、企業の面接で、TOEICと英検のどちらが重視されたかというと、わたしが受けた企業がすべて外資系企業だということもあったのかもしれないが、面接で話題にのぼったのは常にTOEICだった。かつての「水戸黄門の印籠」には、誰も目を向けなかった。時代の流れを感じたものだ。

そしてこの傾向はここ数年でさらに進んだらしい。日本英語検定協会があせって「世界基準のビジネス英語能力テスト」である今度のSTEP BULATS を打ち上げた事情は理解できる。でも、英語の資格はどこまで実用的であり、現場ではどのように評価されるのだろうか。

話を当時の自分のことに戻すと、最終的には、縁あってある外資系の企業に入社したが、事前にわたしのTOEICのスコアがその会社の従業員に漏れていたらしい。

入社してまだ日も浅いある日、他に誰もいないときに、社員の一人がつかつかとわたしに歩み寄り、「あなたはTOEICの点がXXX点らしいけれど、そんなものは英語力の証明にはならないんだから! 今度うちも、本当の英語力を測るテストを考えているんだから!」と、険しい表情ではき捨てるように言われた。いまでは懐かしい想い出だが、当時のわたしには何が起こったのかわからず、呆然としていた。どうやらこの従業員も英語力自慢だったらしい。

その後、その企業で通訳などをする機会があり、「それなり」の実用的な英語力の持ち主であること認められると、通常の業務に加え、通訳や翻訳の作業がすべてわたしに集中した。英語ではなく別の目標をもって入社を決めたために、「英語の人」と見られ扱われることにうんざりした。そんな風に英語の業務が集中すると、「英語だけの人」という、かえってマイナスの評価を受けかねない。

さて、英語の資格試験は、かの従業員も言ったように、本当の英語力の証明にはならない。だから、中途採用の場合には、英語のスコアがいくら高くても、英語に関連した実務がないと、実務レベルの英語力があるとみなされない場合が多い。(それなのに、「昇進の要件にTOEICの一定以上のスコアが必要」などどという話をきくのと、ちょっとした矛盾を感じる。)

しかし、新卒の場合は実務経験などなくて当たり前なのだから、英語力の証明としてかなりダイレクトに評価されそうだ。ただし、どのようなスコアが好感をもたれるかというと、企業によって開きがあるようだ。

某外資系証券企業の人事担当者から、「英検準1級とかTOEIC 850点とか、書いてくる新卒の履歴書があるんですが。まぁ、無邪気でかわいいといえば、かわいいのですが…」と、苦笑されたことがある。その企業が求めていたのは、ネイティブレベルの英語力だったわけだ。だから、その企業では英検準1級やTOEIC 850点と書かれた履歴書は、英語力がないことの証明になってしまう。

しかし、同じ英検準1級やTOEIC 850点が、「こんな高い英語力の持ち主なら、うちなんかにいても長続きせず、直ぐ転職してしまうだろう」と思われてしまい、オーバークオリティで不採用になることもあるのだ。もちろん、「よしよし。この点ならば当社が新人に求める英語力としては最適」と、ポジティブに評価してくれる企業もある。

つまり、英語テストのスコアは、一般的にはあるにこしたことはないものの、実際の採用の際にどのように評価されるかというと、非常に微妙だ。審査する側の従業員の英語力に対する無意識のメンタリティ(例えば、とにかく英語力を持っている者を過大評価しがちだとか、逆に英語力を持っている者に偏見をもっているとか)なども影響する。


そしてもちろん、多くの企業にとって、英語力は能力のひとつに過ぎない。

「TOEICが何点あれば、外資系企業に入社できるでしょうか?」と、就職活動中の学生たちから聞かれることがある。「英語力だけでは、どこにも入れない。」と答えることにしている。「日本語ができれば日本企業に入れる」というわけではないのと同じだ。このわたしなど、大学卒業以来、かなりの数の日本企業を落ちてきたぞ。ネイティブレベルの日本語を持っているのに。


「一歩上いく英文履歴書の書き方、使い方」連載開始

2004-08-19 08:00:00 | 英語
atmarkit.gifITプロフェッショナル向けサイト「アットマーク・アイティ (@IT)」の、転職研究室で、わたしが書いた記事の連載がはじまった。

タイトルは「一歩上いく英文履歴書の書き方、使い方」。これは以前「英文履歴書の行間」というタイトルで、友人のメルマガに連載していたものに、加筆・修正を行なったものだ。(メルマガ連載については「英文履歴書」を参照。)

内容はタイトルにもあるとおり、英文履歴書の書き方について。特に日本国内にある外資系企業に応募する際の、英文履歴書上の注意点を中心に書いている。ご興味がある方はご笑覧ください。

しかし、アチャー! 記事を読むとわたしのプロフィールがバレバレだ。まぁ、いいか。顔は出ていないので、万が一、道でわたしとすれ違っても、わたしだとはわかるまいよ。

なお、英文履歴書に関する質問・お問合せ・履歴書添削等には、このブログまたはメールを通じては、お答えいたしかねます。これらはわたしが仕事として有料で行なっていることなので、事情をご理解くださいませ。

トラックバック:
「英文履歴書」 (巣窟日誌) (開き直って自己トラックバックだ!)
「application」 (無想亭日乗)