孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

世界幸福度ランキング 日本は143か国中、51位 1位フィンランドはどんな国?

2024-03-21 23:40:06 | 幸福

(【moicafe.com】 フィンランドと言えば、森と湖、そしてサウナを楽しむ人々・・・そんなイメージでしょうか)

【日本は143か国中、51位】
例年公表される「世界幸福度ランキング」・・・何をもって「幸福」とするのか、どうやって比較するのか・・・・そういう問題はさておき結果を見ると、1位は7年連続で北欧フィンランド。日本はG7では最低の51位。日本のランキング位置は大体このようなレベルです。

****世界幸福度ランキング 日本は51位 20日は国際幸福デー****
20日は「国際幸福デー」です。世界の国や地域の「幸福度」をランキングにした報告書が公表され、日本は143か国中、51位でした。G7=主要7か国の中で最も低い一方、韓国や中国を上回りました。

「世界幸福度報告書」は、国連の関連組織などが中心となって世論調査を行い、直近の3年間で得られた回答をもとに、世界の国や地域の「幸福度」をランキングにしたものです。2012年以降、2014年を除いて毎年発表されています。

20日に発表された今年の報告書によりますと、フィンランドが7年連続で1位となったほか、2位にデンマーク、3位にアイスランドが続き、福祉や教育が充実している北欧諸国が上位を占めました。

このほかイギリスが20位、アメリカが23位でした。アメリカは初めてトップ20から外れていて、30歳未満の幸福度が大幅に下がったことが原因だとしています。

また、日本は去年は137か国中47位でしたが、今回は4つ下げて51位でした。

G7の中で最も低く、アジアでは、30位のシンガポール、31位の台湾を下回った一方、52位の韓国、60位の中国などを上回りました。

最下位の143位はアフガニスタン、下から2番目はレバノンで、紛争の影響を受けている国々は幸福度が低い傾向となりました。【3月20日 TBS NEWS DIG】
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このランキングについては、2021年10月28日ブログ“ブータン  「幸せの国」も近代化の社会変化の渦中に 国際関係でも中印対立への対応を迫られる”でも、その仕組みを取り上げたことがあります。

****世界幸福度ランキングとは****
幸福度ランキングとは、国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)が、毎年3月20日の「国際幸福デー」に合わせて発表しているランキングデータである。調査は世界の150か国以上を対象におこなわれ、2012年から毎年実施されている。

調査方法
調査で用いられるのは、主観的な幸福度を調べるためのキャントリルラダー(Cantril ladder)と呼ばれる11件法である。「0」~「10」までの11段階のはしごをイメージし、自分自身の生活への満足度が、いまどこにあるのかを判断していく調査手法だ。

このような主観に、以下の6項目の内容が加味される。

1.一人当たり国内総生産(GDP) 2.社会保障制度などの社会的支援 3.健康寿命 4.人生の自由度 5.他者への寛容さ 6.国への信頼度

さらに「各項目が最低値を取ると仮定されるディストピア(架空の国)」と、どれだけ差があるかを加えて、最終的なランキングが決定される仕組みだ。

もともと国連機関は、国内総生産(GDP)をはじめとする経済指標を重視していた。しかし世界的な金融危機や環境破壊など、これから先の社会を生きる上で、無視できない問題が多発。これらの経験をもとに「経済指標だけでは本当の幸福度は測れない」と考えるようになった。

こうした経緯を経て誕生したのが、世界幸福度ランキングである。調査はアメリカの調査会社ギャッラップ社が、対象国・地域の数千人を対象におこない、結果をまとめている。過去3年間の平均値をもとに、最終的なランキングが公表される仕組みだ。【ELEMINIST】
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イマイチわからないところがありますが、日本の幸福度ランキングが50位~60位前後に低迷していることに関しては、以下のようにも。

****日本の順位が低い理由は「自由度」と「寛容さ」****
世界幸福度ランキングが公開されるたび、話題になるのが「なぜ日本の順位はこれほどまでに低いのか?」ということだ。2020年の日本の順位は62位だったが、2021年は56位と、わずかに順位を上げた。しかし先進諸国と比較すると、低い水準にいることは変わらない。

1人あたりの国内総生産(GDP)の数値でみれば、日本の順位は決して低くはない。資源には乏しいものの経済は発達しており、欧州諸国ほどではないが、社会保障制度も確立されている。寿命の長さは、世界でも上位だ。海外と比較して「日本は治安が良く暮らしやすい」と感じる人が多いだろう。

ではなぜ、日本の幸福度ランキング順位はこれほどまでに低いのか? その理由は「人生の自由度」と「他者への寛容さ」の2項目に隠されている。

日本人の「人生の自由度」に影響を与える要素のひとつと言われているのが、労働環境である。欧米諸国と比較して、よく「日本人は働きすぎ」と表現される。

ヨーロッパ各国のように、長期休暇を取る風習もなければ、「有給休暇はあっても取りづらい」と感じる人が多い。また「休暇の取りづらさ」以上に、「職場の中で自分に合った働き方を自由に選択できない」と感じる点が問題だと指摘する声もある。

「他者への寛容さ」の項目については、寄付やボランティア活動が非常に大きな要素となる。日本には、積極的に寄付をおこなったりボランティア活動に参加したりする風習が根付いていない。社会全体でこうした取り組みが積極的におこなわれている国ほど、幸福度ランキングは上昇しやすいという特徴があるのだ。

GDPや健康寿命など、客観的な数値で示されるデータに注目すれば、日本は間違いなく「幸せな国」である。一方で、国民の主観にもとづくデータを見ると、「幸せではない国」としての要素が見え隠れする。この主観的データが、幸福度ランキングで日本の順位が低迷する原因だ。【同上】
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21年当時のブログでも書いたように、自分自身の生活への主観的満足度をどのように評価・表現するかは多分に国民性によるところがあります。「あなたは幸せですか?満足していますか?」と尋ねられて「はい、幸せです」と答えるほど能天気じゃねえよ!・・・と私的にも思います。

ただ、「はい、幸せです」と答えられるというのは、それはそれで一定に評価すべきことかも・・・という感も。

【7年連続で1位というフィンランドは日本と何が違うのか?】
そこで、7年連続で1位というフィンランドは日本と何が違うのか?・・・ということについて。

****日本は51位の衝撃。「世界幸福度ランキング」7年連続1位のフィンランドとは何が違うのか****
(中略)
フィンランドは、何が違うのでしょうか?
私が初めてフィンランドの首都ヘルシンキに行ったとき、ロシア・ルーブルをフィンランド・マルッカ(今はユーロ)に替える方法がわかりませんでした。 とりあえず、駅の最寄りの銀行に入りきょろきょろしていると、銀行員ではない一般人のおばさんが、「何か困ってるの?」と聞いてきました。

私は、「ルーブルをフィンランドの通貨に両替したいのですが」と言いました。すると、おばさんはにっこり微笑んで、「ついてきて!」と言い、私を両替所まで連れていってくれたのです。

バスにはじめて乗ったとき、お金の払い方がわかりませんでした。すると、別の一般人のおばさんが、「お金はこうやって払うのよ!」と即座に教えてくれました。

タクシーの取り方がわからないできょろきょろしていると、道路の清掃をしていた若者が、「何かお困りですか?」と聞いてきました。私と友人が、「タクシーどこで取れますか?」と聞くと、「タクシー取れる場所まで一緒に行きますよ!」と言い、連れて行ってくれました。

私は、「なんだこの国は?!?!?!?!?!?!?」と驚愕し、大好きになってしまったのです。そして、メルマガでも本でも、フィンランドをほめ続けています。

その他気がついたこと
私が一番多く行った外国は、もちろんロシアです。その次に頻繁に行ったのは、ロシアの北の隣国フィンランドです。 その他、気づいたことをいくつか書いておきましょう。

■銀行員の服装
銀行に行ったら、銀行員がTシャツで働いていました。私は、「自由な国なんだな」と思いました。
当時の日本と言えば、「真夏でも男はスーツで」が常識でした。 フィンランドの後に日本に行くと、「これは、ヤバイ!」と思いました。「暑さで死ぬ!」と。(中略)

■女性の靴
フィンランドを歩いていると、ほとんどの女性は、底が薄く、幅の広い靴で、タプタプと歩いていました。
私は普段、女性、男性の靴を見ません。しかし、フィンランドに行ったときは、あまりにもタプタプしているので、目がいってしまったのです。 たまに、ハイヒールの女性を見かけると、ほとんどの場合ロシア人女性でした。

銀行員のTシャツもそうですが、女性の靴を見たときも、「この国は自由なんだな」と思いました。

■ヘルシンキのお店
もう一つ気がついたこと。
ヘルシンキはフィンランドの首都ですが、夕方8時頃になると、ほとんどのお店は閉まっていました。それで、私と友人は、いつも早めの夕食を心がけていたのです。

日本の24時間コンビニに慣れた私たちには不便に感じます。しかし、「夕方8時に閉まる」ことがあらかじめわかっていれば、不便を感じることはなくなるでしょう。

そして、「フィンランド人は、さっさと家に帰って、長い時間眠るんだろうな」と思いました。今調べてみると、フィンランド人の平均睡眠時間は、男性7時間24分、女性7時間45分で、OECD中最長でした。(2018年)
一方日本人の平均睡眠時間は、男性6時間30分、女性6時間40分で、OECD中、最短でした。
● 出所:睡眠時間の世界平均は7時間超 日本人は世界「最下位」?

客観的な指標
フィンランドは、世界幸福度ランキング7年連続世界1位です。他にフィンランドのよさを表す指標は何でしょうか?
■世界教育総合ランキング2022年 フィンランド1位
● 出所:世界教育水準ランキング2022年6月現在(日本は41ヶ国中14位)
「フィンランド=教育大国」というのは有名ですね。

■世界森林率ランキング(OECD加盟国中) フィンランド1位
● 出所:世界の森林面積と森林率

■世界汚職が少ない国ランキング フィンランド2位
● 出所:世界汚職指数「清潔度」で日本16位 デンマーク6年連続TOP…台湾28位 中国76位

「幸せの秘密」フィンランド自身は、どう考えているのか?
フィンランド人は、なぜ世界一幸せなのでしょうか?フィンランド政府観光局は、「幸せの秘密」について、以下4つを挙げています。
自然との密接なつながり 地に足のついたライフスタイル 新鮮な食材を使った料理 持続可能な生活へのアプローチ

フィンランドの幸せは国家機密や大きな謎ではなく、誰もが習得できる一連のスキルやライフハックの組み合わせなのです。森林浴やサウナの後の海水浴から、地元で採れた新鮮な食材を使った食事まで、フィンランド人の幸せの秘訣は日々の生活の中にあります。
● 出所:フィンランド、7年連続で世界幸福度ランキング1位を獲得!

というわけで、今回は、「フィンランドが7年連続で世界幸福度ランキング世界1になった」という話でした。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2024年3月20日号より一部抜粋)【3月21日 北野幸伯氏 MAG2NEWS】
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【必ずしも他人に優しく寛容・・・だけもないフィンランド 移民排斥の極右台頭】
しかし、フィンランドの人々が他人に優しく寛容で、穏やかに暮らしているかと言えば、必ずしもそうとも言い難いような現象も。

昨年4月の総選挙では、移民に対し厳しい政策を掲げる極右とも評される「フィン人党」が第2党の得票率を獲得しました。
中道右派・国民連合の得票率は20.8%、これに右翼のポピュリスト政党・フィン人党(20.1%)が続き、中道左派の与党・社会民主党は19.9%と第3党に転落しました。

「フィン人党」は連立政権にも参加し、発言権を強めています。

****右派連立政権発足へ 国民連合主導、「極右」も参加―フィンランド****
4月のフィンランド議会選で第1党となった保守の国民連合は、欧州連合(EU)懐疑派で反移民を掲げるフィン人党など3政党と連立政権樹立で合意した。首相就任が確実なオルポ国民連合党首が15日夜、明らかにした。「極右」とも言われるフィン人党の政権参加は論議を呼びそうだ。

ヘルシンキからの報道によると、オルポ党首は記者会見で「全ての問題は解決し、(必要な)書類も整った」と語った。新政権で重要ポストを得る見込みのフィン人党のプーラ党首は「パートナー(の政党)と『劇的な変化』と呼べる移民対策に同意でき、うれしく思う」と述べ、移民の取り締まり厳格化を進める考えを強調した。【2023年06月17日 時事】
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「フィン人党」は2011年の総選挙で第3党、2015年及び2019年の総選挙では第2党の地位を獲得しており、近年影響力が強まっています。そうした現象は北欧全体にも共通しています。

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北欧各国で極右が以前から力を増加してきた背景には、北欧独自の寛容な福祉制度がある。(中略)

一方で、移民背景のある人々は、納税率が必ずしも高いわけではなく、特に難民の背景があると、医療や福祉制度により頼ることもある。

「甘えるな」。各国の極右は、厳しい言葉を最も極端な手法で発する。

実のところ、移民や難民に厳しめの政策をするのは、中道右派・中道左派は関係なく、どこの政党でも似ている。政策と言論を切り分け、冷静に、政策だけを見ると、あまり大きな違いはない。だが、人々の感情を極端にあおる表現で、各国の極右は新聞やテレビでよりヘッドラインを飾ることとなる。【2019年4月22日 鐙麻樹氏 YAHOO!ニュース】
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各国とも内情はいろいろ。私は寒い国には住みたくないけど・・・

【日本やフィンランドより中国が幸福・・・といった調査も】
話を「幸福度」に戻すと、日本はもちろん、フィンランドより中国の方が高い・・・という調査もあるようです。

****幸福度最高は中国、最低は日本=中国ネット「来世も中国に生まれたい」「信ぴょう性が…」****
100歳まで生きたい日本人がわずか3割弱だったことが、中国でも注目を集めている。

博報堂DYホールディングス傘下のシンクタンク「100年生活者研究所」がこのほど、日本および海外5カ国(米国、中国、韓国、ドイツ、フィンランド)の20~70代の男女計2840人に、寿命や幸福度に関する調査を行った。

その結果、「100歳まで生きたいか」との質問に「とてもそう思う」「そう思う」と回答した日本人は27.4%で、対象国の中で最も低かった。最も高かったのは米国で66.7%。以下、中国(65.6%)、フィンランド(58.4%)、韓国(53.1%)、ドイツ(52.8%)と続いた。

10点満点で表す幸福度では、日本が5.9点で最低だった。最も高かったのは中国で7.4点。以下、フィンランド(6.8点)、ドイツ(6.6点)、米国(6.5点)、韓国(6.2点)だった。

このほか、「この国の未来は明るいと思う」「この国の人の幸福度は長期的には上がっていく」「今後10年でこの国の経済は成長する」のいずれの項目でも日本は最低だった。

一方、「生まれ変わるとしてもこの国が良い」では63.7%でドイツを上回った。中国は全ての項目で80%を超えて1位だった。

この結果が中国のSNS・微博(ウェイボー)でシェアされると、中国のネットユーザーからは「中国に生まれたことに悔いはない。来世も中国が良い」「私は来世も、そのまた来世も中国に生まれたい」といった声が多く寄せられ、中には「米国が1位なら人類の光と言われ、中国が1位になれば洗脳だと言われる」「いずれにせよ、私は自分の国が好きだ」といった声にも共感が集まった。

一方で、「この調査の信ぴょう性はちょっと…」「どこで取った調査サンプルなんだか」「ま、何といっても中国は幸福度91%(別の調査)で世界一だからね(呆)」「私はフィンランドに生まれたい」など、中国の結果に疑問を抱くユーザーも一定数いた。

また、「100歳以上生きたくないという人の考えが理解できない」という声がある一方で、「健康ならいいけどね。寝たきりなら80過ぎたらもう生きたくはない」「年金を使い切った上に仕事もできない体になったら、死んだ方がましだろうな」という声も出ている。

このほか、他国については「来世は日本人がいい」「日本はストレスが多い。周囲の人は表面的には親切に見えるが実は疎遠」「礼儀正しく規則が厳しい国ほどストレスは大きい」「日本や韓国は自殺率が高いからね」(後略)【3月21日 レコードチャイナ】
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本人が「自分は幸福だ」と思っているなら、それは幸せなことであり、他人がとやかくいう話ではない・・・かな?
少なくとも、パレスチナ・ガザの人々は「自分は幸福だ」とは思っていないでしょう。
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