孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

イラクとキューバ 二人のリーダー

2007-10-10 13:48:16 | 国際情勢

(ゲバラ(右)とカストロ まだ“革命”という言葉が生きていた頃 “flickr”より By Pan-African News Wire File Photos )

最近印象に残った言葉。

*****「流血はあらゆる法と道徳に反する」*******
イラクのシーア派サドル師派の指導者サドル師とシーア派最大規模グループで連立与党の重要な支持基盤とされるイラク・イスラム革命最高評議会(SIIC)の指導者ハキム師が6日、過去数年にわたる対立関係に終止符を打つことを目指す協定を結びました。
両派はこれまで、シーア派内の勢力争いからしばしば武力衝突を繰り返してきました。

今回の合意は3項目。
その第1項目が「どのような場合にあっても、イラク人の血を守り尊重することが求められる。流血はあらゆる法と道徳に反する」【10月7日 AFP】

宗派対立、グループ間の抗争、自爆テロ・・・是非、合意が実現してほしいものです。
ただ、「両派の民兵組織が協定を尊重する可能性は低く、暴走気味の現場に対する両指導者からの停戦呼びかけの意味合いが強い。」【10月7日 毎日】なんて観測もありますが・・・。


* ****「咲く前に茎から手折られた花のようだ」*******
キューバ革命の英雄エルネスト・チェ・ゲバラが革命の「輸出」を夢見たボリビアの山中で政府軍に捕らえられ、39歳で処刑されてから9日で40年を迎えるのを前に、ゲバラゆかりの中南米各地で8日、追悼式典が行われた。
かつての同志で、現在は病気療養中のカストロ・キューバ国家評議会議長(81)は、共産党機関紙グランマに「チェ」と題した論評を寄稿。「彼は国外で名誉ある政治的使命を成し遂げた。われわれのアメリカと世界に新たな自覚をもたらした」と称賛するとともに、「咲く前に茎から手折られた花のようだ」と死を惜しんだ。
一方、最期の地となったボリビア南部のイゲラ村に近いバジェグランデで行われた式典では、反米左派のモラレス大統領が「チェは生きている。彼の歴史的闘争は残忍な資本主義が変革するまで続くだろう」と述べ、「中南米は米帝国主義の『裏庭』に甘んじるな」と訴えた。【10月9日 時事】

ゲバラについては名前ぐらいしか知りませんでした。
ウィキペディア(Wikipedia)などで簡単にその人物像などを確認すると、何事にも率先垂範する行動主義、常に理想を追い求める理想主義の人だったようです。
革命後のキューバでは大臣なども歴任したようですが、少人数組織を率いての武装闘争にあっては効果的・魅力的なキャラクターも、平時の大組織においては空回りすることもあったようです。

大体、理想主義的な人物は他人にも自分同様の行為を求めがちになります。
自分の周囲にそのような人物がいると、正直なところウザったく感じられるものです。
実際、彼の部下達には冷ややかな評価をする者もいるようです。

それにしても、老いたりといえどカストロはさすが革命家、なかなかにロマンチックな弔辞です。
日本の政治家もこの程度の言葉は口にするようになってほしいものです。
カストロとゲバラの関係は後年どうだったのでしょうか?
アメリカの庭先でキューバを実際運営していかなければならない、当時のソ連との関係も維持しなければならない・・・そういった現実問題の中で格闘するカストロと常に革命を夢見るゲバラでは、意見を異にすることも多かったのではないでしょうか。



コメント (1)
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