マサムネくんが犬を飼い始めました
友達の家で生まれたチビワンコを一匹わけて貰ったのです。
マサムネくんが貰った犬は、兄弟の中で一番体が小さく、毛並みもまばら、前足が生まれつきちょっと曲がっています。
「おれはこいつが気に入ったんだ」
マサムネくんは、「チビ」と名付けて可愛がっています。
リョウマくんも、一目でチビが
好きになりました
マサムネくんがチビを連れて歩いていると、「あ、チビだ、チビ、チビ~」と駆け寄っていきます。
チビもリョウマくんを覚えてくれて、猫じゃらしのようなしっぽをぷるんぷるん振ってくれるようになりました。
その日も、散歩中のマサムネくんとチビをリョウマくんが見つけて、いつものようにチビとじゃれあっていると、
「それだわ!」
という声がしました。振り向くと、リョウマくんが大好きなマオちゃんが立っています。
「それよ! リョウマくん、今の動き、もう一回やって」
リョウマくんはぽかんとしていますが、賢いチビはすぐに察して、リョウマくんにじゃれつきました。リョウマくんがそれに応じるのを、マオちゃんはじっと見つめています。
そして、自分も手足を動かし、
「ようし!」
と叫んで、だーっと走り去りました
マオちゃんはもうすぐスケートの大会に出ます。
曲目は「子犬のワルツ」。
プログラムは仕上がっていますが、マオちゃんは、何かが足りないと思っていました。
リョウマくんとチビが遊んでいる姿を見て、「これだ!」と閃いたマオちゃんは、その動きを最後のステップに取り入れることにしました。
大会の日がやってきました。
マオちゃんの愛らしい演技は、ジャッジにもアピールして、見事優勝
「リョウマくんのおかげよ、ありがとう」
マオちゃんは表彰式の後で、しっかりリョウマくんの手を握りしめました。
マサムネくん(とチビ)のアシストで、リョウマくんが先制ゴォォォォォ~ル
マサムネくんも、マオちゃんの応援に来たカナちゃんとスタンドでいい雰囲気です
がんばれ、恋のアライアンス