銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

牛と豚の悲劇ー2(それは、もしかすると、我々の事?)

2009-11-29 08:20:26 | Weblog
 昨日みた、「いのちの食べ方」という映画から、は、
 人間の傲慢さを徹底的に感じさせられますが、もっと悲惨なのは、牛の場合です。
 種牛の精子が『横取り法』という方法で採取をされ、それが種付けされ、妊娠したとしても、出産は帝王切開です。麻酔をかけてもらっているのでしょうが、たったまま、腹を裂かれ、赤ちゃんを取り出される作業に、耐える母牛を見るのが忍びないです。

 最終的に、最も切ないのは、牛が、殺される場面です。眉間に電気ショックを与え、気絶をした状態で、生きたまま、次の作業に取り掛かります。ここでも、大活躍をするのが、ベルトコンベアーです。牛の場合は、重量があるので、掃除機風のエアーコンプレッサーは使いませんが、・・・・・

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 ここから先、哲学的にまとめるなら、・・・・・・狂牛病(BSE)、豚インフルエンザ(今、日本でも大問題になっている、新型インフルエンザの最初期の呼び名です)、鶏インフルエンザが、蔓延し、それで、死者が出たのも、むべなるかな・・・・・と思います。

 旧約聖書に、ノアの箱舟の話が出てきます。すべての種を、神が洪水から救ったと言う説話です。そこでは、効率化は、問題ではなく、人間の友としての、各種の生き物(動くもの)が、ほとんど対等に扱われています。

 しかし、この映画を見る限り、人間は傲慢のきわみであり、家畜として使っている動物種(ここで、登場するのは、鶏、豚、牛ですが)に対して、徹底的に、ものとして利用し、その生き物としての、尊厳については、一切を顧慮しておりません。

 キリスト教では原罪ということをよく言います。この映画『いのちを食べる』を見る限り『原罪はある』と感じます。ただ、食事を、たべるだけで、現在の人間は、したたかなる罪を犯しています。

 仏教では、殺生を禁じています。イナゴとか、魚以外のものの、いのちを食べることを禁じています。江戸時代は、普通の人はそれで生きていたのです。『グローバル化は止めよう・・・・・日本は江戸時代に戻ったほうがいいなあ』といいたくなる、映像でした。

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 だけど、上の一節は、人口が莫大に増えた現在の日本社会では、不可能なことは私にもわかります。でも、問題は、社会学的、というか、政治学的な考察です。

 この映画に登場する、牛や豚って、もしかすると、程度の差はあれ、今の日本人の姿なのかもしれないのです。いや、日本は平和です。鎌倉などに住んでいて、しかも週末で天気がよいと、善男善女が、社寺仏閣めぐりで、日がな一日中にぎやかで、楽しそうであり、何も問題がないみたいです。

 しかし、日本はじわじわと締め付けられていますよ。二十年前は、こんな社会ではなかったと思います。大勢の人が事に当たり、ゆっくりと社会が進展しました。

 敗戦の憂き目を見たので、たいそうな改革が行われ、それゆえに、急に貧乏になった上流社会(貴族や、大地主、大財閥)も出てきたが、一般の庶民は、昔に比べればはるかに、便利で、満ち足りた生活ができる時代がきたのです。それが、1980ねんだいと、1995ねんごろまでは確かに継続する感覚を日本人は持っていました。

 もしかしたら、今の日本人、一般は、この映画における、牛や豚のごとき、感覚で、みなされている可能性があります。だれからといえば、このグローバリズム化世界の、もっとも頂点にいる人たちにです。
 その構造の顕現が、おさえに抑えられていて、普通の人にはあまり見えません。そして、マスコミセレブたちは、わかっていても、自分たちが持っている既得権〔特に特権)を失いたくないために、庶民に正しい情報を与えません。

 今日は偶然に見た映画から、日本という国の現状に気がつかされ、ちょっと、暗澹たる気分になりました。

 なお、映画そのものは、別にナレーションも無く、BGMもない形ですから、プロパガンダとは、別の種のものです。カラー構成としては、非常に、美しい映像が続きます。そして、監督は、観客に向かっては、「それぞれ、独自な、うけとめかたをして欲しい」とだけ言っているのです。

 私の考察は、政治にまで、発展をしましたので、普段の仕事がまだできていませんが、今日はこれで、よいと感じています。  

                  2009年11月29日   雨宮 舜 
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