銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

大量の塩で死体を埋める・・・・・若者が結婚をしない時代に。

2012-01-07 02:23:27 | Weblog
・・・・・電車の中で、若い女性に忠告をした話・・・・・

 2005年に書いたエッセイですが、昨日があまりにも緊迫した話だったので、ちょっと息抜き用に、皆様へご提示します。
 今、2012年、お若い方が、結婚がしにくいというお話が出ています。
 それは、なぜかというと、
 若い方が、あまりに簡単に、セックスへ移行してしまうことと、不倫の関係が多いこともあるでしょう。
 以下のお話は、あまりに早く、セックスに走っては駄目ですよというご注意です。でも、どうか、身にしみて受け止めていただきたい。では、

 これからお話をするのは、現代では普通の話。普通の恋の話です。しかし、結末はちょっと恐ろしい。
驚くべき事件が、ひょいと隣で起きる現代です。そんな、時代を彷彿とさせるエピソードなのですが。
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 内回り線を利用して、東京駅を池袋に向かって過ぎたあたりで、目の前に二人の若い女性が立ちました。その顔と体格のいたいけで、可愛らしいこと、まさに昔の言葉で言う『番茶も出花』の年頃です。二十才前後でさわやかです。ただ、今時(二〇〇五年)の典型的なお嬢さんで、白い木綿のカーディガンの下は、ヨーロッパのヒトが「日本人は下着で歩いている」とよく言うらしい、キャミソールと言う形のブラウスで・・・・・
下は、ジーンズ。こう言っては失礼だが、並の金額で買える並の品質の服装です。普通のヒト、普通の階級のお嬢さん。大学生ではありません。大学生だと、もっと遊んでいる傲慢な感じを受けます。既に働き始めた人たち、それも、スーツをびしっと決めてはたらく大企業のひとたちではない。ブティックでお洋服を売っていたりする、そう言う感じのお嬢さんたち。

 しかし、乗ってきてつり革につかまった途端、カレシ(恋人)のパンツの話です。それが、先ほどから繰り返し説明をしているように、決してすれっからしではない、しかもお化粧も濃くはない、普通の純情そうなお嬢さんが話すのですから『いかに今の若者が、手早くセックスの段階まで入ってしまうのか』と言う点に、まず驚いちゃったのですが・・・・・

 「カレシは、クレヨンしんちゃんのキャラクターが一番好きなのだけど、パンツが、すべて、キャラクターデザインのもので、・・・・・・でも、それって、前の彼女がすべて、買ったんだって」と右の子が言います。
 左側の子は、いじわるでもなく、嫉妬するでもなく、たんたんと、相槌を打ってあげています。
 右側の子は、結構、自己分析の能力もある子で「その日は、喧嘩っぽくなく、別れたんだけど、後で、だんだん腹がたって『捨てて。全部捨てて』って、電話で言ったの」とか、なんとか・・・・・延々と、その手の話題が続くのです。
 で、何回かセックスをした後で、段々身元調査にも入って行ったらしいのですが、そのカレシは、「マンションを三つ持っていて、両親は父、母、別々に会社を経営していて、そこからも幽霊社員として、カレシには給料が出ていて、だから金持ちで、でも、ご本人はギター教室の先生で、土日もないほど、忙しいんだ」とのこと。
 すると、今まで、ほとんど相槌だけだった左側の女の子が「結婚願望はどうなの?」と質問をしました。すると右側の子が「ないみたい。でも、四十才でしょう。だから、『今までどれだけのひとと、付き合ってきたか、人数を教えて?』と、言うと『待ってて、よく考えてみるから』なんて言うの」と応えます。
 ここまで聞いただけだって、私としては相当心配で『このお嬢さんの親は、この交際を知ってるのだろうか? 知らないんだろうな? 大丈夫かしら? ああ、うちの娘が、変な男にひっかからないうちに無事に結婚を出来て、良かったなあ』なんて、心の中で考えていたのですよ。

ところがね、私がとうとう、口を挟まざるを得ないエピソードが出てきました。心底ぞっとするようなエピソードが。なんと、カレシは、「大量の塩を買ってきた」と彼女に言うんだそうです。「カレシは医者じゃあないんだ。だから何に使うんだろうって、思うの。だから、聞いているんだけれど、使う目的を言ってくれないんだ」そうです。
 その用途を、ある時とうとう、じれた彼女が問うと「あ、しまった。塩を買った事を言うんじゃあなかった」と言う顔をするのだそうです。彼女自身、非常に、不審に思い怪訝に思っていて、だからこそ、この件を友達に話したかったようです。普通なら恋愛の話を電車の中でしないですよね。せめて、ドトールかスターバックスに入ってから話す話題でしょう。

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 私は、ここに来てたまらず、口を挟みました。「あなた、その男の人と、これから先も付き合うのなら、彼の実家に行ってみて、彼の両親を見ないと駄目よ。もしかしたら、その塩で、死体を漬けるのかも知れないから、用心をなさい」と言いました。
 いえ、まさかと思うけれど、三つもマンションを持っているなんて、普通の若い人ならできない生活です。それに、会社を両親が経営をしていると言ったって、まともなビジネスなら、この不況(二〇〇五年の六月の話だから)下、たとえ息子と言えども、幽霊社員用の給料など払っていられない筈なのです。

 どう考えても『カレシと言うのが、非常におかしい人物である』事を、この話は示唆しています。もし、彼の言う三つのマンションが、今まで付き合ってきた女性を殺しては、手に入れたものだったりしたら、どうなります? 
この前の鎌倉の事件(由比ガ浜で、若い美形のサラリーマンが、不倫相手が妊娠をしたので、殺害し、自分の家の庭に埋め、さらに偽装工作を重ねていた。正妻はスッチーで、しかも主犯の両親も同居の二世帯住宅内での犯行だから、驚くべき犯罪として世間を巻き込む大騒ぎとなった。その主犯が、息子と高校が同期だったので、それもあって、我が家では重大な関心事となった)ではないが、普通の顔をして、ワイシャツを着てネクタイを締めていながら、すごい事をする人間さえ、いるのです。危ない、危ない。 
それに、北九州の松永と言う悪は、普通のマンションで、何人もの人間をあとかたもないように、抹殺して行ったのですよ。犯罪が遠いことだった昔の日本ではないのです。日本はとても、変わってしまいました。
 私は、その一瞬に、カレシが本当にやりたい事を想像しました。目の前にいる、さわやかで可愛い(しかも自分・・・・・と言うのはその塩を買った男性のこと・・・・を信じている)彼女を殺し、死体の一部を塩漬けにして腐敗をしないように押入れに隠し、別の一部分を冷蔵庫に入れ少しずつ、少しずつ、生ごみとして、ごみ収集日に捨てて行ったら、誰にも気が付かれないで死体を処理できます。
 猟奇的な事件って、その発見をされる当日まではだれにもわからない形で、進行するのです。(この文章を書いただいぶ後で、平塚で、自分の子供と見られる白骨三体を押し入れのダンボールに入れ、布団の上には、殺害した自分の娘の遺体を放置して寝かせており、別の部屋には自殺した前夫の息子が吊り下がっていたと言う、恐るべき事件が起こったのです。それは殺すべくして殺したのではなく、愛情の行き違いとかもつれとか、育てるのが面倒だとか、いろいろ理由はあるのでしょうが、いずれにしろ面積が大変狭いアパートの中で起こった事件なので、猟奇的と言ってよいでしょう。数ヶ月発見をされなかったのです)
でも、その数秒後に、電車は池袋駅に着いてしまいました。が、私は、自分の忠告が、二人に受け入れられたのを感じました。

 普通、こう言う若い女性が私の事を『変なおばさん。おせっかいめ』と思った時は、お互いに目配せなどをして、私を排除するものなのです。それが全くなくて、唖然として私を見つめながら、二人とも声もなく、でも、決して嫌がってはいない顔で、私を見つめていました。
 本当は、右側の彼女は、この男性(カレシ)に、既に相当な胡散臭さを感じていて、「ちょっと、変だな」と既に思っていたところでしょう。昔なら、こう言う男は結婚詐欺師として、警察につかまるところでしょうが、今の女性と言うか(社会全体の風潮が)簡単にセックスまで走ってしまって、それが結婚とは結びつかなくても、それで、良いと言う感覚があるために、あぶない、あぶない、話が出てくるのだと思います。
そして、この年齢では女性が損をしてしまいます。あたら、若い花の時間を、たいせつなパートナーを見つ
られず損をしてしまいます。
いずれにしろ、本当に、会社経営をしている両親が揃っているのなら、息子が四十才になっているのに、結婚をしないなどと言う事を、心配しないわけはないのです。で、当然、恋愛か見合いのどちらかで身を固めているはずなのです。男の話はすべて嘘でしょう。が、まるで、アガサ・クリスティか、ポワロの世界を山手線の車内で、聞くとは思いませんでした。
 でも、この華奢で細身で現代風な女性が、午前中、東横線の車中で出会ったような、たくましくも上品で、かつ、安定した女性になるまでは、前途遼遠だと考えたものです。あぶない、あぶない、
・・・・・お嬢さん、どうか、青春真っ盛りの、御身を大切にして・・・・・。
                             では、二〇〇五年、六月二十五日
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