銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

映画『靖国』日本人の忍耐の象徴たる宮司さん・・・・・私と中国7

2009-02-11 21:05:46 | Weblog
 この映画は、刀匠に対して、製作意図を隠して撮影をしたように、靖国神社に対しても撮影の許可を撮っていないでしょう。当たり前ですが、ゲリラチックに撮影しています。それゆえに、馬鹿に音声が悪いのです。が、カメラが手ぶれるし、非常に近くまで対象に寄っていますので見にくいところもあるが、面白さをも生み出しています。

 しかし、全体を見終わって、感じるのは、靖国神社の宮司とは本当に大変な仕事だなあと言うことです。あらゆる誤解とバッシングの中で、黙って耐え抜いて任務を遂行する、役目です。靖国神社側とか、シンパの人々はいったん、ほっとした時期もあったでしょう。

それは、小泉さんが、羽織袴姿で首相として、最初に、参拝をしたときです。その時には、神社側も羽織袴姿で、案内をしましたし、空からのヘリコプターを始め、大変な報道合戦を招きましたので、なんとなく、ロンダリングが済んで、国民的な許容が得られそうでした。が、むしろ、ことは反対方向へメディア内世論(?)として流れ、集団訴訟の動きが生まれ、小泉さんへは、この映画の制作をはじめ、あらゆるバッシングの方向への流れが出来たわけです。

 それでね。彼は、背広姿で、しかも普通の国民と混ざって、境内の方向から、ただ、賽銭箱に向かって参拝をする姿勢に変更します。それも、8月15日をはずして、ゲリラ的にね。撮影隊もゲリラ的なら、その対象たる小泉さんもゲリラ的です。そこが、観客としては、微苦笑を誘うところです。

ともかく、小泉さんの参拝姿を、この監督のカメラは、『ほーら。ほーら。来たぞ。捉えてやったぞ』と、それこそ、人々の間を縫って、小泉さんと同じスピードで小走りに走りながら追いかけます。ところが、そのビデオカメラが、音声を拾ってしまいます。「あ、小泉さんだ。がんばってね」と。強く応援する大衆の声です。

もちろん、ここで、こんな事を書くと、「おや、まあ。川崎千恵子って、右翼だったの?」とか、「なんだ。ミーハーだねえ。大衆ポピュリズムに乗りやがって」との軽蔑を招くことも知っております。そして、靖国神社境内で拾った声なんて、元々が靖国神社賛成派なのだから、日本の国民の大勢ではないという声もあるでしょう。

 しかし、そこが、無名の人間の強さです。そして、芸術家であることの強さです。誰からも規制をされず、お金も貰っていない人間です。だから、自分なりの本当の事を言えます。有名ではないし、バックも無いのに、本当の事を言えるのが、芸術家として修練を積んだ人間の強さなのです。おごりではありませんが、眼が鋭くなくては作品など出来ないからです。そして、私は寛容でもあります。この映画の中には、反靖国神社派も長い時間を割いて登場するのです。ですから、別して、神社へのオマージュになっている映画ではありません。

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 ところで、靖国参拝を、バッシングの対象とする、原因と言うか根幹的な理由は、A級戦犯合祀の問題です。これが、8月15日前後を、中心にして、毎年澎湃として湧き上がる論調です。そして、分離せよとか、千鳥が淵に新しい普通の、戦没者用・慰霊施設を作れとか、いう論調が起こります。

 しかし、この映画『靖国』を見ているだけでも、明瞭に判りますが、戦争の責任はA級戦犯だけにあるわけではありません。無名戦士はもちろん、犠牲者です。しかし、歴史の大きな流れから考えると、東京裁判そのものが、その評価や実像が怪しくなってきます。

 戦犯裁判と言うものが、あれほど、大きくなって取り上げられたのは、第二次世界大戦の終結を、きっかけとしていて、その後では行われておりません。各地で、戦争が起こっているはずですが、ゲリラ的な民衆の反抗があって、どこが終戦なのか、どの戦争もあいまいになっているし、ベトナム戦争など、アメリカ市民の間にさえ、心理的に、大きな傷を残し、威風堂々と戦勝国として、戦犯裁判などしていられないというムードを生みました。

 あの大東亜戦争を抜き差しなら無いところまで、追い詰めて、原爆投下まで招いた、罪に関しては、メディア(当時は新聞が主ですが)の責任は大きいと思っている人間が、私です。そのメディアが、自らの責任に対しては、口をつぐんでいて、しかも、記者一人ひとりは無名性(安全性)を確保しながら、戦時中も現在も、首相(この場合は小泉さん)とか、靖国神社そのものをたたくのは、非常におかしいことだと思っております。

 でね、ここからは、東京裁判を考え直して行きたいと思っております。特にドイツとの違いを含めて。ドイツと日本には、大きく異なって点があるのです。それを、明瞭にして、行きたいと考えております。

 なお、最後になりましたが、昨日より、一時間早く、更新しておりますので、下に、この前の文章がございます。それも、よろしく。

   2009年2月11日    川崎 千恵子 (雨宮 舜)
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