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AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ハインリヒ!ハインリヒ!

2012年07月12日 | しねしねシネマ
昨日はオフにかこつけて、久々の劇場映画鑑賞のため、怪しい雲行きの中京都に赴く。
劇場は一度も行ったことのなかった四条烏丸にあるミニシアター京都シネマ。
京都駅一歩手前の東寺駅で降りて、そこから東本願寺の横を通って六条分歩いて四条まで行くという、中学時代からのウォーキングコースを選択(行き帰りしめて400円も違ってくるからバカにならないのだ)。
しかし、京都盆地特有のこのクソウンザリさせられるベタベタ感は久しぶりだ。


(私のつまらない映画レビューをご覧になりたくない方は、私の青春時代の軌跡と共に、夏の京都の風景写真でもお楽しみくださりませ。)


東本願寺の向こうに聳え建つは、懐かしの我が学び舎、代々木ゼミナール。



浪人時代、勉学に疲れると息抜きがてらよく訪れていた憩いの場所。境内で寝そべろうとするとすかさず坊さんがとんできて注意を受けたっけ。



四条通はすっかり祇園祭りムード。聞こえてくるは、ピーヒャラプースカ笛太鼓。



うだる暑さの中、ようやく京都シネマに到着(しかし、昔っから思うんやけど五条と四条の間って、なんであんなに長く感じるんやろ?味気なーい灰色のオフィス街だからか)。
昔タワーレコード一号店の店舗があったビルの真向かいのオサレなビルジングの3階にあって、入居している飲食店や雑貨屋もオサレでめっさ高そうな感じ。


入場したら、スクリーンはけっこう小っさめで「あらら」となった。まぁミニシアターやからこういう劇場にもたまに出くわす。ベストポジションだなと思った席に座るやいなや、後ろの初老のオッサンが「わー前に座られたぁ」と、声に出して露骨に嫌がってきやがったので、殺意を押し殺し、ひと睨みして引き止めにかかったオッサンの声を尻目に席を前の方に移動。

で、今回鑑賞した作品はロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督(巨匠なんだって)の『ファウスト』。
ロシア映画だからロシアが舞台かと思って観てたんだが、後で調べると19世紀初頭のドイツの町だった。てことはロシア語だと思ってのはドイツ語だったのね。

本作はタイトルの通り、ドイツの作家ゲーテ原作の戯曲『ファウスト』をソクーロフ監督の解釈で実写化したものであるが、文学作品の嗜みなしなしの私がなんでこんな映画を鑑賞したのかといえば、学生時代(やっぱこれも浪人の頃かな)に手塚治虫の『ファウスト』三部作を読んで感銘を受け、昔からなんやかんや興味があって無謀にもゲーテの原作本にも手をつけて読了したほどである。もちろん原作はチンプンカンプンで、もうこれはギリシャ神話とか戯曲にそこそこ精通してんとしんどい世界であった。

手塚治虫の晩年の傑作『ネオ・ファウスト』。メフィストが悪魔の契約書を交わさせるシーン。



で、この映画作品自体もいささか文学的すぎて、ファウストとメフィストフェレス(ここでは高利貸マウリツィウス)との押し問答も字幕読んでてなんだか面倒くさかった。
この町に登場する人物たちもどこか狂人めいていて、怒りっぽく、むさくるしいオッサンどもがやけにもつれ合うシーンが多くサブっぽくて辟易させられた。
いかにも中世ヨーロッパ的なグロテスクさも苦手だし、延々灰色がかったぼやけた映像が眠気を誘った。
まぁそれでも原作の概要はそこそこ把握していたのでメチャメチャ退屈というわけでもなかった。メフィストの妖術でありえざる所から酒が溢れ出す酒場のシーンや、助手のワーグナーがビン詰めのホムンクルス(ここでは人間の精子とハイエナの肝臓を混ぜ合わせたのだとか)を取り出すシーンなどには「オオー!」っと、ちょっと興奮させられた。

オススメ度:★★★


今日の1曲:『悪魔のしるし』/ Black Sabbath
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ヒーローは変質者

2011年10月02日 | しねしねシネマ
土曜日は恒例のメタルDJイベントが大阪であったんだけど、出番は最後だったので映画の日っていうこともあって、昼間はちまたで結構絶賛上映中だった『SUPER』っつー作品を京都のミニシアターまで観に行ってきた。

うだつの上がらぬ人生を送ってきた中年男が、唯一のよりどころとしていた妻を麻薬ディーラーのボスに横取りされ、絶望に喘いでいると、神からの啓示を授かったような幻覚におそわれ、突如自分がヒーローになって悪を懲らしめなければという使命感に目覚め大暴れするお話。

主人公(クリムゾンボルト)はジャック・ブラックを髣髴とさせるメタボ俳優で、代表作が『ギャラクシークエスト』って、マイナーすぎるだろ。しかもこの映画何回か観たけど全然見覚えないぞ。
妻役にはスティーブン・タイラーの娘リブ・タイラーが起用されてる。久々。『ロード・オブ・ザ・リング』以来かも。
そして悪役ならまかしんしゃいのケビン・ベーコン。この人出てるだけで作品全体が引き締まるよな。
あと主人公以上にサイコな相棒(しかも淫乱)ボルティーを演じるのは、『インセプション』『X-MEN』などの大ヒット映画に出演しているというエレン・ペイジ。
ま、よーわからんけどそこそこの豪華キャストってな感じ。

特殊能力はおろか、なんの資金力も持ち合わせていない普通のオッサンが、突如アメコミのヒーローに扮して犯罪組織に立ち向かうとどんな感じになるか?ということを映像化した作品なんだと思う。
だからコメディタッチながらも、タランティーノばりのリアルなバイオレンス性もあって、終盤の予想外の展開はけっこうひくものがあった。

まぁ1000円払うだけの価値はある内容だったとは思う。
月に1回は映画館に足を運んでいた若かりし20代の頃に、この作品に出会っていたら結構な手応えを感じれたかもしれんが、今の私の冷めた感性では平均点といったところ。
ムチャクチャ笑えるってもんでもなかったし、わざわざ東寺まで出向くほどの映画でもなかったかなと。


先着で缶バッジもらったのはよかった。


オススメ度:★★★

今日の1曲:『PERMANENT VACATION』/ AEROSMITH
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ダイバダッタを観てきたか?

2011年07月02日 | しねしねシネマ
駆け込みタイミングで見てきました。
『手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-』
なんだ、こんな長ったらしい副題があったのか。
つか「手塚治虫の」ってなんだよ。

もうブログ閲覧者の方には、手塚関連作品のことになると検閲根性丸出しでネチネチとつきまとう気持ちの悪い偏執的クレーマー男と目されてるかもしれませんが、原作では交えることのなかったチャプラとシッダルタを戦場で対峙させるという設定が興味深くてつい観にいってしまったのでした。
でもこの作品を観た私の正直な感想としては、やはり残念ながら「想定以上のヒドさ!」といわざるを得ませんでしたね。

三宅氏が指摘していたように、確かに幼児が観るには残虐描写が甚だしい。
しかし大人が見るにしてもアニメーションのクオリティがすこぶる低いから始末に終えない。
21世紀に入って10年も経とうというのに、遠くの人間たちが同じ一定の動きを繰り返すって・・・
しかもなんだこの魅力0のキャラクター画は?
まるで教育番組向けのかたっくるしくて安っぽいアニメを観ているようだった。
それに画のタッチも手伝ってか、ジメジメとなんか変に暗すぎんだよな~

確かに『ブッダ』は多少ダークな内容の物語ではある。
『火の鳥』や『アドルフに告ぐ』など、傑作と称される手塚作品はだいたいダークで救いようがありません。
でも手塚治虫ならではのコミカルなタッチと、ユーモアあふれるナンセンスさでもって描かれているので、そこにはついつい万人を惹き込んでしまうキャッチーさがちゃんと伴なっているし、クセのある登場人物がまた感情移入してしまうほど魅力的なのだ。
たとえばブッダが「私は医者だ。いうなれば人間の心の病気をなおす医者なのです。」という名ゼリフを言う大マジメなシーンで、ブッダの顔がさりげにブラックジャックの顔になってたりするというような。




そういった要素を全部取り除いちゃったんだな、この映画は。
そこんところをこの製作者は全然わかってない。ひょっとして手塚マンガが嫌いなんじゃないかな?
『手塚治虫のブッダ』というタイトルは、おそらく「これは手塚治虫先生が創作したブッダの物語であって、史実に忠実ではありませんよ。だからクレームつけてこないでね」という防御策的な意図でつけたのだろう。そういった不細工さ加減も含めてセンスを疑う作品だな、おい。

しかし、なによりもこの映像作品がヒドかったのは声優陣のショボさ!!
ってゆーかこいつら本業じゃねーから声優なんて呼ぶのもおこがましいが。
百歩譲ってナレーション兼チャプラの母の声を務めた吉永小百合さんはまだ許せる範囲だわな。(でもなんかナレーションがサラ・コナーみたいで妙に暗いんだよね)
シッダルタの声はなんか安モンのヴィジュアル系ヴォーカリストの声みたくナヨっとしてて(主人公のキャラデザインもなんかV系な感じだし主題歌がこれまたX-JAPANときてる)、このヘタレ感はあの聡明さあふれるシッダルタのキャラクターとは随分イメージがかけ離れとんなーと思てたら、吉岡秀隆だった。
なんでコイツなんだ???富良野に帰れよ。

あと、シッダルタの父スッドーダナ王の声役に観世清和なる能楽観世流二十六世家元とかいう大そうな肩書きの方が務められていたみたいだが、これには権威的な人選を感じずにはいられんかったね。
このスッドーダナ王のセリフ回しを聞いて、おそらく劇場に来ていたほとんどの鑑賞者の方が心の中でベイエリアスラッシュメタルバンドのフォビドゥンの1stに収録されている“OFF THE EDGE”のサビの部分を叫んだことは、ほぼ間違いないかと。


棒読みやーーー!!!



どうやらこの映画『ブッダ』三部作構成みたいだが・・・ひとこと言っていいですか?

もういいから、なにもするな。

オススメ度:★

今日の1曲:『OFF THE EDGE』/ FORBIDDEN
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オヤジの上に貼んなって!

2011年02月03日 | しねしねシネマ
約1年振りですか。劇場で映画を鑑賞したのは。
まぁ映画に興味を失くしてしまったおっさんメタラーが久々に観る映画なんてだいたい想像がつくと思いますが。

そうです。『極悪レミー』です。

京都みなみ会館に行くこと自体久しぶりやったなー
東寺駅を降りると、早くもモーターヘッドTに革ジャンでキめてる長髪オヤジ発見。
だいたいこんな映画観る人はメタルファンか、モーターヘッドファンくらいなんだろう。
まぁ私も中坊の頃、モーターヘッド熱狂時代みたいな時期があって、レミーの人柄や生き様は昔からだいたい聞き知っており、今さら彼のドキュメンタリー映画なんて観る必要性あるかなーと躊躇ってたんだが、映画サービスデーだったこともあり、レミーはやっぱり憧れの人やったから一応チェックしておこうかと。
あと劇場でモーターヘッドのカッコいいグッズが売ってるかもしれんしな。
まぁこの映画観に行ってる時点で俺も『THIS IS IT』観に行ってるマイケルファンや、AKB48のドキュメンタリー観に行ってるアイドルファンとたいして変わらんのやなぁと。
もう彼らのこと笑えないんだ!

ただ、これみよがしの感動的な演出もなく、ほとんど飾らない超自然体のオッサンの姿をただ追うだけの映像ってどうなんやとも思うのだが、いや、でも、やっぱ彼の頑固なまでの姿勢、生き様には改めて感銘を受けずにはおれなかった。
やっぱこの人カッコよすぎるわ!
最近ロックミュージシャンのドキュメンタリー映画って多いけど、ここまで人間臭さを浮彫りにした大物映像もなかなかないんじゃないかな。

ジミヘンのローディー時代や、ホークウィンド時代のハチャメチャエピソードも興味深かったし、家賃900ドルのLAのアパートの壁に所狭しと飾られている短剣コレクション、ドイツ軍の紋章と軍服に身を包み戦車にまたがって得意げになっている無邪気な彼の第一次大戦マニア振りも大変微笑ましかった。

あと殆ど知られてなかったレミーの血縁関係も凄まじいものがあったな。
彼はずっと独身なんだが、実は腹違いの2人の息子がいて、ひとりなんか1度も会ったことがないそうだ。
もうひとりの息子は映画にも出てきて彼はビートルズのメンバーと四角関係にあった女性との間にデキた子供らしい。
この親子2人が楽しげに語っていた破廉恥極まりないエピソードには正直ドン引きしてしまった。
当たり前やけど、住む世界が違いすぎる!

そして錚々たるミュージシャンの出演や大音量で流れる名モーターナンバー。
“ACE OF SPADES”のライヴ映像はもちろんフルで流れます。
デイヴ・グロールやメタリカとセッションしていた曲はようわからんかったが、随所にかかるモーターヘッドの名曲、“Killed By Death”や“Bomber”なんかが流れると身体がうずいてしゃーなかった。
終盤で「俺様のベースプレイはこうだ!」といって、リッケンバッカーをバキバキと掻き鳴らす(多分“Boggeyman”のイントロベース)レミーの姿にはシビれたなぁ。
家に帰って余韻に浸らんとばかりに「NO REMORSE」と「ROCK'N'ROLL」を鑑賞。


いや、でも、この作品はオッサンの私なんかより、最近のパンクやロックになんか物足りなさを感じてる血気盛んな若者に是非観て欲しいと思いましたね。
きっとなんらかの刺激になると思うから!

ついでにアルバム1枚も持ってないくせに、AC/DCやMOTORHEADやRAMONESのTシャツ着てるエセファッション野郎どもも観とけ!
(ただ、京都での上映は明日まで)

オススメ度:★★★★



今日の1曲:『OVERKILL』/ MOTORHEAD
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アジアン・カンフー・ジェネレーション

2010年07月08日 | しねしねシネマ
今週はBSでジャッキー・チェン映画の特集やってて、部屋で何気なくその時放映してた『プロジェクトA』を久々に見てたらこれが楽しくって思わず最後まで見入っちゃいました。
この作品は小学校の頃テレビの吹き替え版を夢中になって見てたけど、字幕版を見たのは今回が初めて。
西洋人も中国語しゃべってたんだね。




とにかく名アクロバットシーンの詰め合わせのような映画ですわなぁ。
ジャッキーとサモハン・キンポーのコンビも絶妙で、まぁサモハンと言えば我々の世代ではデブの代名詞みたいになってるのだが、あの体型でカンフーに長けているってギャップが当時なんか凄い魅力だった。
敵さんもみんなカンフーの達人で、子供の頃中国の人らって老若男女みんなカンフーの達人なんだって本気で信じてたもん。


ジャッキーの凄いところは、世界最大級の危険極まりないスタントシーンをすべて本人がこなしてしまうというところ。
ここまでやってしまう人は先にも後にも見たことありませんわ。
この作品の見せ場といえばやっぱ袋小路でのチャリンコチェイスシーン。
民家の裏戸をノックしていって家の主が戸を開けたら後方の追っ手がタイミングよくそれにぶち当たったり、通行人がかついでるはしごにぶつかりそうになったところをジャンプでよけてまたチャリに飛び乗る(もちろん次の追っ手はそれにぶつかっちゃう)など、正に香港映画ならではのユニークなアクロバット劇ですわなぁ。

そしてなんつっても、あの時計台からジャッキーが落下するシーンですよ!!
あれは今見ても凄いよな!
ジャッキー、あれ決死の覚悟ですよ。一歩間違えれば確実に死ぬもん。
でもやりたかったんだよね。監督・脚本は彼だもん。



この映画見てたら、ほんと最近のワイヤーアクションだの3Dだのがアホらしゅうなってくる。

あ、あと北斗の拳に出てくる牙一族の族長って、多分この映画の海賊の大ボスがモデルやったんやって今回見て気がついた。

まぁあの頃の小学生にとってジャッキーってのはほんと憧れの的だった。
私なんかはテレビでジャッキーの映画見た夜は、部屋で仰向けになって手を使わずに足の反動だけで跳ね起きる練習を何回もやって首筋を痛めたものさ。
とにかく道じゃない所を歩くのが好きで、よその家の壁によじ登ったり、川に掛かってる円柱のなんかを渡り歩いたりもした。
ブランコが激しく交錯しまくる中をよけながら横断したり、下にすべりこんだりもしたっけな。
ガラス瓶見つけては道端に叩きつけて割ったり、田んぼの用水路の水を飲んだりもした。
とにかくむやみやたらに危険極まりない(三
これも今思えばジャッキーの影響だったんだろうなぁ。

今の子供たちはこういったカンフー的な遊びの楽しさを知っているのだろうか?


で、スパイク・ジョーンズ監督の傑作カンフーMVと言えば、これ!



今日の1曲:『Get Yourselt High』/ The Chemical Brothers feat.K-OS
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あかたー

2010年03月05日 | しねしねシネマ
先日、噂の3D映画とやらを初体験してきました。作品はお察しの通り『アバター』です。

3D映画というものがどれほど凄いのか想像できなくて、チラっとだけ通常版を見たほうが作品に集中できるのでは?と思ったのだが、劇場まできてこの最新技術映像を体験しないなんて天一まで行ってこってりラーメンを注文しないようなものだと思い、追加料金300円を支払い配布された3Dメガネを装着し、この驚異のスペクタル映像作品に挑んだ。

ただ、先に「アリス・イン・ワンダーランド」の予告編でチェシャ猫の目がスクリーンから飛び出してきてその時既に私の面白がり方がピークに達してしまい、肝心の本編では「お~飛び出してるや~ん」とか、「奥行きが感じられるね」くらいの感動で、まぁ10分も見たら飽きちまってました。

それにね、私は普段メガネとかかけとらんのでこの3Dメガネのフレームがわずらわしくてしょうがないのね。メガネを外したりつけたりして超落ち着きがなかった。
それにやっぱ若干視界が暗くなるんすよね。だから非常に目が疲れる。
よって作品にもなかなか集中できない。
おまけに始まって15分くらいで尿意を催してしまうというソリッドシチュエーションに突入してしまった。

今思うとクラゲみたいなのが浮遊しているところ以外は「そこ3Dの必要性ありまっか?」てな感じだったな。

ストーリーはなんのことはない。
白人が鉱物資源を求めてそこに住む先住民を殺戮しまくり土地を奪ってきた歴史を地球外の衛星を舞台に置きかえて描いただけ。
惑星パンドラの先住民ナヴィなんてアメリカインディアンそのものだし(青い皮膚は宇宙戦艦ヤマトのガミラス人からの着想だろうか?)。
ただ白人のひとりがその先住民の仲間になって救世主となるところがファンタジーなだけだ。
よく似た話前にもけっこうあったな。

でもやっぱジェームズ・キャメロン作品はスケールが半端ねえわ!
衛星パンドラの神秘世界はCGでよーそこまで描き出したなぁ~ちゅーくらい細密で幻想的です。
ロジャー・ディーン描くプログレ画をも髣髴とさせてたな。
ただ、飛行石みたなのが出てきたときは思わず「バルス!!」って叫びそうになった。
あぶねー!あやうくワーナーマイカルを滅ぼしてしまうところだった。
あとやけにたくましいマイケルJが戦闘機を操縦してたな。

終了後、3Dメガネをかけたままとか、胸元にかけたりするオシャレさんは残念ながら見かけなかった。
でも俺ってこの3Dメガネがなんかやけに似合うんだよねぇ。



え、何?これってサングラスとして使うことはできないんだって!?

そ、そんなー!!

そ・・・それを先に、先にいって・・・いってれぼ!!

オススメ度:★★

今日の1曲:『同志』/ YES
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恐怖!戦慄!マタンゴの怪

2010年02月13日 | しねしねシネマ
レトロ映画にさほど興味のない私が、ゲオの100円レンタルで東宝1963年作の映画『マタンゴ』をかりて鑑賞したのにはワケがあるんです。

これまたゲオが在庫の古本をオール50円で大処分していたので、なにかオモロイ小説でもないかと物色していたら、吉村達也著の『マタンゴ ~最後の逆襲~』というタイトルの文庫本を発見し、てっきり映画の原作本かと思って購入して読んでたらどうやらそうではなくて、オマージュ作品というか、あれから40年後くらいの後日談であることが判明して、じゃあ映画の方も観ておかなくちゃねと思った経緯からであります。




てゆーか筋肉少女帯の2nd『SISTER STRAWBERRY』(あるいは『ナゴム全曲集』)に収録されている、オーケンが「呪いの館には行っちゃいけねぇ!!」と連呼する中、三柴江戸蔵の超絶ピアノソロとジェットフィンガー横関敦の速弾きギターが炸裂する“マタンゴ”という曲が大好きだったもので、映画『マタンゴ』には以前から少なからず興味を抱いておりました。

「呪いの館」や「タマミ」という名前の女性は全然出てきませんが、マタンゴというキノコは人に寄生するというのは、大槻が語っていた通りでした。
ただ、あまねくすべての人がお庭にキノコを植えてはいなかったな。

内容は一応モンスターパニックものではあるんだけど、その前に大型ヨットで遭難し南海の無人島にたどり着いた男女7人が、そこで飢えと欲望に葛藤するというサバイバルな極限状態が細密に描かれていて、けっこうその辺の人間模様にドロドロ感がありましたね。

キノコ=幻覚作用ということから、やはりマタンゴの密生する森林や、そこにウジャウジャとひしめくキノコ人間が現れるシーンでは、サイケデリック感のある音響効果が使われておりましたが、ウルトラマンでバルタン星人やメフィラス星人が現れる雰囲気とかなり近いものがあり、その辺はやっぱ特撮監督円谷英二氏のなせる業なのかな。

まぁ幼少の頃にこの作品を深夜放送なんかで見ていたら軽いトラウマにはなっていただろうけど、私ももう大人だ。
最初に出てくる半キノコ状態のゾンビみたいな奴は文化祭のお化け屋敷程度の振る舞いしかせんし、森の中のキノコ人間もドコモダケが巨大化した程度。
こういうB級テイストを楽しむといったマニアック趣味もないので、見終わった後の脱力感は凄まじかった。
小説の方も140ページ超えたところから一向に読み進めないでいる。

オススメ度:★★


やっぱ僕ぁ筋肉少女帯の“マタンゴ”を聴いた時が一番衝撃だったなぁ。
最近『SISTER STRAWBERRY』の紙ジャケリマスターを購入したんだが、やっぱこれは筋少の最高傑作っしょ!!
帯には「申しわけない」という謝罪言葉の横に小さく“猟奇CYBER PUNK”というカテゴライズで紹介されているが、この言い方はもの凄く的を得た表現だなと思った。




「天才とキチガイは紙ジャケ一重」ということを具現化したステキな復刻盤。



今日の1曲:『マタンゴ』/ 筋肉少女帯
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過去のない男

2009年12月23日 | しねしねシネマ
オヤジが突如、成瀬巳喜男監督の映画『浮雲』について熱く語りだしたので、ふとフィンランドのアキ・カウリスマキ監督の“負け犬三部作”のひとつ『過去のない男』について柄にもなく書きたくなった。
ケーブル映画チャンネルでたまたま観ていて、今まで観たこともない不可思議な感覚になんかハマってしまった作品なんです。

薄寂れたヘルシンキの貧民街で淡々とストーリーが展開していくのですが、「感情どこいったんやねん!」といいたくなるほど登場人物が無表情。
そして主人公をはじめ、とにかく口数が少ない。
この街の連中ときたら皆覇気がなく、無愛想なんだが、妙に人情味に溢れてるんだなこれが。
日本の田舎にもいそうやん。無愛想なんだが妙に親切なおばあちゃんとか。そういう素朴感がたまらんというか。

負け犬三部作つっても、ここに登場する主人公の男は暴漢にボコられ半殺しの目に遭い身ぐるみ剥ぎ取られて記憶喪失になるものの、全然負け犬なんかとちがいます。
負け犬どころか、どん底生活の中ちゃんと職探ししたり、彼女作ったり、なぜかバンドをプロデュースしたりします。
犬といえば有名な食人鬼の名前をつけられた犬コロがいい味だしてます。

恋愛シーンひとつにしても大げさでない微妙な演出の中から様々な心情が読み取れ、それがなんかクセになるという、本当に不思議な魅力を持った映画である。
要は、イケメンやらアイドルが出演しなくても、余命何ヶ月かの命でなくても、どっかの中心で愛を叫ばなくったって愛溢れる素晴らしい作品が作れるってことですよ。
「絶対泣きます!」とか宣伝してるCMの映画みたいな押し付けがましさは微塵もございません。

ヨーロッパの作品だからといってなにも映画マニア向けとか、堅苦しい内容とかでは全然なくて、寡黙でクスリとも笑わない主人公が、出くわす人々にサラリと言葉を交わし淡々と人生を立て直していく姿を見てる内に、自然とこの主人公の魅力に惹かれていっちまうんです。
救世軍(慈善活動団体)に仕事紹介してもらったクセに、余裕でサボりながらそのボランティアンのひとりをベタなやり方で口説くというこのおっさんのふてぶてしさもなんだか笑えてきます。
とにかく、この度の大不況で将来の展望が見えない今現在、とても心に沁み、なんだか可笑しくて、そして心温まる一本であるかと。

それと、やっぱ私は音楽のステキな映画に惹かれるのかもしれない。
『ピストルオペラ』とか『ダンサー・イン・ザ・ダーク』など、音楽が映画を生かし映画が音楽を生かすっていう、そういう作品。
とにかく救世軍おかかえバンドの演る曲がいちいち渋いんですよ。主人公が(雑用係の分際で)ロック色を取りいれてはどうかと助言してからはさらにカッコよくなる。
ここでは猿の惑星に出てきそうな容貌の女チーフまでもがステキな歌声の持ち主で、特にラストに彼女が披露するワルツナンバーは強烈な哀愁感が漂っている。

車内食堂のシーンでBGMにクレイジーケンバンドの「ハワイの夜」が流れるんですが、その時主人公が無表情で食ってるものがにぎり鮨であるところもさりげなくユニークである。
このアキ監督、実は小津安次郎や成瀬巳喜男監督などの日本映画ファンで、負け犬三部作のひとつ『浮き雲』は成瀬監督の『浮雲』のタイトルを拝借したものであるとのこと。

オススメ度:★★★★★



今日の1曲:『悪魔に追われて』/ Marko Haavisto & Poutahaukat
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春泥マニアシンジケート

2009年10月29日 | しねしねシネマ
え?前回の大ヒントでも何の映画かさっぱりわかんなかったって??
も~だから普段からちゃんと人間椅子聴いてないとダメっていってんだよ~

いや、まぁ、フランス映画が全くダメダメな私が「フランス人監督が江戸川乱歩の1928年の怪奇傑作をどないして料理しはったんやろう」と、大変興味をそそられて観に行ったわけでありますが、まさか白人の監督が『陰獣』に目をつけるだなんてそれだけでも凄くナーイ?




『陰獣』といえば、妄想探偵趣味と惨虐色情趣味とが織り成す乱歩の代表作ともいうべき妖気漂う官能サスペンスでございます。
乱歩作品の中でも大好きな作品で、十代の頃寝床で読んでて竹中英太郎氏描くオドロオドロしい幻惑的な挿絵も手伝ってか、そのあまりの幻想怪奇な物語に精神をアルカロイドのような薬物に侵された気分にされ、夜寝られなくなったのを覚えております。
大江春泥という犯人像たるや、そりゃあもう強烈なインパクトがございました。
この春泥のモデル自体が乱歩本人であったことも興味深く、作中で春泥の著した小説の中に『屋根裏の遊戯』、『パノラマ国』、『B坂の殺人』なんてのも出てきて乱歩の遊び心が垣間見れて非常におもしろかった。




で、映画はというと・・・

冒頭は、 いきなり西村和彦が出てきて原作とは随分かけ離れた生首ゴロリなシーンが連続し、「どゆこと!?」と面食らったのだが、それは単なる前置きで、内容は全体的には原作に沿ったものでした。
大江春泥のネチネチした脅迫文も出てきますし(ただフランス語だったのがちょっと・・・)、屋根裏部屋からの変態のぞき見シーン、そしてSMプレイ。
主演女優で芸妓を演じるのはフランス在住の日本人モデルの源利華さん。いかにも外人好みのするエキゾチックな女性という感じ。
ヌードも菊池凛子とは違い、ナイスバディーでかなり色っぽかった。
ただ、彼女がフランス語話してるの見てると、なんでか韓国人女性に見えてくる。

それにしてもエロスはかんなり短めやったなぁ。
まぁこの仏監督は、主人公のフランス人作家がフランス目線でミステリアスな異国に迷い込むといったジャポネスクな部分をクローズアップしたかったのでしょう。
茶屋街の艶やかさなど、白色人種特有の耽美主義が誇張されてたような気がします。
古都の町京都、殺陣、天狗のお面、ゲイシャガール、祇園、丁寧なお辞儀、夏祭り、神社とか、原作にはない舞台設定や装飾を施したのは、この辺の日本アイテムはとりあえずおさえておきたかったのでしょう。

まぁ原作ファンからすると、「乱歩が描写した“暗闇にうごめく陰気な獣”のような雰囲気が全然表現しきれてない!」って思うだろうけど、ラストのドンデン返しな結末などは原作読んだことない人ならかなり楽しめる推理サスペンスとなってますし、フランス人が撮ったことを思えばまぁこんなもんとちゃいますやろか?
少なくとも人気俳優ばっかキャスティングしまくってるだけの邦画よりかはずっとおもしろい。



ただ、マフィアのボスみたいな役柄の石橋凌が登場するやいなや、なんだかVシネを見ているような気分に陥ってしまうのが、ほんと残念!
あと主人公役のブノワ・マジメル氏だが、白人っていう偏見もあるのだろうが、単なるスケベ外国人にしか見えんというか、フヌケ過ぎる!(まぁそういう役所なんだが)
ラストの「ハナセー!!」っていうもがき声には失笑を禁じえなかったなぁ。
あそこは別に日本語でなくても・・・


原作は映画とは違って結局犯人は曖昧なまま終わってしまい、非常に後味が悪い結末なのだが、そこがまたろいろな想像を掻き立てられてゾゾゾーッときちゃうんですよねぇ~

『陰獣』はやっぱ原作を読むか、人間椅子の作品を聴くことをオススメしますね。うん。


人間椅子 Live at Budokan 1990.



今日の1曲:『陰獣』/ 人間椅子
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ひどい変態ものである

2009年09月10日 | しねしねシネマ
ウッヒョ~、ビックラこいた。
昨日またしてもあま戦史上最高のアクセス記録を更新してしまった。
やはりビートルズ人気は凄いななんて思ってたんやけど、その記事の事やなかったみたいです。


どーやら約3年前にレビューした『盲獣VS一寸法師』の記事にぎょうさんの人がアクセスしてきているみたいでワケがわからん!
今さらこんなインディーズ作品にメニーピープルが食いつくなんてどう考えてもおかしい。
とうとうアクセス解析機能がイカれたんやなと思いつつも、一応グーグルで検索かけてみたら・・・
トップに躍り出た記事がこいつだった。

「小沢ガールズ」の衆院議員、映画「盲獣VS一寸法師」でフルヌード?

もう、思わず笑ろてもーたわ!!


しかしこういう下世話なゴシップネタで食いつかれとったとは予想だにしてませんでした。いや、おもしろいけどね。
つーか過去にマイナー映画でちょっとオッパイ披露したくらいでこの大騒ぎですか・・・
べつにええんとちゃいます?これも一応歴とした映画作品で、この乱歩のエログロノンセンス極まる原作の映像化のための一担い手として体をはって演じたはるんやから。
彼女も堂々とした態度でいるべきだと思います。
じゃないと石井輝男監督に失礼だ!
まぁ今回は小沢独裁政権のために一肌脱がはったわけですけど。


しかし、思わぬところから注目集めたよなぁ~この映画作品・・・
原作者の江戸川乱歩が自ら「ひどい変態ものである」と評してる通り、映画もひどい変態モノである。
まぁ日頃ポピュラーな映画に馴染んでる人やったらドン引きしはるでしょうねぇ。
自分も別にB級映画マニアって種類の人間やないけど、乱歩嗜好とこの映画のチープさ加減や、目くるめくケバケバしい映像、そしてインディー映画ならではのタブーな演出があまりにも斬新すぎて、「な、なんじゃこりゃ~~!!」ってなって、見事にハマっちまったんですけどね。
俺って、変態なのかなぁ・・・

石井輝男監督『盲獣VS一寸法師』オリジナル版予告篇



まぁ小沢ガールの裸姿が気になって夜も眠れへんゆー方はレンタルでかりるか(置いてるかどうかは知らんけど)、DVD買って確認してみて下さい。
こういうのオカズにする人も出てくるんやろか?
それこそひどい変態者である。


そんなことより、私は現在フランス人監督が撮ったという乱歩原作の映画『陰獣』が早く観たくて気も狂わんばかりなのである。
cross-media.jp/works/『陰獣ーinjuー』


あ、ついでに人間椅子の『踊る一寸法師』にも清き一票をお願いしておこう。
この映像もひどい変態ものだから。




しかし、この思わぬ反響を見てると、この度の選挙でああいった投票結果になるのもうなずけるというものです。
ほとんどの人がマスコミが作り上げた偏った報道の風潮に流され、民主党なら誰でもええわいとか、美人やからとか、しゃべくりがおもろいからとか、芸能人の人気投票みたいなノリで投票しとるんやな~ということがよくわかる。
いまだにあのソーリソーリのピンハネ議員が返り咲いてしまっているのだから本当に救いようがない。
そんな私も実は小沢がどうもいけ好かんという理由だけで民主党以外のテキトーな政党に投票したんやけど。
まぁエラソーに言えまへんわな。

(その他、「日本列島は日本人だけの所有物ではない」という発言、靖国神社に公式参拝することに中国が猛反発してくるのに対し、「A級戦犯は先の大戦の罪人だ。首相が公式参拝すべきではない」と発言する一方、チベットやウイグルの人権蹂躙問題については「中国への内政干渉は行うべきではない」と中国共産党に媚びへつらう態度とか、いろいろと理由はあるんですけどね。)



今日の1曲:『taiatari』/ THE MUNEO HOUSE feat.TSUJIKIYOMIX
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ホラーでげす

2009年08月22日 | しねしねシネマ
夏はやっぱホラーですかね。

正直私はゾンビ、バンパイア類の映画が苦手です。スプラッタ系のヴィジュアルがダメなんでどうしようもない。
昔、それ系だとはつゆ知らず深夜に『バタリアン』を観てしまって軽いトラウマに陥りました。
しかし欧米人はなぜそんなにまでゾンビ映画が好きなのかねぇ。

今回ケーブルの映画チャンネルでやってたロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー in グラインドハウス』」を観たのも深夜でした。
タランティーノとロドリゲスがB級を競い合う?グラインドハウスというなんちゃって企画の一環で、一応チェックしときたかったので。

まぁいわゆるゾンビものなのだが、この作品の場合、ゾンビ以上にタフガイなハンター(人間)側のキャラの方が際立ってしまっているため、ゾンビ(厳密には感染者らしい)の存在がすこぶる薄くって、やっていることは殆ど『デスペラード』みたいな脳みそぶっとぶガンアクション。
女戦士の右足がマシンガンになっててサイコガンの足ヴァージョンみたいでカッコいいのだが、ゾンビに食いちぎられてしまった足の部分にただマシンガンをねじ込んだだけという乱暴な作りで、どういう仕組みで弾が撃てるのかなんて説明はいっさいハショられてるところがB級でしょ!と言いたげな様子。この足マシンガンアクションを撮りたいがための映画なんやろうけど、それ以外は目新しさもぶっ飛ぶような荒唐無稽さもさほど感じられず。



タランティーノの『デス・プルーフ』は映像や役者はスタイリッシュながらも、ド迫力のスタントアクションと、“どこいくねん!?”なストーリー展開でB級もどき感をうまく醸し出していたが、ロドリゲスの場合は故意的な映像ブレや、ゾンビ映画へのオマージュという形でB級感を出そうとCGIを駆使しまくってるだけという、両者のセンスの違いがハッキリと顕れた企画モノだったな。

しかしロドリゲス作品ってゆーのはどーも過剰な飾りっ気が鼻につく。
まぁゾンビ映画へのオマージュって言われても、私自身ゾンビ映画が苦手なので共感できんのは仕方ないんやけど。

思えば私がバンパイア嫌いになったのはロドリゲス監督作『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を観たのがキッカケだったような気がする。
ただ、『フロム・ダスク~』は目が・になるくらい“どこいくねん!?”展開だったので今作よりはグラインドハウス的やったかな。




オススメ度:★★


なお、『グラインドハウス』用にでっち上げられた今作冒頭のロドリゲス監督、ダニー・トレホ主演のフェイク予告編『Machete』の本編撮影が本格的にスタートしたみたいです。
ロバート・デ・ニーロの他、スティーヴン・セガールなどが出演する模様で、下劣感みなぎるヴァイオレンス作品に仕上がりそうだ。
楽しみである。


「Machete」予告編


今日の1曲:『ZOMBIE RITUAL』/ DEATH
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ぜひ挑んでほしい

2009年06月05日 | しねしねシネマ
スター・トレックファンの人のことをトレッキーというらしいですね。
なんかトラッキーみたいでかわいいですね。




ところでトレッキーな方はすでにご存知だと思いますが、私が20代の頃に観た映画で『ギャラクシー・クエスト』っていうスター・トレックのパロディというかオマージュ的なスペースコメディ映画があるんですが、今日はちょっとそちらを紹介しようかと。

こないだ映画『スター・トレック』を見てて、クルーがピンチの際に都合よく活用される人間瞬間転送装置みたいなのが出てきて、「あ、これ『ギャラクシー・クエスト』でも使われてたよな」って思ったんですよ。
そこで初めてこのアイテムがスター・トレックのネタだったのだとわかったんですね。
だから、この映画『ギャラクシー・クエスト』を見たらスター・トレックのだいたいの概要がつかめちゃった気分になります。
トレッキーの皆様から「ふざけなさんな!」「オマエはなにもわかっちゃいない!」との謗りを受けるかもしれませんが、そう言われれば「その通りです」と応えるほかございませんね。
てかオリジナル版スター・トレック見ろよ!って話なんですが。

パンフレットもなかなか凝ってて、スナック菓子の袋に封入されていた。






まぁパロディっていっても、おバカ映画とカテゴライズされるような悪フザケが過ぎた内容ではなく、ことのほかストーリー設定がシッカリとしてるんですよ!

内容は、アメリカで人気のスター・トレックみたいなスペースアドベンチャーTVドラマシリーズに出演している俳優たちが、ある日“他者を欺く(フィクション)”という概念を持たないモノホンの異星人にかつがれて(この辺がSTっぽくね?)、どっかの宇宙戦争に巻き込まれるというドタバタ劇なんですが、笑いはもちろん、最後の方なんかけっこうウルウルするシリアスなシーンとかもちゃんと盛り込まれており、けっこう豪華なVFXが駆使されていて意外と見応えがあるんですよ。
まぁこれも1種のリイマジネーション作品といえるんじゃないでしょうか。
だからこの作品もスター・トレックの予備知識がなくっても十分楽しめちゃうんですよね。

あと、この映画見てるとスター・トレックってやっぱオタク趣味っぽいなというイメージが定着しちゃうんですよね。
だってこの物語で最後に思わぬ大活躍を見せるのが、ほかならぬギャラクシー・クエストオタク達なのですから。
彼らの並々ならぬオタク知識が窮地のクルーたちを救います。

異星人クルーに扮したアラン・リックマンもいい味出してたし、彼の決めゼリフをかりて言ってしまおう。

トカゲ頭に懸けて、この映画はヘタなSF映画よりは絶対にオモシロイ!!

あと、シガニー・ウィーバーのコスチューム姿がやけにエロいぞ。

オススメ度:★★★★★



今日の1曲:『ELEPHANT SONG』/ APHEX TWIN
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なぜか挑んだ

2009年06月02日 | しねしねシネマ
大作SFモノっていうと、だいたいスター・ウォーズ派とスター・トレック派に分かれるみたいだが、私の場合はもろスター・ウォーズ派になります。
そんな私がどういう風の吹き回しか、最近封切りしたばかりの映画『スター・トレック』をはばかりながら観に行ってまいりました。
スター・トレックに関してはスポックとエンタープライズ号くらいの知識しか持ち合わせてない私が、「なぜこの映画に挑んだのか?」と問われると、まぁ気まぐれとしかいいようがないですね。それともこの映画のクルー達のように、“未知なる宇宙”というものを無意識の内に追い求めていたのかもしれない。

スター・トレックのイメージというと、あの地味なコスチュームにシリコン埋め込んだような、あるいは鈴木園子のような顔面の異星人が出てくる、なんかいつも艦内でゴチャゴチャもめているといったような感じです。なんせケーブルのドラマチャンネルでたまに見かけるんですけど30秒と見てたことないですから。
スター・トレックはヴィジュアル面においても、エンターテイメント性においてもやっぱスター・ウォーズより地味な印象があり、なんか一部のマニアの間だけで盛り上がってるような感じがするんですが。


上映直前に、ひとつのシアターからぎょうさん中高生の若者達がゾロゾロ~と出てきたので、何の映画かいな?と思ったら今話題の『ルーキーズ』でした。なるほど、これがいわゆるイケメンブームとかいうやつか・・・
それにひきかえ、真向かいの『スター・トレック』のシアターには、しょぼくれた中高年のおっさんが約30人くらい。この両者の対照的な客層がおもろかった。
リュック背負ったオタクっぽ~い人が多かったような気がします。私も彼らの中に違和感なく溶け込んでいたのだろうけど、とんだモグリ野郎だ。
しかし封切4日目でこの客の少なさはどうなんだ。


監督は昨年『クローバーフィールド』で煮え湯を飲まされたJJエイブラムスであんまりいい気はしなかったけど、この作品はいわゆるスター・トレック・ビギンズみたいな感じなのかな?私のような門外漢でもそこそこ楽しむことができました。
少しタイムトラベル的な要素が含まれており、その辺がややこしかったけど、CG描写のスケールのデカさ、スペースバトルの迫力はなかなかのものでした。でもなんかやっぱりこの作品特有の地味さはぬぐえませんね。
いきなしビースティの“SABOTAGE”が流れたり、主人公カークの型破りでナンパなキャラは、この地味な作品にはなんだか似つかわしくない感じで、このチャラさ加減はスター・トレックファンからしたらどうなんやろう?って思いましたが、バルカン人と地球人との間に生まれたスポック(ハーフやったんや!)の、バルカン人特有の論理的な部分と人間的な感情との間で揺れ動く指揮官としての葛藤がもの凄く繊細で魅力的に描かれており、なんだかちょっくら奥ゆかしいスポックの人柄に惚れ込んじゃいました。ウフーラがカークではなく、彼にホレちゃった気持ちもわかる気がします。


昨今、しょーもないハーフ芸能人がクソみたいにもてはやされてますが、宇宙空間を飛び越えたスケールのデカい繊細な心を持ったスポックみたいな人物こそ、真に魅力的なハーフだと思うんですよね。
ただ、目鼻立ちではなく、耳髪立ちが際立ってしまっては、ヴィジュアル的にウケんのかもしれん。


オススメ度:★★★★★




今日の1曲:『SABOTAGE』/ Beastie Boys
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開けたらまた部屋!

2009年04月23日 | しねしねシネマ
先日、テレビつけたら『ザ・ピンモネア』がやっていて、鳥居みゆきさんが出てたので思わず見入ってしまったんやけど。
なんか決められた舞台設定のシチュエーションコントみたいなやつ?


彼女のキワモノ的なキャラ芸は正直苦手やったんですけど、結構芸の引き出しもってはる人やったんやなぁ~って感心してしまいました。
特にFINALステージは見事!プライバシー音声のモノマネ技とかもやってはって自分的にはけっこうウケたんですけど、会場ではあれが全然ウケなくて、「手ごわいやつら」みたいな苦笑いの表情をした瞬間が一番ウケてましたね。
ああいうキャラの人が一瞬素を出す瞬間がおもろいんだと思います。

それにしても、鳥居みゆきって人はなかなかアドリブもきくし、あの暴走キャラで他の芸人をイジってあげるという気配りまで持ち合わせてるんだから、彼女の懐の深さ、そして頭の回転の早さには脱帽するしかないですね。



あとちょっとマニアックなネタをブッこんでくるところなんかもいい。
指を四角の形にして「キューブ!」って叫んだのには思わず吹き出してしまいました。
これってみんなわかるんかいなと。
ソリッドシチュエーションコント?
ああいうところに彼女の奥の深さを感じましたねぇ。


映画『CUBE』は私も当時衝撃を受けた大好きな映画で、1997年制作のソリッドシチュエーションの最高傑作ともいうべき当時大ヒットしたカナダ産サイコスリラー映画で、ま、映画好きの人ならだいたいの人が観たことあるかと思います。

ある日、なんの繋がりもない男女6人が、いくつもの立方体(キューブ)で構成され、様々な殺人トラップが張り巡らされた謎の迷宮部屋に突如放り込まれ、そこからの脱出劇を描いたものなんですが、立方体の密室での得体の知れない雰囲気もさることながら、極限状態に追い込まれた人間の深層心理が巧みなまでに浮き彫りにされていく、手に汗握る戦慄の衝撃作なのです。




最初から最後までほとんど立方体の部屋で物語が展開され、『SAW』みたいに仕掛け人によるルール説明とかは一切出てこない。
キャストもハリウッドの華やかな顔ぶれはなく、ほぼ無名役者陣を使っていて(全員カナダ人?)、そこがまた新鮮味があってよいところで、みんなそれぞれ実にいい顔をしてる。

そういう低予算でシンプルな状況設定で、本当に怖いのは人間の奥底に潜むドス黒い狂気であること、そして外の社会になんの目的も見出せなくなった者の虚脱感や絶望といったものをイヤというほど思い知らされるのだ。
そしてそんな人間の心理状態に関係なく、冷徹に作動し続ける無機質な立方体の恐怖!


この映画は当時けっこう話題になり、違う監督らが続編を次々と撮りだしたけど、ま、本作一本で十分だと思います。

まぁこの映画一本観てもらえば、乱発続編映画『SAW』が“『CUBE』より凄いらしい!”なんてことはないとわかるかと思います。

オススメ度:★★★★★





今日の1曲:『IN THE CUBE』/ FISHBONE
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二十面相は誰だ!オマエじゃ!

2009年02月07日 | しねしねシネマ
観てきました。『K-20 怪人二十面相・伝』。乱歩ファンの義務として。
もう観る前から「どうせ怪傑ゾロみたいなアクロバット劇やろ、金城武もなんとなくバンデラスに似てるし」ってそれほど期待はしてなかったんです。いや、映画館に赴いたぐらいだからそれなりに期待はしてたんだと思いますけど。
まぁ二十面相の神出鬼没さがチト足りなかったけど、いやいや想定外にもおもしろかった。

まず、第二次世界大戦を回避したまさかの架空の昭和世界が舞台というトンデモ設定にいてコマされたというか。
確かにんなアホなのパラレルワールド映画なんですが、多分元々の原作がもっとバカバカしいものだと思うので、このぐらい設定をメチャクチャにしないと映像化できないと監督はふんだんだと思いますよ。じゃないと、単なる幼児向け映画になるだろうからねぇ~
全体の話の流れは『スパイダーマン』と『スパイ大作戦』をくっつけたようなスパイ&スパイな話なんですね。このケミストリーが功を奏したのかもしれません。私は『マスク・オブ・ゾロ』や『スパイダーマン』よりかは面白い!って思いました。
それは多分トンデモ昭和の絢爛な大帝都を構築した舞台背景がよかったからだと思います。
『三丁目の夕日』を見てなかったので、この撮影チームがどんだけ技術高いのか知らなかったのですが、いやいや、日本の映画もここまできたか!と嬉しくなっちゃいましたね!
そうとう金かけてんのがわかりますし、少なくとも20年前くらいのハリウッドには追いついたんじゃないかと言える映像ではなかったでしょうか?

金城のクサい演技はおいといて、脇を固める役者陣は本当にハマってたと思います。
とくにカラクリ師役の國村隼さんがいい味出してた。あと小林少年の子憎たらしいチェック服姿もサマになってたと思います。ちゃんとDBバッジつけてたし。
少年探偵団ってなんか秘密警察っぽかったなぁ~、そういう設定も気に入りました。

よくダメ監督が使う見苦しい言い訳である「原作とは違った、全く新しい世界」な冒涜感はありますが、でもそれなりに乱歩的要素がちゃんと盛り込まれてたと思いますよ。
特にラストのドンでん返しは正に「蜘蛛男」のそれじゃないですか!!

ここからちょっとネタばれになるのでこれから観ようと思ってる人は目をつぶるか、人間椅子でも聴いていて下さい。

人間椅子 -「怪人二十面相」(アルバム『怪人二十面相』より)

てっきりこの曲がエンディングテーマや思てたのに・・・なんでOASISやねん!

終盤クライマックスは見事でした!あのアッと驚くサプライズ展開!よくそこまで乱歩作品のキャラ設定を根底から覆すオチに仕立て上げたものだと、なんか逆に感心してしまいました。
でも悲しいかな、最初からバレバレなんですよ。乱歩作品とか、外国の探偵小説読みつくしてる人はもちろん、そうでなくっても感のいい人にはわかっちゃいますね。
だってあまりにも仲村トオルの明智らしからぬ存在が胡散クサすぎるでしょ!鹿賀丈史の面でごまかそうったってダメです。
まぁこの設定、一部の乱歩ファンからは非難轟々でしょうな~
私は元々イチビリすぎな明智のキャラが好かんかったので、この設定は気に入ってます。むしろ嬉しくなっちゃいました。
それに、以前私が『スパイダーマン3』の記事で提言してた「スパイダーマンVS蜘蛛男」の構想がここでなんとなく実現した感があり、ひとり勝手に感慨深い気持ちになっちゃいました。
この脚本、まさか私のブログ記事がヒントになったのでは?なんてな。

どういう意味かわからないって?
いや、ひとりよがりの思い込みなんで気にせんといて下さい。

オススメ度:★★★★



今日の1曲:『誰だ!』/ 電気グルーヴ
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