Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「シャーロックホームズ」

2010年04月04日 06時14分14秒 | 映画(2010)
知られざる「英国紳士」に関する一考察。


子供のころ、娯楽要素を含んだ読み物として二大巨頭だったのが「怪盗ルパン」と「名探偵ホームズ」だった。

コナン君にも継承される頭脳明晰、冷静沈着といった「名探偵」の印象もそこから来ていると思われるが、そんなステレオタイプが何だかあいまいなものだったということに気付かされた。

ここに出てくるホームズは、簡単に言えば変人だ。

R.ダウニー・ジュニアが演じる時点でそれは予想できたのかもしれない。でもこれが新鮮でおもしろい。

そして助手・ワトソン役のJ.ロウ

こちらも助手=一段下という関係ではまったくなく、変人ホームズと一般社会をつなぐ唯一の綱とも言える大きな存在になっている。社会的地位をしっかりと有している点では、むしろホームズより格上の感さえある。J.ロウの凛々しい外観がその思いを強くさせている。

劇中で展開される事件はそれほど目を引くものではないが、この2人の魅力が頭抜けていることもあってまったく飽きることなく楽しむことができた。いいシリーズになりそうだ。

R.マクアダムスは相変わらず美しい。峰不二子然とした役回りで活躍するが、残念ながら2人に比べるとやや力が劣る。次作以降に期待したい。

G.リッチーの作品は初めて観た。娯楽大作を作る印象がなかったが、極めて無難な出来映え。脚本や演出に彼の趣味が投影されているらしいが、本作ではそれがうまくハマったのだろう。

(75点)
コメント (6)
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「フィリップ、きみを愛してる!」

2010年04月04日 06時13分36秒 | 映画(2010)
命まで懸けた愛の道化。


「ミルク」のS.ペンのときも感じたが、本作のJ.キャリーE.マクレガーもどう見てもゲイである。これは彼らの演技力もさることながら、見る側の先入観というのも大きいのだろうと思う。

この映画はゲイを扱っているものの、実は主人公がゲイである必然性はそれほど高くない。男女に置き換えても成り立ちそうな、言ってみれば純愛ドラマである。

類まれなる才能をひたすら愛情の表現に注ぎ込み続けた彼の人生は悲劇であり喜劇だ。

一般的には犯罪者であり、美化しているとも捕らえられかねない描写には疑問が残るが、何しろ話がドラマティックなのだから仕方がない。

とにかくエキセントリックな役だけにJ.キャリーが演じるのはまさに必然。頭脳明晰なエセCFOから余命僅かなエセ病人まで、振り幅の広さは完全に彼のフィールド。

容貌がちょっとすさんだようにも見えたけど、これは役柄を考えればアプローチなのかも。まずは健在ぶりを確認できたと言っていいだろう。

一方のE.マクレガーは完全な受け身。これはこれで難しいと思うが、「彼が二度愛したS」のときも巻き込まれ役だったし、こういうパターンでいくのかな。

(70点)
コメント (4)
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