「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア環境影響評価方法書説明会

2011年10月19日 | リニア新幹線
 昨日は交流センターでJR東海によるリニア新幹線の環境アセス方法書の説明会が行われた。大鹿村では3年前に水平ボーリング調査が行われており、南アルプス長大山岳トンネルの坑口になることが確実視されてきたことから、早くから住民の懸念も大きく、関心も高い。質問者の一人が言ったように、まさに「この日を待ちわびていた」だけに、会場いっぱいの人が集まり、質疑応答の時間にはたくさんの手が挙がり、次々に質問・意見が出された。当初の予定時間は7時~8時半で、後半が質疑応答に当てられていたけれども、「これだけ手が挙がっているのだから、時間を延長してくれ」という声が上がり、45分ほど延長して、計13人がいろいろな観点から質問・意見を述べた。私も幾つか質問事項を用意して、みんなの質問の状況を見て、抜け落ちているところを質問しようと思っていたけれども、時間切れで打ち切られて質問できなかった。
 多くの住民の一番の関心は、やはりどこに坑口や斜坑ができて、どのような工事が行われ、工事用道路をどうするのか、膨大な土砂の運搬などがどのように行われるのかといった具体的なことだが、方法書で示されているのは3km幅の概略ルートだけで、具体的なものは全く示されていない。質問に対しても、そうした具体的なことは次の準備書で示すという回答のみで、その準備書は早くて2年後だという。そして、準備書ができた段階でまた説明会を開いて意見を聞くというので、そうではなくて、具体的なことが決まる前のプロセス段階で、しっかり情報開示して住民の声を聞いてほしいという強い要望が出された。
 また、電力消費量、原発との関係についてや、活断層や東海地震、環境アセスで専門家の助言を聞くというときの専門家の選定について、水源、温泉源泉への影響や磁界の問題、事故時の避難方法など、幅広い観点から意見や質問があったけれども、どれも予期された答えというか、住民に納得のいく回答はなかった。
 終了後も残ってJR側と話している人がいたので、私も時間切れでできなかった質問をしてきた。一つは、山梨実験線の延伸工事によって現実に水がれが起こっていることに対し、JR東海としてどのような補償なり対処をしているかということ。簡易水道だけでなく、水源や川が枯渇したという訴えは数十件に上るというが、それらに対してきちんと対応しているのかどうか。もう一つは、山岳トンネル斜坑坑口周辺の現地調査の考え方として、調査範囲は土地改変区域から概ね600mと記されているけれども、坑口の具体的な場所は決まっていないという。決まっていないのに600mというのはどういうことか。これから行われる説明会の席上で誰か聞いてくれないかな。その他、細かいことも含めて疑問点は多々あるけど、他地域の説明会に行って聞いてくるか、飯田のJR東海の環境保全事務所に行って聞いてくるか。

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