「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

リニア連絡協議会

2019年06月26日 | リニア新幹線

 昨日、リニア連絡協議会が開催された。連絡協議会は以前の対策委員会とは性格が違って発言する人は少なく、工事の進捗状況や今後の工事計画についての連絡事項を聞く場になってしまっている。

 松川インター大鹿線の改良工事はトンネル2本が完成、拡幅工事5か所のうち1か所が完成、残りの4か所は保安林解除の手続き中。その他、防災工事として法面対策工事を7か所で施工するそうだ(1か所、昨年崩落があった箇所で施工中)。リニア残土の運搬はこの拡幅工事終了後となっている。

 小渋川非常口では4月5日に斜坑の掘削が完了、先進坑の掘削に向けた準備中で、秋頃から先進坑の掘削に入るという。ここの残土は大西総合グラウンドに運ばれている。(6mくらい嵩上げして造成)

 除山非常口は斜坑延長1870mの約半分程度の掘削が進んでいて、ここの残土は除山非常口のすぐ近くの発生土仮置き場Aと三正坊と呼ばれているBと旧荒川荘跡に運ばれている。既にAとBは満杯で、Bは農地の一時転用で3年となっていたが、3年で撤去できないのと、残土置場が足りないので、三正坊の現在残土が置かれていない南側へも置きたいとのこと。現在の仮置きが4.7万立米で、さらに7万立米仮置き。そして、仮置き残土搬出後に農地復旧することで、地権者や釜沢地区の人たちと協議が続けられている。

 そして、ずっと保安林解除手続き中とされていた釜沢非常口について準備工事を開始したいという説明があった。どうやらヤードの面積を縮小して工事着手するようで、計画図面を見ると重金属判定用の仮置き場が設けられていなかった。(除山非常口の土砂ピットを使うらしい)

 釜沢に仮置きしている残土の搬出は、小渋川非常口と釜沢非常口との間の先進坑を工事用道路として使う計画なので、とにかく先進坑が掘れないと搬出できない。さらに工事用道路となる国道迂回ルートもまだ暫定ルートのままだし、村外の残土置場も決まっていないので、農地に復旧するといっても一体いつの話になるのか全く見えない。

 迂回ルートは調停が打ち切りとなったが、JRは9月末を期限に地権者との協議を行いたいという説明があった。9月末までに協議がうまくいかなかった場合どうするのかという質問に対しては、今の県道の通行を考えている、まずは上市場の人たちと話し合うとの回答。しかし、県道を1000台もの工事車両が通るのは無理があるので、何らかの別の手段を考えてほしいという意見が出る。

 環境調査の年次報告が昨日公表された。今のところ発生土について、自然由来の重金属等の調査で基準値を超えるものはないとのこと。また、仮置き場A近傍の地下水の水質測定箇所において、フッ素とホウ素が基準値を超えているけど、これは仮置き場として使用する前から越えているので、リニア工事のせいではないとの説明。

 また、昨日は中部電力の送電線工事の説明もあった。上蔵の変電所まで15万4000ボルトの高圧送電線と鉄塔が村内に9基建つ。7~8月に地区・住民説明会を行って、10月に工事着手したいとのこと。大西山方面の資材運搬にはヘリも使うようなので、騒音も気になりそう。今年の秋から始まって、2024年の前半までのスケジュールで、工事車両のピークは来年秋頃との想定で、そのときの工事車両の最大通行台数は62台。トンネル工事の台数にこれが加わることになる。

 


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