「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

9月のリニア連絡協議会

2019年10月02日 | リニア新幹線

 いろいろ重なって怒濤の9月が終わった。9月議会は一般質問は4名で、私はオスプレイの村内飛行についてと山岳遭難救助隊について質問した。議会については「議会だより」が村ホームページから見られるようになったので、村外の方はそちらをご参照ください。

 30日にはリニア連絡協議会が開催され、リニア工事および関連工事の進捗状況や、第三者委員会で検討されていた鳶ヶ巣沢環境対策事業、中電の送電線工事等について説明があった。

 初めに長野県から松川インター大鹿線(小渋線)の拡幅改良工事について、区間3と4は9月12日に保安林解除予定告示が出て、工事発注準備中、区間1と2はまだ審査中とのこと。また、区間5の拡張工事終了箇所、大鹿側から行くと西下トンネルを出て道が大きくカーブしているところになるが、通常のガードレールでは怖いという要望が前回出ていたことに対して、眩光防止網を設置するという説明があった。時期は未定。それと、半の沢の盛土による道路改良について、新聞報道で時間雨量20ミリで住民避難や通行止めと読める記事が掲載されていて、その件についての説明があった。検討委員会に示した資料の中に管理基準値(案)があって、その内容が時間雨量20ミリ、累積雨量100ミリで厳重警戒というものだけど、それが直ちに避難とか通行止めという話ではないこと、その値は長野県の土木現場必携によるもので、これ自体は施工中の管理基準だという説明だった。(と書いたところ、中川村では施工後の安全管理計画として説明があったとご指摘いただいた)

 次にJR東海から、小渋川非常口では8月23日から先進坑の掘削に着手、村営グラウンドの造成については北側は概ね完了とのこと。ちなみに、グラウンドについては既に設計コンペが行われ、9月議会の補正予算で設計監理委託料や管理棟などの工事費が計上されている。除山非常口では斜坑延長の約半分の掘削が完了、釜沢非常口では7月から伐採等の準備工事が始まっており、今年の冬頃に斜坑掘削開始予定。旧荒川荘の残土置場は概ね完了、三正坊の仮置き場については環境保全計画が8月2日に更新され、つい最近、県の助言が出された。この助言では盛土の構造見直しが求められていた。10月から造成工事に着手となっていたけど、県の助言への対応方針を25日までに出すことになっているので、その後と考えてよいのだろうか。確認するのを忘れた。

 国道152号線の迂回路については、9月末を期限として地権者との協議を進めると前回言っていたが、本当にぎりぎりで、この協議会終了後に契約を交わすことになっているという話だった。地権者の方は車両通行台数等、環境負荷の低減を求めて協議されてきたわけだけど、最終的にどのような条件で妥結したのかは今のところ不明。

 青木川非常口ヤードの既存残土の搬出は11月下旬頃まで、搬出先の儀内路3か所のうち1か所は農地に復旧することになっているけど、耕土が足りないので、喬木村から運ぶとのこと。堰下ガイドウェイヤードから運ぶみたいだ。

 JR東海の説明の最後の方は、JR東海ツアーズによる観光旅行商品の宣伝など。

 その次に鳶ヶ巣沢環境対策事業に関して、技術検討委員会の経過等について説明があった。盛土下部は半の沢と同様、セメントを混ぜた改良盛土を用いること、水平ボーリングと地下排水管を設置し、盛土内浸透水等を排水すること、盛土の押さえに土留め壁を設置すること、上部の治山工事エリア下流から流出する土砂を捕捉可能な流路工を設置することなど、図面と共に説明があった。盛土が崩壊した際のシミュレーションというのもあって、小渋川が55%閉塞された状態で計画高水流量を流すと、対岸の村道において越水可能性があるものの、下流域には影響がないという説明だった。また、安全管理の考え方として、施工時、施工後のいずれもJR東海が盛土等の安全管理を行う、施工後の盛土表面の目視点検、排水側溝の点検清掃等の簡易の日常点検については大鹿村が行うとのこと。これはあくまでも検討経過であり、最終案ではない、照査結果の報告書が出てから、それを精査した上で最終案を作成し、改めて最終案の説明を行うとのことだった。

 次に中部電力の送電線工事について、住民説明会での主な質問(意見)と回答について説明があった。送電鉄塔については、これまで平面図での説明はあったわけだけど、実際に景観の中でどう見えるかというフォトモンタージュは遠景のものしか出されてこなかった。しかし、最近になって中電が個別に説明に来て、本当に間近に、それも村内では一番高い80mもの鉄塔が建つことが分かった住民から鉄塔の位置変更についての要望書が出てきていて、丁寧に対応していくとのことだった。

 Web版にはないけど、南信州と信毎に記事が掲載されています。また、村内では連絡協議会の概要について翌月の全戸配布で「リニア新幹線情報」が出されており、これはホームページですべて公開されています。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
神奈川新聞 (大鹿村が大好きだった男)
2019-11-10 08:58:19
神奈川新聞によると大鹿村のリニア工事が数年遅れていて、本坑も掘れない状態にあるらしい。村民はJRに騙されているのか?
https://www.kanaloco.jp/article/entry-207371.html
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Unknown (kawamoto)
2019-11-10 21:24:37
リンク先は有料記事で読めませんが、5紙連携企画なので、信毎に掲載されたものと同じ記事かと思います。騙されているというか、残土置場がいまだに決まっていないこと等、そもそも計画があまりに杜撰だったと思います。
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神奈川新聞 (大鹿村が大好きだった男)
2019-11-11 07:58:05
同紙には、K館長のインタビュも記載されていますが、地質が悪くて、本坑の掘削には至っていないとのことです。
本坑の掘削ができないことを祈っていますが、JRには、村民に正確な情報を流してほしいです。村長らは正確な情報を知っているのかわかりませんが!いずれにしろ、どこかの政府同様に、隠蔽は大問題です。
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Unknown (kawamoto)
2019-11-11 14:42:40
記事のコメント部分は発言趣旨とは少し異なる表現になってしまったようです。本坑の掘削に至っていないのは地質というより他の原因によるものと思います。
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