「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

一般質問

2011年06月17日 | 議員活動
 6月定例議会が15日から始まり、今日は一般質問が行われた。「一般質問」というのは、大鹿村議会会議規則の第61条に「議員は、村の一般事務について、議長の許可を得て、質問することができる」と定められているが、「特定の議案とは関係なく、政策提案・提言を行ったり、役所の仕事・行政事務全般について執行機関の見解を求めること」(ザ・選挙「地方議員の『質問』とは何か」より)。あらかじめ議長に質問内容の要旨を文書でを通告しなければならないことになっていて、その内容から外れた質問は通告外として認められない。今回の場合でいうと、通告の期限は6日だった。私はリニアのことを質問したいと思っていたのだけれども、6日の時点では、9日に飯田でJR東海と飯伊地区との意見交換会が行われることが分かっていたので、その内容によっては事態が変わっているかもしれないと思いながら、通告書を提出した。実際、意見交換会どころか、7日は環境配慮書が公表されて、13日にはJR東海が大鹿村に来たとのことで、随分変わってしまった。でも、通告外の内容は聞けないので、原稿を作るときに悩んだ。その分、質問の文言が曖昧になってしまったところがあったかもしれない。一つの質問事項について3回まで質問できて、一人当たりの持ち時間は20分と決まっている。通告書の内容は以下のとおり。

1.リニア新幹線計画について
  整備計画決定され、リニア新幹線の計画が具体的に動き始めているが、村としての対応、住民への情報提供など、今後どのようなスケジュールで進められるのか。配慮書作成前にJR東海に住民の声を伝える機会はあるのか。飯田市では水源域を避けるよう要望しているが、大鹿村としても、水源への影響や、「日本で最も美しい村」づくり、南アルプス世界自然遺産登録推進などとの整合性が懸念される。村長として、リニアの村へのメリット、デメリットをどう考えておられるか。

大鹿発電所について
2.大鹿村には県の発電所が二つあり、非常時には村内に直接配電される取り決めになっているそうだが、その割には長時間の全村停電が多い。具体的にどのような事態になると直接配電されるのか。渇水時など、発電所の実際の発電状況はどうなっているのか。福島原発事故後、自然エネルギー推進の流れになってきている中で、地域内エネルギー自給に関心が高まっている。大鹿の自然エネルギー自給率は828.4%とされており、何らかのモデル事業のような形でも、大鹿発電所の電気を村内で使えるように働き掛けできないか。

 それに対する村長の答弁は、リニアについては、JR東海が大鹿村に来たときに水源のことや、環境配慮について要望を伝えたということ、スケジュールについては、3km幅のルートを示す時期についてはJR側から明言はなかったとのことだった。リニアのメリット、デメリットについては、具体的なものが出てこないと分からないとか、メリットがデメリットになったり、デメリットがメリットになる可能性もあるのではないかといった曖昧な答弁だった。
 発電所については、停電が発生すると、中電でまず原因調査をするが、初期段階で原因が不明だったり、重大なものですぐ復旧できない場合に企業局へ連絡が行く。企業局は伊那にあるそうで、その企業局の人と中電の人が両方来ないと切り替えができないそうなので、早くても1時間半くらいかかってしまう。休日や夜間などで人がいない時間帯だと、もっと時間がかかってしまうということだった。また、渇水期には発電量は20%くらいに落ち込むそうだが、それでも村内の需要を賄う程度の発電量はあるだろうとのこと。できるだけ早く切り換えてもらうことの要望とともに、現在、生田から来ている送電線の周囲の木の伐採や、2ルートにすることの要望もしているということだった。村としても、山に囲まれた大鹿村では、村内で発電した電気が村内で使えるようになればいいという思いはあるけれども、電気事業法の関係でできないとのことだったので、現在、送発電分離の議論も出てきているので、ぜひ要望していってほしいとお願いする。

 初めての一般質問で緊張もして、きちんとメモも取れなかったけれど、村内では後日ケーブルテレビで放映されるし、「広報おおしか」の議会だよりにも掲載される。