「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

ごみの減量

2010年01月24日 | 自然・環境
 今日はある自治体のごみの話を聞いていた。日本のごみ焼却量は断トツで世界一だという話が出てきて、そうなのかと思って、ちょっとググっていたら、数年前の「広報ながのけん」がヒットした。少し古い数字ではあるが、世界全体の一般廃棄物焼却炉の実に3分の2が日本にあり、一人当たり焼却量もやはり世界一とのことだった。今は日本でも分別収集が当たり前になって、資源化が進んでいるとはいえ、世界から比べれば後れていて、ごみの量が多いという状況は恐らく変わっていないのだろうという気がする。
 うちの村では、ごみは十数種類に分けるけれども、東京のつれあいの実家のある区などは、以前よりも分別が後退して緩くなっているらしい。分別により焼却ごみが減ってしまって、連続運転するのにごみの量が足りないとか、生ごみの割合が多くなって温度が上がらないなどの理由で、分けたプラスチックを足して燃やすことがあるという話もだいぶ以前に聞いたことがあるので、そんなせいもあるのかもしれない。
 あるいは、物によってはリサイクルはかえってエネルギーを余計に使うといった話もあった。村でも廃プラ(容器包装)は、きれいに洗って、乾かしてから出さなくてはいけなくて、生ラーメンのスープなど、小さな袋の中をきれいに洗って出すのは手間もかかるし、洗うのに必要なお湯その他考えたら、これは本当にエコなのかと疑問に感じることがないとは言えない。紙にビニールコーティングしてあるものなど、「その他紙」で出すのか、「廃プラ」で出すのか、区別が付かないようなものも多々あるし、正直言って分別はかなり面倒くさい。中には、きちんと分別しないで出す人がどうしてもいて、時々無線で「今後このようなものは収集できません」と注意を促している。
 ごみ問題の世界の大きな流れは「燃やさない・埋め立てない」という方向で、なるべく資源化していこうということだけれども、今日話を聞いていた自治体でも理念は掲げても現実はなかなか難しいというところのようだった。処理場周辺の住民は悪臭その他に悩まされているとの話もあった。
 前述の「広報ながのけん」によれば、長野県は日本の中ではリサイクル率が1位らしいが、世界の先進国に比べればずっと低い。直近の08年の数字では県全体では23.8%で、ちなみに大鹿村は48.5%で8位だった。ところが、同じ「日本で最も美しい村連合」の発足時からのメンバーである徳島県上勝町では、2020年までにごみをゼロにするというゼロ・ウェイスト宣言をしていて、リサイクル率は04年で80%に達している。ここはおばあちゃんたちが葉っぱビジネスでたくさん稼いでいるので有名だけど、ほかにもいろいろ先進的なことをしていて、以前に美しい村づくりの関係で講演会があって、話を聞いたのを思い出した。上勝町のごみの分別は何と34種類だそうだ。「混ぜればごみ、分ければ資源」、あらためて、十数種類の分別で面倒くさいなんて言っていてはいけないなと思った。