「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

家の中の温度差

2010年01月05日 | 田舎暮らし
 今年も2日から東京に帰省し、つれあいの仕事も子どもの学校も明日からということで、今日戻ってきた。
 ところで、つれあいの実家は、築50年くらいの木造2階建て。いまだにサッシも入っていない、すき間風だらけの家で、東京だからうちよりはずっと暖かいと思って薄着で行くと、居間などは暖房で暖かいけれども、廊下や台所などはかなり寒い。私の実家はそれほどでもないけれども、やはり一戸建てなので、居間と階段やお風呂、トイレなどには結構温度差がある。今回東京に行った際、双方の実家に加えて、マンション住まいのお宅を訪れて、その暖かさに驚いた(私自身はマンションで暮らしたことはないし、私が東京に住んでいたころはまだマンション自体そう多くなかったので、当時マンション住まいの友人もあまりいなかったし、そもそもマンションという所にあまり行ったこともなかった)。スペースが狭いから廊下のような空間もないし、一戸建てだったら大抵日向きの悪い端っこにあるトイレやお風呂は真ん中にある。一歩ドアの中に入ったら、うち全体がすごく暖かい。
 よくお年寄りが寒いお風呂やトイレで倒れることが多いといわれるけれども、そうした家の中の温度差と、救急車の出動について調査した人の話では、実際、統計的にも、一戸建ての場合、集合住宅に比べて、トイレやお風呂で倒れて救急車を呼んだりするケースが多かったそうだ。さらに寒い家に住んでいる人ほど、温まって寝たいということで、お風呂の温度を高くする傾向があったとか。熱いお風呂では血圧が上がり、脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなる。だから、一戸建ての寒い脱衣場や洗い場、トイレなどを暖かくする工夫をしましょうという話だったけれど、今回マンションのお宅にゆっくりお邪魔して、本当に違うものだなと実感した。
 ただ、高齢者の健康を考えると大事なことなのかもしれないけれども、逆に子どもなどはそういう全体が暖かい所で生活していると、寒暖の変化に弱くなってしまうんじゃないかなという気もした(近ごろの子どもは外で遊ぶ機会も減っているし)。もちろん暖房箇所を増やせば、燃料費はかかるし、CO2の排出量も増える。若い人や子どもはむしろある程度温度差のある家でいいのだと思うけれども、現実はむしろ高齢者が田舎で寒い一戸建てに住んでいて、若い人が町の中でマンションに住んでいたりする。
 古い木造でもう一つよく問題になるのはやはり耐震性で、つれあいの実家も、耐震補強よりも、むしろ建て直した方がいいのではないかという感じだけど、建て直しとなると、費用面はもちろん、一時的に引っ越しをしなくてはいけないので、それには荷物整理が大変だの何だので、なかなかできるものではない(世の中で耐震補強の重要性がいわれながらも、なかなか進まないのも似たような事情だろうと想像がつく)。取りあえず住みながらでもできる程度の耐震補強をしてもらったそうだけど、義母が生きている間はそれで何とかもてばいいが・・・。