★愛知県には、女性議員が誰もいない自治体が田原市、阿久比町、飛島村、豊根村の4市町村あります。国際的目標の40%にするにも、まずは女性ゼロ議会をなくすためにがんばろうと思いそれらの地区の現状を調べてきました。
■「既婚女性は立候補難しい」阿久比町
知多半島に位置する阿久比町では、当選回数が最も多い議員の中で、最長老の保守系の鈴村一夫議員宅を表敬訪問しました。お忙しいようで、ほんの数分しかお話が出来ませんでしたが、アピール文を渡しながら、活動の趣旨を説明すると、「そのとおりだ」とうなずいてくださいました。
別れ際に、「実は共産党で女性議員がいて、私も党派関係なくやっていたんですが、残念ながら山の事故で亡くなられた」とおっしゃいました。
おりしも、阿久比では産業まつりが盛大に開催されていたので我々は産業まつり会場の町役場周辺に向かいました。商工会の女性部長を発見したので、アピール文を渡し、協力を要請しました。すると「男性議員のおつれあいで、女性活動に取り組んでいる人がいますよ」とご紹介いただきました。そこで、その山本幸司議員のお連れ合いさん方を訪問しました。
その方は、夫は町議、ご自身は名目上建設会社社長です。町議など公務員は、公共入札する会社を経営できないからです。彼女は、女性議員がいないことによって起きている問題はよく実感しておられました。しかし、「この町では、既婚女性は無理だと思う」と言うのです。男性が、女性が政治に関わる大事さを理解しないからだそうです。また、「地元出身の女性は難しいのではないか? しがらみがあるから」「学校校長退職者など地位の高い女性もいるが、だいたい公民館館長とかに天下りされる。そういう女性は、辞めてまでは立候補はしないだろう」などの事情もうかがいました。
■女性立候補者が「潰された」飛島村
午後は名古屋市の西隣にある飛島村へ向かいました。
飛島村ウェブサイト
まずは、服部康夫議長宅を表敬訪問させていただきました。しかし、「けんもほろろ」でした。彼は、「女性が立候補しないだけだよ」「出たければ出りゃいいじゃないの」と、本当に正直におっしゃいました。
続いて、日本共産党の橋本渉議員宅を訪問しました。7期勤めたベテランです。橋本議員は、見ず知らずの私たちを応接間に上げてくれました。震えるほど寒い日でしたので、ほっとしました。図らずも、共産党(橋本さん)、社民党(坂さん)、民主党(私)と与野党が揃いました。
この飛島村について彼からつぶさに、驚くべき実情をうかがいました。飛島村は臨海工業地帯があってそこから何十億という税収が入るほか、三菱重工業があり、ロケットなど最先端の産業があり、村の財政は日本一豊かだそうです。このため、逆に市町村合併の波を被らなかったというわけです。わたしの身近な例で言えば、広島県府中町や山口県和木町が大手企業が存在して財政が豊かで合併の波を被らなかったという意味で似ています。
飛島村は15歳までは医療が無料、老人医療も、「私から見れば不十分だが、他の市町村と比べれば進んでいる」ということです。
しかし、非常に政治風土が古く、建設中心のハコモノ政治にお金をつぎ込んでいるそうです。10人いる村会議員は彼以外は保守系なのです。
村民は4500人で、有権者が3700人。村は、と呼ばれる22カ所の地区に分けられています。各保守系議員はその3つのから推薦をもらって選挙をするそうです。の役員たちで、議員候補を決めるのですが、そもそもの寄り合いに出るのは男性ばかり。女性が出る幕はまったくないというのです。また、他自治体では最低一人は女性議員を出す場合が多い公明党も立候補する力はないそうです。
さらに驚くべき事実をうかがいました。共産党はかつて、地元女性の擁立を決めたのです。しかし、村内で凄まじいいじめにあい、彼女は立候補を辞退してしまったそうです。ピンチヒッターとして名古屋市内出身の橋本さんが落下傘で立候補したというのです。
立候補予定の女性へのいじめは、「あんたは親戚じゃない」と、親戚付き合いを絶つ。さらに実家からも締め上げる、などでした。その後、革新系無所属で出た女性もいましたが、無所属では当選は無理でした。
なお、村役場は最近まで課長に女性がまったくいなかったが、女性が3人課長になりました。役場も大卒しか採用しなくなったので、村内だけでは人材はまかなえないため、他地域から新人が流入しています。ただ、村役場には労働組合がなく、有給休暇を取りづらいなど、議会が取り上げないといけない問題が多々あるそうです。
橋本議員は「女性が議員に出たら、ぐっと変わるだろう」ともおっしゃいました。「ただ、多分女性が出るとしたら私の後継者くらいだろう」と苦笑いしていました。
21世紀の現在なお、この日本には、女性が立候補すらできない自治体があるのだと確認しました。
■「既婚女性は立候補難しい」阿久比町
知多半島に位置する阿久比町では、当選回数が最も多い議員の中で、最長老の保守系の鈴村一夫議員宅を表敬訪問しました。お忙しいようで、ほんの数分しかお話が出来ませんでしたが、アピール文を渡しながら、活動の趣旨を説明すると、「そのとおりだ」とうなずいてくださいました。
別れ際に、「実は共産党で女性議員がいて、私も党派関係なくやっていたんですが、残念ながら山の事故で亡くなられた」とおっしゃいました。
おりしも、阿久比では産業まつりが盛大に開催されていたので我々は産業まつり会場の町役場周辺に向かいました。商工会の女性部長を発見したので、アピール文を渡し、協力を要請しました。すると「男性議員のおつれあいで、女性活動に取り組んでいる人がいますよ」とご紹介いただきました。そこで、その山本幸司議員のお連れ合いさん方を訪問しました。
その方は、夫は町議、ご自身は名目上建設会社社長です。町議など公務員は、公共入札する会社を経営できないからです。彼女は、女性議員がいないことによって起きている問題はよく実感しておられました。しかし、「この町では、既婚女性は無理だと思う」と言うのです。男性が、女性が政治に関わる大事さを理解しないからだそうです。また、「地元出身の女性は難しいのではないか? しがらみがあるから」「学校校長退職者など地位の高い女性もいるが、だいたい公民館館長とかに天下りされる。そういう女性は、辞めてまでは立候補はしないだろう」などの事情もうかがいました。
■女性立候補者が「潰された」飛島村
午後は名古屋市の西隣にある飛島村へ向かいました。
飛島村ウェブサイト
まずは、服部康夫議長宅を表敬訪問させていただきました。しかし、「けんもほろろ」でした。彼は、「女性が立候補しないだけだよ」「出たければ出りゃいいじゃないの」と、本当に正直におっしゃいました。
続いて、日本共産党の橋本渉議員宅を訪問しました。7期勤めたベテランです。橋本議員は、見ず知らずの私たちを応接間に上げてくれました。震えるほど寒い日でしたので、ほっとしました。図らずも、共産党(橋本さん)、社民党(坂さん)、民主党(私)と与野党が揃いました。
この飛島村について彼からつぶさに、驚くべき実情をうかがいました。飛島村は臨海工業地帯があってそこから何十億という税収が入るほか、三菱重工業があり、ロケットなど最先端の産業があり、村の財政は日本一豊かだそうです。このため、逆に市町村合併の波を被らなかったというわけです。わたしの身近な例で言えば、広島県府中町や山口県和木町が大手企業が存在して財政が豊かで合併の波を被らなかったという意味で似ています。
飛島村は15歳までは医療が無料、老人医療も、「私から見れば不十分だが、他の市町村と比べれば進んでいる」ということです。
しかし、非常に政治風土が古く、建設中心のハコモノ政治にお金をつぎ込んでいるそうです。10人いる村会議員は彼以外は保守系なのです。
村民は4500人で、有権者が3700人。村は、と呼ばれる22カ所の地区に分けられています。各保守系議員はその3つのから推薦をもらって選挙をするそうです。の役員たちで、議員候補を決めるのですが、そもそもの寄り合いに出るのは男性ばかり。女性が出る幕はまったくないというのです。また、他自治体では最低一人は女性議員を出す場合が多い公明党も立候補する力はないそうです。
さらに驚くべき事実をうかがいました。共産党はかつて、地元女性の擁立を決めたのです。しかし、村内で凄まじいいじめにあい、彼女は立候補を辞退してしまったそうです。ピンチヒッターとして名古屋市内出身の橋本さんが落下傘で立候補したというのです。
立候補予定の女性へのいじめは、「あんたは親戚じゃない」と、親戚付き合いを絶つ。さらに実家からも締め上げる、などでした。その後、革新系無所属で出た女性もいましたが、無所属では当選は無理でした。
なお、村役場は最近まで課長に女性がまったくいなかったが、女性が3人課長になりました。役場も大卒しか採用しなくなったので、村内だけでは人材はまかなえないため、他地域から新人が流入しています。ただ、村役場には労働組合がなく、有給休暇を取りづらいなど、議会が取り上げないといけない問題が多々あるそうです。
橋本議員は「女性が議員に出たら、ぐっと変わるだろう」ともおっしゃいました。「ただ、多分女性が出るとしたら私の後継者くらいだろう」と苦笑いしていました。
21世紀の現在なお、この日本には、女性が立候補すらできない自治体があるのだと確認しました。