読んだ本は、愛国心の経済学・磯前秀二。
東京大学出身、文部省の教育書調査官を経て、現在、名城大学教授。
面白いかな?と思って読んでみました。
結論は、日本の再生は「小泉改革につづく、付加価値創出型構造改革で、
愛国心こそ、核心である」というもの。
日本のソフト力の弱さを、愛国心で強化しようという主張です。
たとえば、食料自給率は、愛国心による国産品愛用で達成できるという論法です。
読後感は、あまり清潔ではありませんでした。
ひとつは、彼の愛国心が、隣国への排外主義に支えられていること。
国という概念が、精緻でなく、感情的な点。
愛国心を唱えるひとたちは、どうも敵をつくらないといけないと
考えているようです。
愛国心と、隣人・隣国となかよくすることは決して対立しないし、
むしろ、そうでないと愛国とはいえない時代に来ている。
経済のグローバリズムに呑み込まれずに、互恵の関係を築くことが
愛国心の向かうべき道であり、平和への道ではないでしょうか。
また、国家の核は、現在は、天皇ではなく、憲法にあることがわかっていない。
わかっていないことはないでしょうね。そこには触れない。
(こんな考えの人が、教科書の調査官だったとは、・・・)
でも、興味深い本でした。