九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

執拗なシリア攻撃は何故?   文科系

2018年04月15日 14時10分59秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 アメリカは何故小国・シリアへの攻撃にこれほどの年月をかけて執拗に拘ってきたのか。なんせシリアへの「攻撃」は、2011年のアラブの春以来ずっと続いてきた7年越しのものだ。名目通り「化学兵器攻撃などがひどすぎるから」ということなら、アラブの雄サウジの人権問題こそ日常的に続いてきた残酷で重大なものに思える。日常的に広場で公開斬首の刑が執行されている国である。その重罪犯の罪の中には、イスラム国流の宗教原理主義的判決も入っていよう。サウジはある意味、北朝鮮よりもひどい人権無視国に観てきた。このサウジがまた、シリアを大嫌いどころか、シリア反乱軍(反体制派)に金も人も武器も出して潰そうとしてきた。

 このアメリカの「こだわり」について結論を言わせていただくと、アラブに王制、貴族制を残したいということから、国民主権体制になったイスラム主要国を潰したいのではないか。そして、その事の動機は英米による原油支配なのではないか。イランとベネズエラを潰せば、原油の世界的独占価格が意のままになるというように。
 ちなみに、シェールガスを反論に上げられる向きもあろうが、まだまだ採掘費を含めた原価の問題が絡んでいる。それどころか、原油を現在のシェールガス並の値段にできれば、シェールガスそのものも売れていくはずなのだ。ちなみに、原油埋蔵量で言えば、ベネズエラとイランは、世界1位と4位である。他の上位10国は、ロシアを除いてはアメリカの意のままになる国ばかりである。このことは、イラクとリビアが潰されたことによって実現されたものだ。イラクもリビアも、原油によって得た資金が、王族のものではなくなった国である。つまり、リビアが潰れた「アラブの春」は、そんな狙いもあったのだろうと考えている。

 さて、アメリカのシリアへの執拗な攻撃を、今回のことで観てみよう。敵は本能寺なのであって、シリアを潰して裸にしたイランをこそ潰したいのだ。現に、今回のシリア攻撃についての米大統領声明にも、短い文の中に何度も何度もイランの名が出てくる。中日新聞の声明報道によれば、こんなふうに。
『アサド政権を支援しているイランとロシアには責任がある』
『うまくいけば、いつかロシアとの関係は良くなる。イランともそうなるかもしれないが、ならないかもしれない』
『中東の友好国やその他の国が関与を強めれば、ISの根絶によってイランが利益を得ることはないと保証できる』
 この文章からは、ロシア以上にイランが意識されていると誰しもが読むはずだ。トランプのロシア疑惑ではないが、ロシアとはそういう原油(独占価格)政策で話が付いているのかも知れないとさえ思った。

 石油独占価格体制が確立できれば、物貿易がすっかり落ち目のアメリカ経済にとっては、トランプが進行中の物貿易の保護主義以上に起死回生ということになるだろう。トランプ政権の下で今後手前勝手な物貿易の保護主義が進めば、この間貿易赤字を減らしてきたお得意の世界マネーゲーム搾取も報復的に制限され始めようから、アメリカには起死回生の渇望対象となっているはずなのだ。ちなみに、現在ここで内容紹介中の「炎と怒り」には、素人集団ばかりで出発したトランプ政権・政権移行チームに、ゴールドマンサックスと軍人がどんどん入ってきたという光景が繰り広げられている。


 日本でも歴史的にずっと体験してきたように、ガソリンの価格なんてあってないようなもの。日本が世界一高価すぎるように見える家屋建築関係費や、高速道路料金と同じである。

 なお、現在でさえ、イラン、ベネズエラの安い原油が世界に出回らないように、米英を中心にあらゆる画策が成されているはずだ。例えば日本のどこかの石油会社がベネズエラやイランから原油を輸入すると発表したら、米英を中心に世界が蜂の巣をつついたようになるだろう。アメリカの大金持ちたちは、目的のためには手段を選ばない。その目的が、バノン、ティーパーティーの新聞に大金を投ずることであっても、これをやる人々が居るのである。トランプを描いた「炎と怒り」を読んで、そんな認識こそますます強くなった。
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする