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ニシノジャパン(4)ハリル解任は誤り② 前大会の総括から   文科系

2018年04月22日 08時01分16秒 | スポーツ
 これは、前大会直後に書いた総括文、拙稿の一つだ。そして、今回の解任が、こういう総括に見る世界傾向を無視したものだとしか思えないと、今回は言いたいのである。そしてもう一つ。選手と監督のあるべき、正しい関係をももう一度考えてみたいというものだ。今回の解任にも、選手の「造反」が関わっていたことがはっきりしているのだから。ハリルが「選手が個々人で、チーム批判を外に出すことがあったが、これは良くないことである」と述べていたことを思い出している。そして、協会がその批判に乗ってしまったということも。

【 随筆 世界サッカーに異変  文科系  2014年06月23日

 また、世界サッカーが激しく流動し始めた。全盛期にあったパスサッカーが勝てなくなって、堅守速攻チームがまたしても台頭して来たようなのである。

 ヨーロッパ各国チャンピオン・クラブらが戦う決勝戦にパスサッカーの強豪が勝ち残れず、アトレティコ・マドリッドという珍しいチームが準優勝して世界を騒がせた。この略称アレッティは、典型的な堅守速攻のカウンターチーム。と観ていたら今度は、このワールドカップで目を見張る出来事が続く。南ア大会優勝チームにしてパスサッカーの雄スペインが一次予選敗退と決まったのだ。また、金持ち強豪クラブが多い割には近年勝てなくなったサッカー発祥の国イングランドも予選敗退が決まった。この国も、その過去への拘りをやっと捨てて、パスサッカーを取り入れている真っ最中だった。かと思えば、このイングランドに引導を渡した予選D組をいち早く勝ちぬいたのが、断トツビリを予想されたコスタリカという名もない国。コスタリカはイタリアと南米の強豪ウルグァイを負かしたのだが、そのイタリア戦報・新聞の数行を引用してみよう。

『パスを回すイタリアに、敵陣からプレスをかけて速攻を主体に対抗した。44分にディアスの速いクロスをルイスが頭で合わせて先制に成功。後半は攻勢に出て来た相手を、5人が並ぶDF陣が粘り強くはね返した』

「敵陣からプレスをかけて速攻を主体に対抗した」。この文章からは、世界サッカー動向にちょっと通じた人なら連想できることがある。史上ほんの一時の栄光以外は名も金もないチームなのに世界の強豪クラブに割って入ってきたドイツ・ドルトムントと、このチームの金看板新戦術、ゲーゲンプレスである。「敵陣からプレスをかけて」敵ボールを奪い、「(ショートカウンターによる)速攻を主体に」得点するというやり方だ。人よりもダッシュを繰り返しつつボールが回せる無名の選手を集めて、独特の敵ボール奪取布陣とショートパス戦術を徹底して、短期に世界的強豪に駆け上がった賢い戦術と言って良い。ただここの複雑な練習方法は非公開の門外不出。他チームが必死に真似ようとしてきたことも既に有名な話だ。日本では、香川真司がここのエースとして世界に知られるようになった。今の世界で、このチームから学び、ボール奪取に長けた前プレスのコンパクト組織、それに向いた好選手を創り上げる監督があちらこちらに現れたのではないだろうか。僕はそんなボール奪取・ショートカウンター組織という新世界の出現を夢想してみた。

 さて、「日本代表史上最強チーム」も予想を覆して、一本の蜘蛛の糸を残した予選敗退の危機にある。この風前の灯火・日本代表について、世界動向も無縁ではなかったと思う。従来の強豪型・パスサッカーでいくのか、ドルトムント流プレスをも取り入れるのか。ザッケローニ監督や選手たちにも、そんな迷いがあったのではないか。初戦コートジボアール戦は、パスサッカーによる中央突破を封印しただけではなく、攻撃の柱でもある二選手、岡崎と香川に敵サイドバックの上がりに付いていく守備の戻りを命じていた。ギリシャ戦でも、好調時のパスサッカーは封印したままで、サイドクロス攻撃と中距離シュートなどを徒に繰り返しただけだ。かと言ってコートジボアール戦などは前陣で敵ボールを奪うというポイントは弱いままだった。高い位置で敵ボールが奪えなければ前列選手が浮いてしまい、得意のショートパス攻撃が不発に終わるのも明らかだった。どうしてこんな中途半端な戦い方になったのだろうか。僕には、監督にも選手らにも迷いがあったとしか思えないのである。そして、テストマッチでは時に華麗なショートパス攻撃を繰り広げた選手たちが、本番では迷ったままの監督に忠実でありすぎた、とも。】


 なお、このブラジル大会でブラジルを大敗させるなどで優勝したドイツと唯一接戦を繰り広げたのがアルジェリアで、その監督がハリルであった。日本の協会や選手たちよりもはるかにW杯大会に通じている監督と見て良い。その戦術に従わずして、反論を外に出す選手などは、ペナルティとしても使うべきではない。そんな習慣が代表に残ったら、今後の代表強化などは絶望に近いからである。その意見を容れたやの協会はさらに悪い前例を残したと思う。
コメント (19)
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