ハリルが解任になった。強く反対するというものではないが、思う所を少々。誰が、ハリル戦略を正しく受け継げるか、そこがかなり悲観的であるというのが、僕の見解だ。
ドルトムントのゲーゲンプレスが現れてからの2010年過ぎ、世界サッカーは激しく変わった。ブラジル大会でも個人技世界一のブラジルがドイツに大敗するなど、これによる激しい変化がみられた。このドイツと対等以上に戦った大会唯一の監督がハリルだったのは有名な話だ。彼がそれを出来たのは、アフリカ人チーム特有の身体能力を生かせたからと語る説が日本では強いが、僕は全くそう思わない。彼の日本代表チーム戦略も、現世界の流れと、そこから観た日本の弱点をよく踏まえていたと愚考する。ただし、これが繋ぎに拘る一部の選手の反抗に遭遇した。解任理由はそういうことだろう。
こういう彼の戦略の定義をしておくと先ずは、敵陣内にある敵ボールを強引に奪取して、縦に速く攻めるとしたものである。このボール奪取戦略の一つの前提として、前後陣を縦に詰めた、1990年頃のイタリアで生まれたコンパクト・プレスを必要に応じて使えなければならぬということも指摘しておきたい。この戦術は創始者のアリゴ・サッキが解説しているように、全員がまさに「一糸乱れず」を不可欠とするもの。前が1人でもプレス(走り)をサボったり、後ろの1人が判断が遅れたりすれば、致命傷になる。
さて、現在進行中のACLをみても分かるようにアジア内でさえ当たり弱い日本は、この強引ボール奪取にも、逆に奪取されることにも、非常に弱いチームと言える。「日本らしい連携、繋ぐサッカー」などと人は簡単に言うが、日本らしく当たり弱い繋ぎなどは、今のボール奪取戦略にあってはひとたまりもない面がある。特に、クラブとは違って代表チームは短期育成ゆえ、連携強化は難しい。逆に、強豪のボール奪取に慣れている西欧勢などから日本がボールを奪うのも、どんどん難しくなっている。
以上の理由からこそ、ハリルの「デュエル最大重視」が出てきているのである。
さて、次期代表監督は西野に決まった。彼は、ガンバ大阪で繋ぎのチームを作っていたが、不成績で解任されている。こんな彼でも流石に、今の世界潮流には通じてはいよう。が、通じていることと、それを短期間のトレーニングでさらに充実させるすべを持っているかどうかということとは、別の話である。なんせ監督としての彼が活躍できた時代は、ドルトムント世界旋風からドイツ代表が世界を席巻し始める前のこと。そこから僕は、こんなロシアW杯を想像せざるを得ない。
「敵ゴール前の身方繋ぎからボールを奪取されて、カウンター失点」
「身方陣地前への敵の速い攻めに、堪りかねて反則・PK」
「大事な場所、機会に当たり弱さがどうしても出てくるチーム」、これが世界における日本なのだが、そこを西野が変えられるとは思えないのである。ついては、多く、安易に繋ごうとする選手は使わず、柴崎のように広い視野に裏付けられて簡単にかつ広くプレーする技術がある選手を選ぶことだ。ただし、敵ゴール前にドリブル突っ込みを敢行する原口、中島タイプは必要だと思う。
以上は、ブラジル大会でも骨身に染みた日本の教訓だったはずである。
ドルトムントのゲーゲンプレスが現れてからの2010年過ぎ、世界サッカーは激しく変わった。ブラジル大会でも個人技世界一のブラジルがドイツに大敗するなど、これによる激しい変化がみられた。このドイツと対等以上に戦った大会唯一の監督がハリルだったのは有名な話だ。彼がそれを出来たのは、アフリカ人チーム特有の身体能力を生かせたからと語る説が日本では強いが、僕は全くそう思わない。彼の日本代表チーム戦略も、現世界の流れと、そこから観た日本の弱点をよく踏まえていたと愚考する。ただし、これが繋ぎに拘る一部の選手の反抗に遭遇した。解任理由はそういうことだろう。
こういう彼の戦略の定義をしておくと先ずは、敵陣内にある敵ボールを強引に奪取して、縦に速く攻めるとしたものである。このボール奪取戦略の一つの前提として、前後陣を縦に詰めた、1990年頃のイタリアで生まれたコンパクト・プレスを必要に応じて使えなければならぬということも指摘しておきたい。この戦術は創始者のアリゴ・サッキが解説しているように、全員がまさに「一糸乱れず」を不可欠とするもの。前が1人でもプレス(走り)をサボったり、後ろの1人が判断が遅れたりすれば、致命傷になる。
さて、現在進行中のACLをみても分かるようにアジア内でさえ当たり弱い日本は、この強引ボール奪取にも、逆に奪取されることにも、非常に弱いチームと言える。「日本らしい連携、繋ぐサッカー」などと人は簡単に言うが、日本らしく当たり弱い繋ぎなどは、今のボール奪取戦略にあってはひとたまりもない面がある。特に、クラブとは違って代表チームは短期育成ゆえ、連携強化は難しい。逆に、強豪のボール奪取に慣れている西欧勢などから日本がボールを奪うのも、どんどん難しくなっている。
以上の理由からこそ、ハリルの「デュエル最大重視」が出てきているのである。
さて、次期代表監督は西野に決まった。彼は、ガンバ大阪で繋ぎのチームを作っていたが、不成績で解任されている。こんな彼でも流石に、今の世界潮流には通じてはいよう。が、通じていることと、それを短期間のトレーニングでさらに充実させるすべを持っているかどうかということとは、別の話である。なんせ監督としての彼が活躍できた時代は、ドルトムント世界旋風からドイツ代表が世界を席巻し始める前のこと。そこから僕は、こんなロシアW杯を想像せざるを得ない。
「敵ゴール前の身方繋ぎからボールを奪取されて、カウンター失点」
「身方陣地前への敵の速い攻めに、堪りかねて反則・PK」
「大事な場所、機会に当たり弱さがどうしても出てくるチーム」、これが世界における日本なのだが、そこを西野が変えられるとは思えないのである。ついては、多く、安易に繋ごうとする選手は使わず、柴崎のように広い視野に裏付けられて簡単にかつ広くプレーする技術がある選手を選ぶことだ。ただし、敵ゴール前にドリブル突っ込みを敢行する原口、中島タイプは必要だと思う。
以上は、ブラジル大会でも骨身に染みた日本の教訓だったはずである。