棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

晩夏--蚊の話

2009-09-30 09:51:00 | 山郷の暮し
なんとなく涼しい夏だったかと思いますが、先週あたりから厳しい残暑が続き、ここいらで雨がほしいところでしたが、昨夜から雨降りです。
オーブンのような熱気の西日が照らすといっても、夕刻になればたちまち涼しい風が吹きか、たなびくススキの穂かげ、草むらからコオロギの声が優しく響く夜でしたが、このごろは実に頼りなく、消え入りそうな声になってしまいました。
ところが、晩夏のなかで必死に生き残ろうとしているやつが蚊。真夏よりもしっきりなしに音無しでやってくる。犬猫の周りでも飛び回っている。
我が家はいつもオープンのうえに、いたるところに水溜り。筆を洗う水桶でもたちまちボウフラが泳いでしまう。

そこで思い出したのが、蚊の話の手記で、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)さんもずいぶん悩まされたようだ。
なにせ裏がお墓で、蚊の発生する水溜りはいたるところにある。
ヨーロッパの学者が、蚊の発生する水溜りに「石油」を微小入れれば駆除できる。蚊に伴う病気を考えると、全土の水溜りに石油をたらせばはるかに安上がりに済む。という学説に、この美しき日本でそんなことをしたら、とんでもないことになる。と、ヨーロッパ的な合理主義に異を唱えた手記があります。
ご一読をお勧めします。
蚊の退治で子供の頃にあった「ケロシン」なるものを思い出した。次回に適当に書きましょう。

68-珍訳源氏-源氏の目論見

2009-09-30 09:35:41 | 物語・絵本・童話
そんなことをしながらも、源氏殿は玉かずらの姫に言い寄っていくのでした。
感のいい葵の上さまは、源氏殿の心のうちを見破って、縁談を進めておりました。

いいよる求婚者のなかで、特に源氏殿が嫌っていた無骨者の髭黒の大将の妻となり、尚侍(ないしのかみ)となって宮仕えをしたのです。平凡ながら幸せな一生を過ごしました。
幼少の頃から辛苦を味わってきた方だけに、貴族社会の浮き沈みや人間の性がなすもろもろのことをお考えの上、見栄えだけでない人柄の本質をのぞまれたのでしょう。
知らなかったとはいえ、我が娘でありながら何もしてあげれなかったことが悔やまれて成りませんが、結婚後は影から応援を致しておりました。
まいどくどいようですが、これらのことを私が知ったのはズーーーと後日のことです。私と娘(玉かずら)は再会し、源氏殿とわだかまりもとけたのです。

さて、隠し子はなにも光源氏殿ばかりではアリマセン。次回は私のことをお話いたしましょう。


ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本