棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

消えた美女-菩薩絵紋着付舞妓図

2009-09-05 08:50:20 | 創作活動
消えた美女 8-30の製作日記より
「菩薩絵紋着付舞妓図」の一連の製作の中で(創作活動-7月10日記載)、舞妓さんにしては少女ではなく、すこし歳を食った顔になってしまった一点があった。
しかし、表情はよくできてはいる。いったん気ずくと、寝ても覚めても気になってくるこのだ。
目鼻口などの部分的修正だけでは童顔にはなってくれない。ある人が骨格が少女ではなく、成熟した女ではないだろうかと・・・。
言われて始めて気ずいた。それならば一層のこと表情にあった芸妓さんにしてしまおうとおもった。
だが、芸妓さんは髪型がまるで違うし、決定的に着物が違うことを知った。絵としては成り立つかもしれないが、しかし、納得がいかなくなってしまった絵であった。

先日PCに向かっているとき突然、その絵の顔を潰そうと意を決した。
この顔を消すのはもったいない。だが舞妓ではない。再び迷ったが、意を決して顔の部に白色を塗る。
なにか、胸の奥からナニカが抜き出されるような、イヤーーナ気分になってしまった。此の世から完全に消えてしまった顔なのである。
何枚か下図を描きあててみる。
フット、何もあわてて描き出すことはなく、観て見て、見極めた上から画面に浮かび上がってくる顔を待とうと、顔だけ白く塗られた画面を観ていた日々。
昨日(9月4日)これも瞬間的なの原動力ですが、初々しい顔が描きだせました。
松本市美術館展示-9/2--9/6

76-珍訳源氏-松風の巻-親子の別れ

2009-09-05 08:39:04 | 物語・絵本・童話
源氏殿はようやく妻の紫の上を説得し、明石の姫との間に出来た我が子を引き取ることに成りました。
源氏殿は愛らしい3歳の我が姫を抱き車に乗ると、「おかあさまも、はやくおのりになって」とはしゃぐ姫に明石の君は
末遠き双葉の松に引き分かれいつか小高き影をみるべき
と、もうあえなくなるのではと、なきくずれたのでした。
「おいそめし根も深ければ武隈の松に小松の千代をならべむ
と、必ず迎えに来るから安心しなさいと、源氏殿でした。

姫を迎えた紫の上は。我が子のように袴の式(現在の七五三にあたる)を立派におこなったのです。
源氏殿は年末近い頃、報告に明石の君を訪ねました。姫と別れた寂しさに少しやつれた様子が、なんとも美しく、本来の聡明さが気品となってそなわってきました。源氏殿は明石の君をなんとしても、身近にいてほしいものと芯から願ったようです。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本