京都府立医大は、京都府の最北端にある京丹後市で2017年から京丹後長寿コホート研究に取り組んでいます。「長寿のまち」といわれる京丹後市の高齢者の健康長寿の秘訣をさまざまな角度から解明しようという研究で、2032年まで25年間続ける予定です。
京丹後市は人口に占める100歳以上の「百寿者」の割合が全国平均の3.4倍もあり、長寿のまちと呼ばれています。府立医大は65歳以上の高齢者を対象に、職業、学歴、日常生活などの社会環境データ、食事や睡眠時間、趣味、会話の頻度などの個人生活活動データ、腸内細菌、血管年齢、血液検査、認知能力などの生理・生化学データ、ゲノムなどの分子生理学データの約200項目で調査しています。
これまでの調査では、京丹後の高齢者は血管年齢が全国平均より10歳若い▽血糖値、中性脂肪が低く、骨密度が高い▽大腸がんの罹患率が京都市の二分の一以下▽腸内の善玉菌が多い、などが明らかになっています。
さらに、野菜や果物、豆、魚、海藻類をよく食べる▽よく歩き、歩行速度も速い▽同居人数が少なく、男性が家事する時間が長い▽人付き合いや社会活動が活発▽寝床に入ってから眠るまでの時間が短い、などの特徴があります。
こうしたことから、京丹後市の高齢者の長寿の秘けつは「よく食べ、よく動き、よく話し、よく眠る」ことにあると研究チームは分析しています。