足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ソニー、任天堂に再評価の人気再燃

2016-03-25 06:35:14 | 投資戦略
NY市場はまちまちの動き。
ダウ平均、ナスダック指数は小幅高だが、S&P500はマイナス。ただバイオ,金鉱、石油、製造業、通信は堅調。これまで相場を支えてきた石油、金相場が下げ止まったのは注目。
アジア、ヨーロッパは安かったがNY市場で弱気人気は消えた感じ。
注目は米国で発表の木曜日の米GDP(第4四半期)の確定値の数字である。

ソニー(6758)が任天堂(7974)に続いて携帯ゲーム分野へ進出する。ソニー・コンピュータエンタテイメント(SCE)がフォワード・ワークス(Forward Works)という子会社を設立し、これまでプレステーションで蓄積してきたソフト資産を活用する。差し当たり日本、アジア市場を狙うが、その状況をみて世界に展開する。任天堂はスマートフォン・ゲームへの進出にDeNAと協業し、そのインフラ技術を利用したがソニーは独自の技術で行う。
ソニーの具体的な内容はNY時間の木曜日に発表されるが、家庭用ゲームの2強の任天堂、ソニーが本格的に携帯ゲームの世界に出るのは、大きな市場を無視できないとみた。業界の勢力図に大きな激震を与えることになるだろう。

任天堂は先週、携帯端末向けの初のソフト提供をスタートしたが。3日間で100万人のユーザーを獲得するという好調な発進。任天堂の存在感の大きさを誇示した。故岩田社長がスタートを決断した分野だが、これまで慎重に準備し、既存のスマトフォン・ゲーム企業では真似のできない環境整備をしてスタートを切った。世間では時間の遅れにしびれを切らしたが、「任天堂らしさ」がじわじわと出て来た。今後は一機に人気ソフトを連発する。これまでのスケジュールの遅れ見て株価の反応は慎重であったが、ことしは任天堂とソニーの巻き返し作戦が間断なく表面化する。注目株になるだろう。
ソニーの新しい製品プレステーションVR(PSVR)の発表でウォール街ではソニー株の買い推奨は増えてきた。

期末の配当取りのチャンス

2016-03-24 06:19:44 | 投資戦略
NY株は2日間の続落。
今週の月曜日まで7日間の続騰しただけに、ここでの調整は当然のコースである。
相場下落のきっかけは原油相場の反落である。40ドル割れになったが、米国での原油在庫が週間で増加したことが嫌気された。これまでOPECの話し合いの進展が原油相場を支えてきたが、4月17日の会合までは各国の動きが目先の相場に影響を与える。
この日のダウ平均の下落の牽引役になったのはIBMとナイキ(NKE)。2月の相場の底入れ以来の反騰のリード役になってきた。
この日は出直りの気配を見せていたバイオ関連株も石油、素材関連につられて売られた。
第1四半期も終わりに近づき個々の企業業績の動向が先行きの相場には影響を与える。

ここで相場の微調整があれば狙いたいのはバリュー株である。
最近のウォール街をみているとバフェット銘柄の堅調なことが目立つ。コカコーラ(KO),ウォルマート(WMT),プロクター・ギャンブル(PG),IBM,チャータ・コミュニケーションズ(CHTR)などだ。いずれも財務内容がずば抜けて堅固で配当利回りが高い。比較的に新しい投資銘柄のAT&T(T)などは配当利回りが4.9%である。彼の一貫した銘柄選択の基準がものを言う。

東京市場でも3月決算の配当落ちは来週。最近の株主優遇で増配組が目立つ。今週の株価の下落場面は配当取りのチャンスである。トヨタ自(7203)などは3.5%の配当利回りである。

NY市場でヘルスケア株が盛り返す

2016-03-23 06:29:31 | 投資戦略
NY株は7日間連騰後、この日は小休止。
相場の上昇トレンドが続いただけに当然の調整。金融、消費関連、空輸株が軟調。ブリュッセルでの過激派「イスラム国」のテロ事件が相場の足を引っ張った。
バイオ、コンピュータなどのナスダック銘柄が上がった。
これまで調整をしてきた医薬品株が軒並み反騰した。
市場の焦点は短期間に相場が上昇しただけにここでの微調整は当然とみる向きが多い。われわれの関心事はヘルスケア関連が底入れし、これから反転に転じるかどうかにある。
この業界での最大の話題は急成長を続けてきたバリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)の株価の動向である。本年は75%も下落した。
大きな打撃を受けたのは新進ヘッジファンドのビル・アックマン(パーシングスクエア)で10億ドル(1130億円)の損失を出した。ファンドの規模は150億ドル(1兆7000億円)で2014年には年40%の上昇を記録し、業界の花形になった。アクティビスト運用で、これまでは鋭い鑑識眼で注目を集めてきた。バリアントは株価が100倍以上に急成長したスターで、ヘッジファンドが一時はこの株に群がった。M&Aを連発し技術開発力も強化してきた銘柄だ。
アックマンは株価の暴落の過程では買い増し、現在は9%を所有する大株主になり、今回の暴落の原因になった薬価操作の責任を取ってトップが交代したあと、アックマンは経営陣を送り、自らが経営に乗り出した。株価の暴落の過程で投資から手を引くとみられたが、経営に参画するあたり、ヘッジファンドの行動としては異例のことで、その自信のある行動には注目される。市場の常識を超えた行動である。ヘルスケアの将来に大きな期待をもつ。当面はウォール街でのヘルスケア業界の台風の目になりそうだ。

任天堂(7974)のSNSゲームへの進出で、3日間で100万人のユーザを獲得したことにウォール街でも関心が集まる。DeNAと協業した第1号のタイトルだが年内にあと4タイトルが予定されている。株価は底入れし、今後の新製品に関心が集まるだろう。

NY株が7日間の連騰、昨年9月以来

2016-03-22 06:12:44 | 投資戦略
NY株は7日間の連騰。
サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が4月か6月には利上げを示唆したが相場は消化し、ドル相場が反騰した。向う2ヵ月は金融政策の動向が市場の大きな関心事だが、足元の景気動向と企業収益の動向が焦点になってきた。
この日はドル相場が反騰したほか、アジア株では中国株が堅調。石油相場も落ち着いてきた。1月~2月上旬にNY株安が世界の株価の先行きに暗雲を投げかけたが、最近のウォール街は金融政策の正常化の方向性を消化し始めた。
相場の中味は通信、ヘルスケアが買われエネルギー、素材が売られた。相場の下値には買い物が入りはじめ底堅さが目立つ。年初来ではNYダウ平均は+1.1%とプラス圏にはってきた。

日経平均は年初来-12.2%と相場の基調の弱さが際立つ。気になるのは先の記者会見でイエレン連銀議長が「中国の景気鈍化は当然としても、日本の景気指標の落ち込みは意外」と指摘したが、政府、日銀も同議長の発言には注目する必要がある。日欧の中央銀行が揃って金融緩和政策を発動したが、景気の先行きの見通しには影響は出ていない。市場の信任は得られていない。
外からは、アベノミクス効果の息切れで政府が当然、動くべき時にきているとみる。2013年の新政権の発足以来、経済政策には先手を打ち、外人投資家の注目を集めたが、最近は失望感に変わった。この当たりの事情を政策当局は直視すべきところにきている。

東京市場が取り残された世界的株高

2016-03-19 08:34:48 | 投資戦略
NY株は6日間連騰し、週間では6週間の連続高。
この日の相場を牽引したのは金融、ヘルスケアであった。ナスダック指数では半導体株が堅調。人気は出遅れセクターに循環した。
市場では楽観論が支配しVIX(恐怖)指数が急落し今月上旬の27ポイントから14ポイントと低水準になった。一方、同じセンチメン指数のMarketWatchのFear&Greed(恐怖&貪欲指数)は79ポイントと極度の貪欲の水準になった。市場が楽観的になれば、数値が上がり警戒信号を発信する。
昨年来の相場を抑えてきた中国の景気鈍化、原油安がひとまず解消され、先行きには大きな悪材料がなくなってきた。
東京市場にとって気になるのは円高である。昨日は対ドルで円、ユーロが上昇した。
今週の米連銀のFOMC後の記者会見でイエレン連銀議長が「中国景気は心配していないが、日本のGDPの不調には驚いた」としているのには気になる。
日本経済はアベノミクス効果で回復軌道に乗ったはずなのに、イエレン議長は足元がふらついているのに懸念を表明したことには、政府も現状分析の再考を迫られている。
中国、ユーロ圏が落ち着いているのに、日本の景気鈍化は落ち着いてきた世界経済には気になるところだ。景気の鈍化→円高という2013年までの循環の悪夢には早い目に歯止めをかけなければならない。
昨日は世界的な株高のなかで東京市場だけが下落したのは、市場の警鐘の発信である。

塩野義製薬(4507)が研究開発の現状について説明会を昨日、開催した。
同社のコア疾患領域である「感染症」「疼痛・神経領域」についての創薬に力点を置いた内容であったが、それらの中からが世界で148億ドル(1兆6000億円)規模の医薬品を生み出す製品のあることなどが説明されたが、同社の先行きの新薬開発の成長性の大きさが納得できた。ブロックバスターはがん領域だけでない。
1日の投与でインフルエンザが治る新薬はその好例である。遅くとも2017年には市場に登場するなど、この種の新薬の後続が控えていることが理解できた。
ヘルケア分野の人気株の柱のひとつである。