足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

テンバーガー(10倍株)の出現

2016-03-04 05:50:22 | 投資戦略
先般來、「トリトスクエア通信」で取り上げたそせいグループ(4565)が小野薬品と並んでヘルケア関連株の台風の目になってきた。
日本のバイオ関連株は21世紀には東京市場でもベンチャー企業が公開されはじめ10年余になるが、人気が先行して1980年代に米国で初めて登場したジェネンテックのような成長株の輩出は皆無であった。
長年、この業界に関心を持ってきたが、「日本ではダメだ」と諦めていた時に現れてきたのがそせいグループである。この業界に関心をもってきて「ようやく花が開いた」という実感をもった。小野薬品の後を追いかけ、場合によれば追い抜く可能性もある。調べれば新しい成長性の魅力が発見できる数少ない株だ。
この株をみていて、最近、IT関連のなかで目をひきつけられるのがジグゾー(3914)で、昨年4月28日の公開だが、最近は東証の売買代金ランキングビッグ10に顔を出す。時価総額500億円の企業である。
公開時(IPO価格:2,390円)に魅力を感じた。この種の株はわれわれの使用している理論株価では評価できない。評価はウォール街でこの種の銘柄の分析に利用されているPSR(株価÷1株当り売上)を適用し目標値を4,300円にした。公開後、安値は一時的に2442円まであったが、われわれの目標値の近辺で止まった。
昨日は9170円の高値まであったが、現在の株価の勢いと最近の業績の展開をみていると公開値の10倍(テンバーガー株)になる可能性も出てきた。数字の分析ではその種の想定は不可能だが、IPO銘柄のなかには1年に1~2銘柄はこの種の株が出るようになった。
参考のために以下、「トリトンスクエア通信」(2015年4月22日号)の記事を掲載しておく。企業を知る参考にしていただきたい。

「トリトンスクア通信」(2015年4月22日)号より
ジグソー(3914・マ)      公開日4月28日  IPO価格2,390円
                       公開株式数287,500株 発行済株式数3,190,000株
クラウド関連銘柄である。インターネットのシステム運用を自社で行う企業向けに、そのマネジメントサービスを手掛ける。本社を札幌に置き、コントロールセンターを設置しインターネットのマネジメントサービスを行う。内容は「Linux OSの研究技術基盤」「IoTビッグデータ活用」「ロボット型オートディレクションプラットフォームpuzzleのクラウド提供」である。
自社で開発したロボット型オートディレクション「puzzle」は自社開発の自動マネジメントツールで自動制御機能、顧客のシステムの可視化を行う。自社のコントロールセンターは顧客が24時間365日インターネットを利用でき、各種のエンジニアが監視、・障害対応・フルマネジメントも行う。
地震などの災害の少ない札幌という地の利を生かす。サーバー・クラウドシステムを生かしビッグデータを蓄積し、自動分析を行い顧客の活用に役立てる。
IoTデータマネジメントは情報・通信機器だけでなく、テレビ、カメラ、映像、音声、自動車、ロボット、宇宙機器などモノに通信機能を持たせ、データ管理、分析を行う。最近はこの種のデータ量が急増し2020年には2010年の40倍になるといわれ、その分野に係わるビジネスを展開している。
「クラウド」、「IoT」という成長分野でビジネスチャンスを開拓していく、新しいベンチャー企業の誕生である。
理論株価は次の通り。
{(1億4,400万円÷4%)÷3,190,000株}=1,100円
公開後の株価は理論株価で判断ができずPSR(株価÷1株当り売上)を利用する。PSR20倍まで買うと4,300円の目標値が出る。ロックアップは6ヵ月。