足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株に明るいサインが出る

2016-03-07 04:54:51 | 投資戦略
NY株の底入れ→反騰の基調が強くなってきた。
以前にも本欄で書いたがウォール街では「ダウ運輸株指数は相場全体を牽引する」という経験則がある。今回も運輸株指数が底入れし2ヵ月にわたってNY株の反騰の先導役を旗足してきた。運輸関連は米国経済の大動脈でその業績の動きが景気の現状を映す鏡でもある。
いまひとつの注目点は先週のNY株の上昇を支えたのは石油、銅、綿花など商品相場の上昇であった。やはり景気に対して敏感なセクターである。
シェルガス関連銘柄の上昇が目立ち1週間で50%~80%も上昇する国内関連の産油株が目立った。ヘッジファンドや投機筋のショートカバー(空売りの買い戻し)が殺到した。発行株式数の50%近くの空売り残があり買戻し殺到し始めた。
またブラジルなど大幅に売り込まれた新興諸国の株価も反騰した。商品相場の上昇が後押しした。
新興諸国の指数のETFであるMSCIエマージング市場ファンド(EEM)が1週間で9%も急騰した。過去1年間で18%下落したが、半値戻しのトレンドにはいった。現在のPERは11.6倍でかってない低PERになり買いゾーンにはいったとみる向きも出てきた。中国については外貨の流出を防ぐためにか為替制限を行うとともに、経済の構造改革を進める。エマージング諸国が先進国型の安定成長の構造に移行するためには避けて通れない道である。
また中国のあとを追いかけるインドも先週は10%上昇した。政府が積極的な財政政策を立案し成長率10%を目指す。インド市場ではあまり注目されなかった金融株に注目する欧米の投資家が出てきた。新興諸国の株安が、これまで先進国の株価の足を引っ張ってきただけに、今後、反騰トレンドにはいれば、先進国の市場にも好影響をもたらせるだろう。

このようにNY株の動きにここ1年間みられなかった明るい動きが出てきたことは先行きをみる上では心強い現象である。