世界の投資家が注目していたバーナンキ議長の上院での昨日の公聴会であったが、結果は景気の鈍化(異常な先行きの不透明感)を認めただけで、相場にはポジティブな材料は全くなく、NY株は2時過ぎから下落をはじめ、大幅安に終わった。
もともとこの種の公聴会で新しい政策の発表を期待するのは無理ではあった。
彼の現状認識がダブルデイップ・リセッション入りはないというものであった。
ただ景気が一段と鈍化するようなら政策発動の準備はしており、選択肢としては次の3つをあげた。
① 現在のゼロ金利政策をさらに長期にわたって継続する。出口政策の検討の否定。
② 銀行の連銀への預託金への金利付与の廃止。
③ これまで住宅関連証券をⅠ兆ドル買いつけたが、さらなる買いつけの再開。
ただこのような政策には「それぞれに欠点がある」と言及し、新しい政策発動も検討していることをにおわせた。
株式市場は相変わらず、せっかちである。
この日の証言の中で何らかの政策の発動を期待した。
バーナンキ議長は株価が景気に与える影響をグリーンスパン前議長より重要視している。それだけにオバマ政権とは密接な連携をとっている。
立会中の株価は大幅高になったが、引け後は落ち着きをみせている。