NY株は続落した。引けの1時間前には9871ドルとプラスを保っていたが、大引けにかけて急落しNYダウ平均は-96.28ドルの9774ドルとほぼ安値圏近辺で引けた。今週末の6月の雇用統計の発表に関心が集まり、積極的に安値を買おうという動きはない。
この日、発表になった民間調査機関ADPの6月の雇用調査では1万3000人の新規雇用増であった。事前の予想では+61,000人で数字は悪かったが、発表は相場の始まる前で相場は大きくは反応しなかった。
引けにかけて売られたのは第2四半期の期末で、機関投資家が大きく下げた手持ち株を売却したことだ。パフォーマンスの好くない銘柄は期末の報告書に残したくないという運用者の配慮からだ。マイナスのウンドウ・ドレッシングが作用した。
テクニカルには相場の現状はよくない。200日移動平均の節目を切ってきた。弱気ムードが高かまっている。
有名なヘッジファンドのバートン・ビッグス(トラクシス・パートナーズ)が「GDP+3%の成長なら2010年の企業収益は1株が$85~$90になる。エネルギー、ハイテク、不動産開発に注目している」と語った。
現在のPERは1株当たり利益$80としてもPER12.8倍である。
目下の市場のセンチメントは悪いが、ファンダメンタルを重視する投資家には投資の環境には魅力がある。
バートン・ビッグスは「年末の株価は現在より10~15%は上がる」と強気だ。
テクニカル分析とファンダメンタル分析の見方が対立する。