中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

梅雨時の着物と暮らしの暑さ対策

2011年07月07日 | 自然環境・脱原発
梅雨明け前のこの季節、晴れた蒸し暑い日に着物を着るのははさすがに暑さがこたえます。
いろいろ工夫して着てますが、そのひとつが、帯は半巾帯を締めていることです。
帯枕や帯揚げを使わないぶん、ずうっと楽です。

帯締めをする場合でも、帯板を使わないことが多いです。帯締めを少しゆるめにします。
帯枕にヘチマを使うのがよいというのは聞いたことがありますが、
帯板もヘチマのがあるということです。
帯芯も自分で仕立てを頼むときは、季節を問わず絽にしています。

日本の夏の着物は美しく素晴らしいものがたくさんあります。
そして一旦着てしまうと気持ちをスッと立たせてくれるようで好きです。
夏でも着物を着ていられる環境を守りたいですね。





節電、節電と言わなくても、風の通る家のつくりや自然素材を使ったつくり(調湿効果)、
街路樹、庭の緑陰、照り返しの少ない道路舗装など、国や行政は考えて欲しいと思います。
というか私たちが何より考えることですが。
エアコンを28度に設定するということより、
使わなくても工夫すればもっと気持ちよい環境を作ることができると思うのです。

国の政策はエネルギーを使わせようとするやり方をとってきておいて、
今度は節電を強要しようとすることに疑問を感じます。
原発がないとこんなにタイヘンだぞ!と言わんばかりですね。
耐乏生活ではなく、ほんとうに心地よく暮らすということは、
自然を大切に守ることしかないと思うのですが。

私は染織の仕事中は、夏の盛りであっても34年間冷房を使ったことがありません。
風のない日にはエアコンの送風は使います。またよしずや庭木の緑陰ももちろん利用し、
あとは3時以降に再利用の水を撒きます。効果は絶大ですよ!

衣服は、超クールビズと世間で言われているTシャツ・ポロシャツなど、ニット類は着ません。
綿麻混や麻などの織りの生地のものを選びます。
衣服の形はトンネル効果のあるオーバーブラウスなどを身につけます。
パンツ類も薄手で通気性のあるゆったりしたものをはきます。
肌に密着するものは極力避けます。でも肌を剥き出しにすればよいというものではありません。
きものは帯のところはさすがに何枚もの布が重なり暑いですが、
それ以外は意外と涼しいですよね。布が1枚あるほうが汗取りになり、かえって涼しいです。

それにしても6月から暑い日が続き、過度の節電は身体を壊しますのでケースバイケースで
エアコンも使われるとよいと思います。

また放射能汚染を気にして窓を開けないようにしている方もいらっしゃるとか、
本当に過酷な夏になりそうですがこの教訓を無駄にしてはならないと思います。

着物の文化からも自然素材の力や布に込められた知恵が私たちに恩恵をもたらせてくれるように、
エネルギー分野も自然を生かし、叡智を結集したものにして、後世につけを回さないようにと
切に願います。

コメント
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