夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

誰もが願う「ピンピンコロリ」に伴うパワースポット巡り、初めて高齢者の私は学び、やがて微苦笑を重ねて・・。

2016-08-18 14:50:43 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市の片隅みに住む年金生活のまもなく72歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、築後38年を過ぎた古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を尊重している。

私たち夫婦は、子供もいないので介護などは頼れる人はいなく、
いつの日にか介護を要する身となった時は、介護施設に入居するか、或いは自宅でするか、
漠然としながらも思案し、ときおり私たち夫婦は話し合ったりしている。
        
ここ数年、私が何よりも恐れていることは、認知症となり、自身が正常に自覚をできないことである。
私は親戚の方、知人の方とか、本などで認知症の悲惨さを少しばかり学んだりし、
たとえば私が認知症となり、介護をしてくれる家内の身を案じるとたまらないのである。

或いは逆に家内は認知症となり、私が看病する場合も同様である。

認知症の本人は介護して下さる方も解らず、
何よりも介護する方は、看病する張り合いがないと思われるからである。
                                     
このような私の思いから、認知症になる前に、ポックリとこの世と別れを告げたい、と思ったりしている。
                        

過ぎし6年の晩秋ある日、私の自宅の近くの川沿いの遊歩道を歩いていた時、
この遊歩道は片側が帯状に小公園となり700メートル前後あり、
樹木、草花が四季それぞれに彩(いろ)っている場所で、私の散策の好きなひとつのコースでもある。
      
そして、いつものように木のベンチに私は座り、煙草を喫いながら、少し休息をした・・。

この時に、どうした思いか解らないが、いつの日にか命が果てる時は、
晩秋の午前のやわらかな陽射しの中、ポックリと死を迎えられたら本望である、と脳裏をかすめたりした。

この遊歩道で、独りで歩き、好きな本を抱(かか)えて、突然に命が果てる、
といった状況を願ったりしたのである。
                                                           
或いはいつの年か身体の変調を感じて、自宅で寝ていて数日し、悪化を増す中、
布団の中でオシッコを一度だけ漏らしたりして、死去後のことなどを家内に伝言する。
やがて救急車で病院に運ばれて、入院して数日後に死去する。

そしてこの間に家内からは
『あなたとの生活・・楽しかったわ・・』
と心の中で感じてくれれば充分である。

やがて私の葬儀の中、家内が私の兄妹、知人に、
『一週間前の頃は・・いつものように買い物に行ったり、散歩もしていたの・・』
と家内が言ったりしてくれれば、私はあの世で満足していると思われる。

このような終末期を私は思いめぐらしてきた・・。
            

先程、ときおり愛読しているネットの『NIKKEI STYLE』を見ている中、
【 高齢者、パワースポット巡り
        誰もが願う「ピンピンコロリ」 130万人のピリオド 】と見出しを見て、
パワースポット巡り・・なって知らなかったょ、と思いながら、好奇心に負けて読んだりした・・。

この記事の原文は、『日本経済新聞』2016年8月1日の夕刊に掲載された記事のひとつで、
編集委員の石塚由紀夫さんが記載され、『NIKKEI STYLE 』に配信されていたが、
無断であるが記事を転載させて頂く。

《・・病に伏せることなく、亡くなる直前まで、元気で過ごしたい。
誰もが願う逝き方だ。

理想の最期をかなえるために「ピンピンコロリ」の御利益がある全国各地のパワースポットが、
高齢者の人気を集めている。
            

長患いによる苦しみから逃れたいだけでなく、
家族ら身内に迷惑をかけまいとする気遣いも、うかがえる。

「毎月1度は、必ず拝みに来るよ」。
長野県の山本邦夫さん(71歳)は笑顔で話し、ぴんころ地蔵尊(長野県佐久市)の前で、手を合わせた。

数年前から、友人と2人で始めた習慣だ。
妻と2人の子どもと4人暮らし。年相応に耳は遠くなったが、それ以外は特に悪いところもない。
「でも、70歳を超えると、いつどうなるか自分でも分からない。
できれば妻や子どもに、迷惑をかけずに死にたい」と言葉をつなぐ。


日本一平均寿命が、長い長野県。その中でも佐久市はトップクラスの長寿を誇る。
『ぴんころ地蔵尊』は、その御利益を多くの人と分かち合おうと、地元商店街有志が2003年に建立した。

昨年の参拝者は、過去最多の約15万人に上った。
有志の一人、市川章人さん(66歳)は「つくるときに仲間と冗談半分で『年間5万人』の目標を立てた。
今は全国から高齢者がやってくる。
まさかここまで人気を呼ぶとは。我々の方がビックリしている」と話す。

お地蔵さんは、朗らかな笑顔で高齢者を出迎える。
群馬県から来たという80代の4人グループは「この年になると、あちこちガタがくる。健康なのは、口だけ」
「やっぱりピンピンコロリが、いいね」と楽しそうに語り合う。
            

日本人の平均寿命は、男女とも80歳を超え、世界でも有数の長寿国だ。
天寿を全うするまで、元気で健康に過ごす高齢者は、限られる。
食べ物や体力づくりに気をつけても、将来は分からない。
そこでピンピンコロリを神仏に願う。

『安倍文殊院』(奈良県桜井市)は、「ぼけ封じ」の御利益で知られる。
本尊の文殊菩薩(ぼさつ)は、知恵を授ける仏様。

そこから派生して1984年に、ぼけ封じ祈願を始めた。
植田俊応貫首は「『せっかく長生きするなら、ぼけずに長生きしたい』といった参拝者の声に応えた」と説明する。

645年創建という日本でも有数の古刹。
もともと参拝者は多かったが、今は認知症予防のために、多くの高齢者がやってくる。
            

◇「ピンピンコロリ」御利益スポット◇

『会津ころり三観音』(福島県)
     弘安寺(中田観音)、恵隆寺(立木観音)、如法寺(鳥追観音)の3寺を回ると「ころり」と大往生できる

『ぴんころ地蔵尊』(長野県佐久市)
     成田山薬師寺参道に鎮座。日本有数の長寿の里・佐久市を記念し建立

『ぼけ封じ近畿十楽観音霊場』(京都、大阪、兵庫、滋賀)
     今熊野観音寺(京都市)や総持寺(大阪府茨木市)など十カ寺で構成。認知症予防に。

『吉田寺』(奈良県斑鳩町)
     通称ぽっくり寺。9月1日の大法要には古くから高齢者が集まった

『大和ぼけ封じ霊場』(奈良県)
     安倍文殊院(桜井市)と、おふさ観音(橿原市)で構成。2つを結ぶ道は「長寿道」と呼ばれる

『嫁いらず観音院』(岡山県井原市)
     嫁の手を煩わせることなく、安らかに往生できると伝わる。8月は17日を除き、閉門
            

『吉田寺』(奈良県斑鳩町)は、通称「ぽっくり寺」。
仏教書「往生要集」をまとめた恵心僧都(源信)が、987年に創建した。
病に伏せた老母に、源信が浄衣を着せると、老母は苦しみもなく、安らかに臨終したという伝説が残る。
これにあやかり、安楽往生の御利益があると古くからいわれている。

奈良県内では、諸々の病気を取り除く『おふさ観音』(橿原市)も人気スポット。

旅行ツアーを企画・運営するクラブツーリーズム(東京都新宿区)は、
『吉田寺』と『安倍文殊院』、『おふさ観音』を1日で回るバスツアーを、大阪発着で実施している。
昨年は年20回の運行だったが、今年は年30回に増やす。「終活ブームなどを追い風に、参加希望者が一段と増えた」(運営担当者)

『吉田寺』の山中真悦住職は、この寺で生まれ育ち、参拝者を長年見てきた。
「昔に比べれば、医療技術が進歩し、仏様にすがろうと切なる信仰心を示す参拝者は減ってきた。
家族や仲間と気軽に参拝する姿が目立つ」と話す。

半面、少子高齢社会の厳しい側面も垣間見る。
「親を見取った後、自分の行く末を心配する独身者。
老親介護でつらい経験をしたので、我が子には同じ思いをさせたくないと強く願う人。
『ポックリ死にたい』は、人間の普遍的な願いなのだろう」と山中住職は指摘する。
            

☆前向きな心、維持を

厚生労働省は、日常生活に制限がない期間を健康寿命と定義し、算出している。
2013年の健康寿命は、男性71.2歳、女性74.2歳。
平均寿命との差をみると男性は約9年、女性は約12年、何らかの不調を抱えながら最晩年を送っている状況だ。

最期まで元気に過ごすには、体力づくりが欠かせない。
ただ「病は気から」といわれるように、心の持ちようも重要だ。

東京都健康長寿医療センター(東京都板橋区)高齢者健康増進事業支援室の大渕修一研究部長らの研究によると、
「(自分は)健康ではない」と思っている高齢者は、「とても健康だ」とする高齢者と比べて、
要介護の発生確率が約70倍も高くなるという。

「同程度の衰えであっても、それをどうとらえるか、個人の主観が心身の健康を左右する。
地域や家庭で役割を持ち、日々に張り合いを持って過ごすことも、ピンピンコロリにつながる」
と大渕氏は助言する。・・・》

注)記事の原文にあえて改行を多くした。
            

私たち夫婦は、大病に遭遇せずに、いつの日にか、苦しまずに安らかに、逝きたいと願っている。

しかしながら、私は数年前に「ピンピンコロリ」は難しい、とネットの記事で学んだりした・・。

がん医療の権威で終末期医療に詳しい大野竜三医師(愛知県がんセンター名誉総長)は、
『・・ピン・ピン・コロリ。それは中高年なら、誰もが願う生き方でしょう。
でも、そう簡単なことでは、ありません。

現実的に60歳以上の日本人がコロリと逝くとしたら、心筋梗塞か、脳出血か、脳血栓かと思いますが、
救急搬送されれば、救命措置が施されるでしょう・・』
と私は学び、苦笑したりした。
          
そして『急性心筋梗塞』の場合は、《“バットで思い切り、胸を叩かれた感じ”、
“熱した鉄棒を、左胸のあたりに、突き刺されたみたいだった”と口にしていた。
・・手足をバタつかせて、もがきながら、救急車内で搬送中に、心肺停止するケースもありました」・・》
と最近に学び、動顛しながら勘弁してほしい、と瞬時に思ったりしてきた。
            

私は小心者であり、せめて終末期は痛くないように眠るように、この世にサヨナラを願っているが、
こればかりは神様か仏様の采配に寄る世界であるので、果たして・・と思いながらクヨクヨせずに、
前向きのブラス思考で過ごし、人生は気合だ、と心の中で呟(つぶや)きながら、ひたすら歩いたりしている。

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