夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

上総亀山滞在記-1 【2004.11.29. ~ 12.1.】

2008-04-07 16:12:39 | 
家内の父の四十九日だった。
家内の母が、千葉県木更津のはずれに墓地を求めていたので、納骨に訪れた。

死去後、何かと慌ただしい日々が過ぎていた。

JRの支線で久留里線の終点に亀山温泉があったので、
この地でゆっくりと休養を取る事とした。
亀山は房総半島のほぼ中心部に位置し、人造湖があり、
湖畔の周囲に宿泊場所が点在し、晩秋が終わりかけている所と想像していた。

ホテルに夕暮れまじかに着いた。
部屋のベランダ沿いに小さな石庭があり、
すぐ目の前の湖畔の周囲は桜の樹が群生し、
朱色した葉があたりを染めていた。
この桜に寄り添うようにイチョウの大きな三本の樹木が
黄色した葉がふんだんに彩っていた・・。

夕食後、ホテルのパンフレットを見ていたら、
日本で一番遅いと言われる紅葉・・と書かれていた。
この周囲が紅葉の真っ盛りが、理解できた。

     ☆ ☆ ☆ ☆

早朝の湖面は、朝霧につつまれてあたり一面、乳白色だった。

家内と家内の母と三人で、湖岸に沿った遊歩道を歩く。
湖岸には公園が多く、ベンチが湖面に向かい、
芝生を張りつめた上に桜、ミズナラの朱色の葉が、
湖上からの微風で揺らいでいた・・。

切り通しを歩いていたら、路上の落ち葉は朝霧で濡れて、
陽射しを受けていた・・。
あまり手を加えていない雑木の中で、
大きな紫式部の群生が、たわわに実を付けていた。
うつかりすると、見過ごしてしまいそうだった。
今年も確かに、秋が受容できた・・。

紅葉クルーズと称した、湖上の遊覧船に乗る。
この湖は幾つかの蛇行した川の集まりだったので、
渓谷がそれぞれに変化し、渓谷の樹木も移ろった景観を見せている。

錦秋の名所の光景は、全国に数多くあるが、
形作られた面が多く、一面不満が残る。
この湖、湖畔、渓谷沿いの樹木は、どこか懐かしい風景だった。
日本のふるさとの原点である風景に思え、胸に沁みた・・。

ホテルに戻る途中に、手打ち蕎麦の看板が見えたので、蕎麦屋に入る。
手打ち蕎麦、看板に書かれている場合にしろ、
或いはお品書きに書かれていても、大方満足することは少ない。

『手打ちそば 上総屋京兵衛』は、蕎麦はやや硬めで、
手打ち特有の口の中で不均一の程度が良く、そばつゆは濃くて、深い。
葱にしろ山葵にしても完成をしている。

今日みたいな日は出来すぎだ、
と家内に言ったら、笑っていた。

旅先でこうしためぐり合わせが、
生きているうち、あと何回巡ってくるか、
と考えながらホテルに戻った。

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