夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

情緒、情感を感じ、伝えるとき・・♪    《初出2007.5.9.》

2008-05-12 22:58:13 | 定年後の思い
東京の郊外は、昨日に続き、雲ひとつなく快晴の朝を迎えている。
日中は27度前後の6月下旬のような陽気となるので、
樹木の下の緑陰を享受したり、風を受けたりするのが、
何より心身に心地良い。

私は風吹くさまを5月の時節は、薫風と称し、
三月から4月にかけて、風は甘く、などと称している。

先程、ある辞典で『薫風』を調べていたら、
少しつまらない解説をされていた。


『立夏・芒種は薫風の候なり。
一陣の風、南より吹き来たりて、香気を放つ。
しかして殿閣、微涼を生ず』・・。

中国の古暦は、こんなふうに5月のイメージを表現していた。

5月の風は、確かに爽やかだ。
『吹き来たりて、香気を放つ』。
ここ日本でも、いえることである。

しかしながら、雨や雪などと同じように、本来、風は無臭のはずだ。
それなのに、我々は、なぜ5月の風だけを《薫風》と感じたのだろうか?

その理由は、こうである。
5月は新緑の季節だが、野山の木々の若葉には、
『フィトンチッド』という芳香成分成分が含まれている。
この芳香成分は微細な粒子。
吹く風の流れに乗って、あちこちへ飛びたたよい、
我々の嗅覚をくすぐる。
これがつまり、《薫風の科学》だ。
ゆえに、5月の風は香るのである。
【水野 肇・監修の『健康歳時記』より】


私は幼児の頃から、
この時節に頃はこいのぼりを見ながら、風は気持ちが良い、
と心身感じたりしてきた。

幼児、子供ながら季節を感じ、その時節を深めてきているのである。
《薫風の科学》などの一章は、つまならい余計なことと思っている。

人それぞれであるが、何気なし心から感じる情緒、情感は、
科学の解説、分析は余計なお節介である。

ごく自然に感じ、受けとめながら、育(はぐく)まれ、
心からの発露を私は大切にしている。
そして、ときたま綴っている。



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