簡単にいえば、加齢により心身が衰え、病気や要介護になりやすい状態、
健康と要介護の中間の状態をいいます。
体だけでなく、意欲の低下や人との付き合いも減っていきますが、
フレイルは正しい対策をとれば、元に戻すことができ、フレイル予防は要介護の予防になるのです。
フレイルは、まず口から始まります。「オーラルフレイル」です。
「口の働きが衰え、噛んだりしゃべったりする力が低下すると、
栄養不足を招き、体力の衰えや免疫力、意欲の低下を招きます。
ひきこもりになる人もいて、ますますフレイルが進み、いずれは要介護になってしまいます」
日本顎咬合学会の金沢紘史次期理事長は、
フレイルを防ぐには、オーラルフレイル対策が重要と強調します。
口の衰えを放置せず、早期発見、早期治療をすればフレイル、
ひいては要介護予防になるというわけです。
来年から実施予定の「国民皆歯科健診」も、オーラルフレイル対策の一環といえます。
「オーラルフレイル予防には毎日、自分で行う口腔ケアも大切です。
正しい方法を歯科衛生士に教えてもらうとベスト。
間違った歯磨きは、汚れを十分落とせず、かえって歯ぐきを傷つけてしまいます」
日本顎咬合学会の俵木勉監事は、こう言います。
俵木監事に歯磨きのコツを教えてもらうと・・・。
歯ブラシを軽く持ち、歯と歯肉の間に45度の角度であてて、
軽く小刻みに磨くのが基本とのこと。
歯がなくとも歯ブラシで歯ぐきをマッサージするだけでも、
歯ぐきが刺激されて、脳が活性化し、口腔内の血行もよくなるそうです。
また、口を鍛える訓練として、「あいうべ体操」も効果的とのこと。
方法は・・・。
①口を大きくアーと開ける。
②次にイーと思い切り横に広げる。
③口をウーの形にして唇をとがらせる。
④最後にベーと言い舌を思い切り突き出す。
これを毎食後1~2分、声を出して行うといいそうです。
さらに、ガムを噛むのも咀嚼力を高める助けになるとのこと。
病気などで、胃ろうや人工栄養になり、口から食べられなくなった人には、
「摂食機能療法」という治療法があります。
あまり知られていませんが、保険診療で行え、
脳卒中の後遺症で、舌や口がマヒして食べられなくなった人、
のみ込みができなくなった人などが対象です。
この治療で回復した人が、これまで数多く報告され、
口から食べることで、回復が早まることは、医療や介護の現場ではよく知られています。
噛む効用は、リハビリでも発揮されているのです。
口の健康は、食べるという生きる基本を支えています。
健康寿命を延ばす秘訣は、口の健康からといってもいいでしょう。=おわり
(医療ジャーナリスト・油井香代子)・・ 》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。
今回、《・・口の働きが衰え、噛んだりしゃべったりする力が低下すると、
栄養不足を招き、体力の衰えや免疫力、意欲の低下を招きます。
ひきこもりになる人もいて、ますますフレイルが進み、いずれは要介護になってしまいます・・》、
と改めて私は、学んだりした・・。