夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

お餅、パン、こんにゃく・・・窒息事故を防ぐために、高齢者の私は真摯に学び、やがて微笑みを重ねて・・。

2018-12-21 15:56:25 | ささやかな古稀からの思い

先程、ときおの愛読している読売新聞の基幹ネットの【 YOMIURI ONLINE 】の中で、
医療、健康関係の『yomiヨミドクター』を見ている中で、
『 お餅、パン、こんにゃく・・・窒息事故を防ぐために  』と題された見出しを見たりした。

私は東京の調布市の片隅みに住む年金生活の74歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。

そして私たち夫婦は、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。

こうした中、私は朝食、夕食の時、家内と共に頂いているが、
私は亡き母の遺伝を素直に受け継いだ為か、男の癖におしゃべりが好きで、何かと家内と談笑したりしている。

そして私は、食べながら家内に話したりしていると、一か月に一度ぐらい、
食物が食道へ入るべきものが気管に入ってしまうらしく、一分ぐらい、むせたり咳き込んだりすることがある。

こうした時、家内は『高齢者になると誤嚥(ごえん)になる人が多いから、気を付けてねぇ・・』
と私は言われたりしている。


私は2年前の頃までは、こうした体験がなく、戸惑いながら不安を秘めたりしている。

そして家内も、数か月に一度ぐらいあるから、私も気を付けるわ、と私に微苦笑しながら言ったりしてきた。

              

このような体験を秘めている私は、《・・お餅、パン、こんにゃく・・・窒息事故を防ぐために・・》、
どのようにすれば、と思いながら記事を精読してしまった・・。

この記事は、在宅訪問管理栄養士の塩野崎淳子さんの寄稿文であり、
【 YOMIURI ONLINE に2018年12月21日に配信されていた。

私は読売新聞を48年ばかり購読しているよしみに甘えて、
無断ながら記事を転載させて頂く。

《・・お餅、パン、こんにゃく・・・窒息事故を防ぐために

 

日本のお正月にお餅は欠かせませんよね。塩野崎家では、こんな感じのお雑煮で新しい年がスタートします

12月の訪問栄養指導では、自然と年末年始の食事の話題になります。

ある高齢女性は、「昔は数日かけて、おせち料理を作っていたけれど、
今では買ってきたおせちの具材を重箱に詰めるだけよ。楽になりました」と笑います。

毎年、介護家族や医療者から相談されるのは、「お餅の食べ方、食べさせ方」についてです。


☆高齢者の「不慮の事故死」1位は「窒息」

平成28年人口動態統計で80代以上の「不慮の事故の種類別にみた年齢別死亡数百分率」を見ると、
「不慮の窒息」が約30%と1位となっています。
2位は「転倒・転落」、3位は「不慮の溺死・溺水」と続きます。

「不慮の窒息」のうち、
「気道閉塞を生じた食物の誤えん」は14.6%、
その約半数は「食べ物がのどに詰まってしまった結果」です。

もう少し下の世代の65歳から79歳までの場合でも12.5%と、
窒息による死亡事故が、やはり多く起きていることがわかります。

お正月のお餅だけではなく、パンやこんにゃくなどを、
のどに詰まらせてしまう高齢者も多くいるのです。

毎年、お正月に「窒息で救急搬送」というニュースが流れるのを見て、
「お餅禁止令」を出したくなるご家族の気持ちも理解できます。

「喉に詰まるのが怖いから、しばらくお餅を食べていない」
という高齢の患者さんも少なくありません。

一方で「やっぱり、お正月くらいは、代々家に伝わってきた特別なお雑煮やあんこ餅を食べたい」
と本音を訴える方も多くいらっしゃいます。

              

☆「窒息を起こしやすい人」の特徴とは

さて、訪問栄養指導の際に、私が必ず行うことのひとつに、
「食べるところを観察する」があります。

食事の姿勢、食器の持ち方、食べるスピード、ひと口の量。
テレビを見ながら食べているのか、だれかと話しながら食べるのかも確認します。

ある高齢男性は、日本の高度経済成長期に建設業界で働いていました。
現役時代には、お昼を食べる時間がゆっくり取れず、昼食の時間は10数分。

何10年もの習慣の結果、すっかりそれが体に染みついてしまっていました。
時間は十分にある今でも、ひと口の量は多く、ズルズルとすするように食べ、
食べ物を飲み込む前に、次を口へ入れてしまいます。

食べるスピードも速く、時々むせこみながら、食べていたのです。
そのような人が、お餅などの「詰まりやすい物」を急いで食べたら、窒息のリスクは高くなります。


☆窒息を起こしやすい人の食べ方の特徴は、

  • 丸のみ、かきこみ、すすり食べをする
  • 早食い、大食い
  • 食べながらしゃべる

また、食べ方以外の特徴もあります。

  • のみ込む力が低下している
  • 視力や認知力が低下している(ひと口の量が多すぎてしまう)
  • 咀嚼(そしゃく)力が低下している(義歯の不適合や歯の欠損)
  • 麻痺などが原因で口の中に食べ物が残りやすい
  • 口の中が乾燥している
  • 唾液が多すぎる(自分の唾液でむせてしまう)
  • たくさんの種類の薬を服用している(口腔(こうくう)乾燥の副作用や嚥下(えんげ)機能に影響を与える薬もある)
  • 自分で姿勢を調整できない

当てはまる点があれば、食べる環境や食べ方、
薬の種類や服用方法などを変えることで、窒息事故のリスクを下げられるかもしれません。

              

☆「それでもお餅を食べたい」をかなえるための工夫

仙台市内のグループホームに暮らす高齢男性Aさんの願いは、
ただ一つ、「お餅を食べたい」でした。

「部屋の窓枠にお餅を並べ、眺めてから、ひとつずつ食べたい」というほど、
お餅が大好きなAさんでしたが、多発性脳梗塞の既往歴があり、
言語聴覚士の評価によると、中等度の飲み込みの障害があります。

グループホームでは、誤えんのリスクが高いために、「お餅禁止」になっていましたが、
男性は「どうしても食べたい」と訴え続けます。

「どうすれば、より安全にお餅を食べられるか」を皆で考えることになりました。

私は、切り餅を8分の1にカットし、ひとつひとつが、くっつかないように
注意しながら、柔らかくゆでました。

そして、表面の粘り気を消すため、「レトルト汁粉」にとろみ剤を加え、
滑らかな「こしあんだれ」をたっぷりとかけてみました。

ひと口ほどの大きさのあんこ餅は、さらに箸で半分に切りました。
Aさんの首の角度などに注意しながら、スプーンで食事介助をして食べてもらうと、
「もぐもぐ・・・ごくん」とスムーズに飲み込むことができたのです。

Aさんは、たちまち笑顔になり、「ああ・・・餅はやっぱり、うんめえ~なあ~」とつぶやきました。

お餅の周りに、とろみのあんをまとわせることで、
口や喉の粘膜に張り付きやすい「付着性」を低下させることができます。

これは、飲み込みの障害がある方の料理を作る際のテクニックのひとつ。
お雑煮などの汁ものでも、「つゆ」に片栗粉などでとろみをつけるだけで、とても飲み込みやすくなります。

その後、Aさんは、住み慣れたグループホームで穏やかに暮らし、生涯を終えました。
亡くなる前に、大好きなお餅を食べることができて、本当に良かったと思います。

「食べたらダメ」と言うのは簡単ですが、
「食べたい」の気持ちを大切にできるサポートをしていきたいと思った出来事でした。

お餅を見るたびに、Aさんの笑顔が思い出されます。

参考文献 「誤嚥を防ぐポジショニングと食事ケア 食事のはじめからおわりまで」迫田綾子著 三輪書店2016年・・》

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする