Y男の日誌

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マイケル・ジャクソンについての誤解

2012-07-17 07:46:08 | 読書

80年代のマイケル

『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』を読み終えた。

まず著者の挙げた参考文献の膨大さに驚く。日本語のものだけでなく、日本語に翻訳されていないものも多数ある。西寺くんが全部これらを読み通せるだけの英文読解能力を持っているという事だろう。

80年代のTOP40作品を俺は熱心に聞いてきてた。マイケルの特に熱烈なファンではなかったが、これだけヒット・シングルが多いと耳にする機会は多かったから一通り知っていたつもりだった。
ジャクソン・ファイブからジャクソンズに変わったのは皆大人になって、メンバー数も変わったからくらいに思っていた。ジャーメインがソロで、Let's get serious や Dynamite のヒットがあるのは知っていたが、ベリー・ゴーディ・ジュニアの娘と結婚していて、リード・ボーカルについてマイケルとの確執?があって、グループを脱退して一人だけMOTOWNに留まるというのも、よくわからない事であった。そもそもマイケル以外の兄弟の名前もよくわからなかったのだ。

クインシー・ジョーンズと「Bad」の後で袂を分かってから、亡くなるまでの間オリジナル・アルバムとしては「Dangerous(1991)」、「History(1995)」、「Invincible(2001)」しかない。「Off The Wall」が1979年、「Thriller」が1982年、「Bad」が1987年。Jacksonsとして1980年に「triumph」、1984年に「Victory」を出しているが、90年代以降は非常に寡作だった事がわかった。プロデューサーが年下の人になりマイケルをコントロールするという事が難しくなり、マイケル自身が「Thriller」を超えるというプレッシャーがあって作品の完成度に拘って時間をかけるという事が起こっていたらしい。

顔の色、整形?については確かに俺も、マイケルは白人になりたいと思っているのだろうか?と考えていた。お金はあるだろうから。しかし、実際は白斑症という肌の色素が破壊されてしまう病気だったのだ。帽子やマスク、サングラスはお忍びで行動するという目的のためだけでなく、皮膚を守るのが目的だったのだ。白人に近づくために美肌整形をしていたわけではなかったのだ。

少年虐待?というのも、芸能人ならそういうのもあるのかなあ?、と思っていたが、これはきちんと調査した結果、そういう事実は全く無かった事がわかっている。タカリのような家族にでっち上げられ、裁判が長期化する事で様々な活動の障害になるのを嫌ってマイケル側が和解金を払って認めて決着したようだが、これによってイメージが定着してしまったようだ。少年虐待疑惑は二度あった。

クィーン(フレディー・マーキュリー)との交流があったのは全く知らなかった。マイケルのアドバイスによって、アルバム「The Game」から「Another One Bites The Dust」がシングルカットされ、クィーン最大のシングルヒットが生まれたというのは良い話だ。

この本ではアルバム内の曲についても触れているから、アルバムを聞く時それぞれを身近に感じながら曲を聞く事が出来る。俺は「Bad」以降のアルバムは彼が亡くなってから初めて聞いたのだ。俺はこの本でさまざまな誤解が解けた。しかし、この本を読むまでは整形や少年虐待は事実として信じ切っていたから、マスコミの作り上げたイメージというのは恐ろしい。たくさんの人々がこの本を読んで誤解を解消する事を希望する。
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