ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

円高に対する政府の無策

2010-08-24 10:18:39 | 経済

円高がじりじりと進んでおり、日経平均株価は民主党政権になった当初よりも下がっている。政府が円高に対して何ら手を打っていない状況にイライラしている人も多いだろう。

円高に対する記事で前回投稿したものを手違いで消してしまった。同じ記事を書くのも面白くないので少し違った観点で書いてみようと思う。現在の円高はあまり理由のはっきりしない円高だが、考えられる理由としては
・日本国債による国内資金の吸い上げ
・中国政府の為替レート維持のために買い支えた余剰資金の運用ポートフォリオに円が組み込まれた(元とドルのリンクを外す準備)
・欧米の投資家によるリスクヘッジ(ユーロやドルに対する不安感)
などではないかと思う。

この中で投資家の動きは必ずしも円を買い進めているとは限らず、売買のテクニックで円高に誘導しているような感じもしている。円高になっても日本企業を除けば負の面は少ないからである。

対策としては、私は防衛に回るのではなく攻勢に出るべきだと思う。つまり、円高で強まった購買力を背景に資源利権の確保や大規模企業買収などである。これを政府がサポートするようなファンドをアナウンスすれば、それだけで円買いの勢いが失われるのではないかと思う。景気の良くない状況が続いているので民間だけでこれを行うのは難しく政府のサポートが必要だと思う。

現在の政府の無策は政治家の問題と言うよりも官僚の意欲喪失によるのではないかと私は感じている。自民党時代には官僚から対策案が上がっていたが、民主党政権、特に鳩山政権になってからの官僚いじめが、自発的に対応策を考えて動く意欲を官僚から奪った結果が現在の状態ではないかと思っている。

元々、政治家には円高に対してどうすればよいかなどということを考える能力は無いと私は思っている。