皆さん、既に ご存知のように 4~6月期のGDPで日本を抜いた中国に対し
米国は、中国に対して貿易不均衡から貨幣切り上げの圧力を強めそうです。
「ここまで来ると、人民元安を放置できない。」と、米欧が連携し為替水準に
圧力をかけるのは目に見えています。
ニューズウイークで、ジョエル・シェクトマン氏は下記の様に紹介してます。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100818-00000301-newsweek-bus_all
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中国が世界第2の経済大国になった今、アメリカとヨーロッパは巨額の貿易
不均衡をめぐる中国批判を強めるはずだ。高度に工業化された日本と長らく
競り合っていた中国が、日本を追い抜いたことは、大きな意味を持つと受け
止められている。
「もはや、中国を新興国と呼ぶことはできない」と、エコノミック・アウトルック
グループのバーナード・バウモールは言う。「より大きな国際的責任と向き合わ
なければいけない。 フェアに行動する必要がある」
日本政府が、一昨日発表した今年4~6月期GDP速報値によると、日本の
経済規模(名目GDP)は約1兆2883億ドル。それに対し、中国GDPは
1兆3369億ドルで、初めてライバル日本を上回りました。
その差はわずかだが、象徴的な出来事であり、貿易不均衡を是正する様、
中国に圧力を掛け続けるアメリカにも影響を与える事でしょう。
中国の7月のモノとサービスの輸出は、輸入より287億ドル多かった。つまり、
287億ドルの貿易黒字でした。
一方のアメリカは6月、貿易赤字499億ドルを記録しました。
中国が、巨額の貿易黒字を抱えているのは、自国の通貨を操作して自国企業を
競争から守っているからだと、欧米は、主張しています。
「中国は今や世界第2の経済大国であり、こうした保護主義的な政策を正当化
するのはますます難しくなる」と、バウモールは言う。
貿易赤字があると外国への借金に依存する事になり、それは中国を含む世界の
経済にとっても良くない、というのが米欧の立場です。
中国の政策は、高価な商品への需要が急拡大している自国の消費者にとっても、
マイナスになりかねない。人民元を安く保てば、アメリカ消費者にとり 中国製品は
安くなるが、中国の消費者が買う輸入品の値段は高くなります。
中国が世界2位になったことで、アメリカの政治家は対中「報復」に向かって勢い
づくかもしれない。それは皆にとって不幸なことだろう。アメリカの貿易赤字が
過去2年で最悪の水準に達するなか、チャールズ・シューマー上院議員(民主、
NY州)は、中国企業を新たな関税で、狙い撃ちする法案を推し進めようとしてます。
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中国は、世界第2位の経済大国になるのだから、「経済大国の品格」を各国に
示さないといけません。中国政府は為替レート(ドル/人民元)を購買力平価と
欧米の圧力から、少しずつ是正していくことになるでしょう。
一方、日本は景気減速で3位に転落ですから、今の円高は、過大評価されてる
事になります。為替レートは、購買力平価で引き合いに出されるビックマック指数
(マクドナルドのビッグマックの値段)があります。
仮に、米国で3.6ドルで売られるビッグマックが 日本で360円ならば、1ドル=
100円が適正になります。仮に、米国がインフレで4ドルになれば、デフレで値上げ
できない日本で、90円と言うことになります。
90円程度に戻るよう、日銀の次の一手、英断が求められます。
さて、日経平均は、反発し78円高の9240円の大引けでした。
(出来高 概算15.8億株の商いでした。)
NY市場、鉱工業指数が予想を上振れ上昇し、その流れを受け日経平均は
大引けで、先物主導で買い戻しが入り、8月SQ値をクリアーしました。
日経平均は、8営業日ぶりに5日移動平均線(約9213円)を上回って、
5陽連(5日続けて陽線引け)になりませんでしたが、「底離れ」の期待が
高まる反発になりました。
注目のNY市場、利益確定売りからのスタートですが、終了にかけて底堅い
展開になるか注目です。
明日の日経平均、自律反発継続となるか。為替次第でしょうか。