yamaの読書日記

 活字中毒のyamaが日々手にしている本のお話を綴っています。
 読んだ本についていろいろお話しませんか?

ランナー

2010-04-29 22:42:12 | その他
あさのあつこさんの「ランナー」を読了。

舞台は1万メートルでの敗北から始まる。

長距離選手として嘱望されていた碧李は陸上部へ退部届けを出した。

母から虐待されている妹を、そして母を守るためと・・・碧李は思っていた。
走ることが怖くなったとは思いたくなかった・・・でも怖かった。
「怖い」と素直に言える友人の久遠が眩しかった。

あさのさんが書かれるスポーツ小説ってひと味もふた味も違うんですよね。
「バッテリー」もそうですけど、汗水たらして頑張るスポーツ少年という括りから外れていて・・・巧はすごく自信家で鼻持ちならないし、、、、
で、碧李は家庭の事情で仕方ないとも言えますが、すごく背伸びして大人びていすぎだし。

碧李と妹の杏樹と母親との関係が今にもプッツンと切れるのではないかと思わされるほどの緊張感で、読んでいて息苦しくって。

最後が杏樹と母親の関係が少しずつ落ち着いてきそうな感じだし、碧李の走りも良くなりそうな気配でホッとしました。
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追伸

2010-04-27 22:32:28 | ミステリー
真保裕一さんの「追伸」を読了。

全てが手紙で構成されているちょっと変わった本です。

ギリシャに赴任した山上悟は妻・美奈子からの分厚い手紙を受け取る。
その手紙からどうも二人の仲がギクシャクしてるのを感じるのだが・・・

読み進むにつれて二人の間での問題が浮き彫りになって、それに加えて、美奈子の祖母と祖父の間で交わされた手紙の控が明らかになる・・・という二重構造になっている。

書かれた手紙を通して2つの出来事の真相が解き明かされていくというミステリーです。

一風変わった感じです。

しかし、手紙に書かれた言葉が丁寧なのと、怒るでもなく叫ぶでもなく泣くわけでもない、ただただ相手を思い遣る言葉の羅列には・・・ちょっと違うだろう!と突っ込みを入れてしまいました。書かれた言葉が上滑りしている感じが拭えなくて、ちょっとがっかり。
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十日えびす

2010-04-22 23:33:41 | 時代小説
宇江佐真理さんお「十日えびす」を読了。

飾り職人の夫が急逝したあと、後添いの八重に襲い掛かる理不尽な仕打ち。

義理の息子に家を追われ、実の親子のような義理の末娘・おみちと引っ越した裏店で小間物やを営みながら暮らしていくことになったのだが・・・

人が日々暮らしていくと避けては通れない人との係わり。
町の人、身内のもの、いろんなことにちゃんと向き合って生きていく八重の生き様が清々しい。

引っ越した先で猛女お熊に悩む八重だけれど、『なにか事情があるんだよ。あのひとがあんなふうになったのは』と何も知らないので批判することを躊躇う常識がある。

八重とおみちが引っ越した2月から1年間を・・・嫌なこと、嬉しかったこと、哀しかったこと、楽しかったことがいっぱいあった怒涛の1年を、ごくごく普通の女の人の感覚で描ききってある。

結構、日々の私の行動を考えさせられたお話でした。
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ギャングスター・レッスン

2010-04-22 23:09:10 | ミステリー
垣根涼介さんの「ギャングスター・レッスン」を昨夜読み終えました。

「ヒートアイランド」の続編ですが、先日読んだ「サウダージ」より前のお話なのでサブタイトルが「ヒートアイランド Ⅱ」となっています。

発売は「サウダージ」のほうが早かったので戸惑うのですが、こちらは「Ⅲ」となっていました。

話は渋谷のチーム「雅」を解散した後のアキが世界放浪をして1年後に帰国し、柿沢、桃井との約束の地で二人のチームに入ると告げるところから始まるのですが、このシーンやアキが裏金強奪のプロとしてやっていくための環境を整えていく過程などは「サウダージ」にも書かれており、知ってることを重ねて説明されているまどろっこしさを拭えませんでした。

でもこの3人の関係やら空気感は好きですね。

アキが初仕事をどうこなしていくのか、ちゃんとデビューできるのか・・・楽しく読みました。
続編も楽しみです。
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鎌倉河岸捕物控  八丁堀の火事

2010-04-19 22:17:15 | 時代小説
佐伯泰英さんの「鎌倉河岸」シリーズの第16巻「八丁堀の火事」を読了です。

彦四郎が事件後の禅修行から帰って鎌倉河岸にいつもの平穏が戻ってきた頃、古着問屋から相談事が持ち込まれ亮吉が吉原に居残りさせられることに。
一方、八丁堀から火の手が上がり、奉行の進退にかかわる問題に対処する宗五郎と政次。

今回は清獨併せ呑むこともしなくてはいけないことを政次にみせて悟らせていく宗五郎。

そろそろ政次としほ夫婦も落ち着いてきて・・・新しい何かが始まりそうな・・・
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38口径の告発

2010-04-18 21:54:26 | ミステリー
今野敏さんの「38口径の告発」を1週間ほど前に読み終えています。

深夜の歌舞伎町で、銃弾に傷付いた男が診療所に運び込まれた。
男は「警官に撃たれた」と。
医師は男の身体から取り出した銃弾を隠し持ち、捜査にやって来た新宿の刑事達には「銃弾は身体を貫通していた」と嘘を言う。

後半になって・・・コレって読んだことあると思い出し・・・まぁ、そのまま読み終えたのですが。
いつ読んだんだろう??  まぁ、いいか。
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研ぎ師 人情始末 (五) (六)

2010-04-18 21:16:18 | 時代小説
稲葉稔さんの「研ぎ師」シリーズの第5、第6弾をまとめて。

「兄妹氷雨」
荒金菊之助が暮らす長屋に越してきた手代が行方不明になり、続いて捜しに出かけた母親までもが行方知れずになり幼い兄妹がふたり残されたが・・・
その兄妹まで何者かに連れ去られてしまう。

あれ?菊之助とお志津が結婚したなんて?
普通、もっと盛り上げるでしょう?お話の中で、二人の恋愛模様とか、エトセトラ、エトセトラ・・・ねえ?

「迷い鳥」
長屋に引っ越して来た老夫婦の息子・庄吉・・・賭博に入れ込んで荒んだ暮らしで親に金をせびっている・・・が主の妾殺しの容疑をかけられた。
老夫婦の息子への思いを知り、庄吉の無罪を証明するために走り出す、荒金菊之助と彼を師匠と慕う次郎が走る。
 
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祝宴

2010-04-15 22:05:25 | ミステリー
ディック・フランシスの「競馬シリーズ」第31作目、そして復活第2弾の「祝宴」を楽しみました。

今回はフランシスの次男・フェリックスとの共著だそうです。

このシリーズは毎回主人公が違うのですが、例外があって片腕のシッド・ハレーは3回、そしてクリスマス・キッド(間違ってないと思うのですが、自信はないです)は2回登場しています。

今回の主人公はレストランのオーナーシェフのマックス・モアトン。
コレまでの主人公ほどには用心深くないのですが、シッド・ハレーほどには痛めつけられません。フランシスもご高齢であまり痛めつけるのに堪えられなくなったのかもと勝手に推測しながら読みました。

余りに嬉しくて読み急ぎましたので、またゆっくりと楽しみながら読み返したいと思います。

巻末には解説ではなくフランシスファンの5人の方の追悼文が収録されています。

あと、何冊楽しめるのか?知るのが怖いです。
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戻り舟同心 逢魔刻

2010-04-11 12:48:09 | 時代小説
長谷川卓さんの「戻り舟同心」シリーズの第3弾がやっと出て、昨晩遅くに読み終えました。

迷宮入りの事件を調べるために現役を退いた同心たちで組織された永尋掛を「戻り舟」と言うそうな。

中心には68歳になる二ッ森伝次郎、そして河野、染葉、そして其々の手下たち。

今回は子供のかどわかしが、大火に隠れて目立たなかっただけで長年の間ずーーーっと行われてきたのではないかと河野が疑いを持ったことが切っ掛けで大きな悪党を追いかけることになる。

伝次郎の息子・新治郎、孫の正次郎の何ともいえない会話と心の交流が伝法な言葉とは裏腹に温かくて読んでいてホッとさせられます。

ナント言っても伝次郎の正義のためなら、悪人をひっとらえるためなら、上役でも誰にでも挑んでいくその姿は清々しさを覚えます。

長谷川さんの書かれる言葉は深みがあって好きです。
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恋する組長

2010-04-09 22:12:54 | ミステリー
笹本稜平さんの「恋する組長」を読了。

やくざをメインのお客として暮らしを立てている私立探偵が主人公のお話。

ヤクザに係わるいろんな事件を6篇の連作として書いてあります。

軽いので読みやすいですが残らないです。
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