yamaの読書日記

 活字中毒のyamaが日々手にしている本のお話を綴っています。
 読んだ本についていろいろお話しませんか?

嶽神 上下巻

2012-05-31 23:39:14 | 時代小説
大好きな長谷川卓さんの「嶽神」を超スピードで読み終わりました。

山の者の集団から追放されて『ひとり渡り』をする多十に、滅亡目前の武田家唯一の嫡流・若千代の幼い命が託された。
莫大な御遺金が隠されていると疑う元武田のお蔵前衆、真田、徳川から遣わされた忍者集団と若千代を守って孤独な闘いを余儀なくされる多十の生き様と多十に魅せられていく男たちの壮大な物語。

若千代と、多十に助けられ一緒に行動を共にする蓮がこの男くさい話をすごく心温まる話に色付けしています。
一番の魅力はもちろん多十のキャラクターです。

解説の細谷さんはこの本を「時代伝奇小説」と書いていらっしゃいますが、私はあ、そうなの?って感じで・・・伝奇小説って趣味じゃないと思ってたのですが、

  すっごく面白かったです!

長谷川さんって「時代伝奇小説」がメインなのかなぁ。

それにしても面白くって読み終わっても後を引いて・・・勝三(若千代)、蓮、多十のその後を是非読みたい! どうか書いてください!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風の市兵衛 シリーズ

2012-05-30 23:00:08 | 時代小説
風の市兵衛シリーズの第2,3弾を読了しました。

「雷神」「帰り船」です。

市兵衛シリーズは読んでいてホッとするところがあるので、ちょっとくたびれた時に読むといいかも。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ステップ

2012-05-27 22:05:06 | その他
重松清さんの「ステップ」を読了。

結婚三年目、30歳と言う若さで逝ってしまった妻・朋子。残された夫・健一が遺された1歳半の娘・美紀と二人で生きた記録です。

娘が保育園に入園するときから小学校卒業までの日々を、子育てに悩みながらも奮闘する父親の姿をその悩みとともに色鮮やかに描き出しゑ秀逸。

登場する父親も娘も、そして亡くなった妻の両親と兄夫婦・・・・み~~んな出来のいい優しい人たちばかり。それでも気を遣わなくては上手くいかないことが多い。

生きていくってことはなかなか難しいと気付かされます。

私には子供が居ません。出来なかったのです。なのえ、このお話に登場する翠さんに気持ちが向いてしまって。
翠さんがうつっぽくなったり韓流スターの追っかけをしたり・・・の辺りはなんか切なくって。

おかしいのは、パパが再婚相手になるかもって人と巡り合ったところからは読み進むのが嫌で・・・これって誰の立場で嫌なんだろう?って我ながら不思議。

結構泣かされた1冊です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誘拐

2012-05-26 23:00:44 | ミステリー
五十嵐貴久さんの「誘拐」を読み終えました。

歴史的な条約締結のため、韓国の大統領が来日する。その警護で警察が手薄な時に現職の総理大臣の孫が誘拐された。

旅行会社の人材開発課に居た秋月孝介が退職を勧めた同僚が一家心中をした。その娘と同じ中学で親友だった孝介の娘は父親を責めたそのあとでマンションのベランダから飛び降りて自殺した。

妻と離婚し会社も辞めた孝介が考えに考えて実行した誘拐だった。

ラストのドンデン返しの伏線がちゃんと書いてあって、読んでいて「あれ?」って引っかかったんだけど、このラストに気づかなかったのが残念。

解説にも書いてあったのですが「人間の『誇り』と『尊厳』と『矜持』が詰まっている」1冊です。

五十嵐さんの他の本を探してこようっと。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

舟を編む

2012-05-23 12:59:41 | その他
三浦しをんさんの「舟を編む」を昨日1日で読み終えました。

辞書編集部に異動した馬締は「大渡海」の編纂を始める。個性的すぎる仲間たち、問題山積みの編集部、ままならぬ恋…。愛すべき変人たちが恋に仕事に右往左往。「大渡海」は編み上がるのか?

現在岡山の県立図書館に予約を入れると・・・90番目になる程の大人気の1冊です。
以前プールでご一緒だった読書好きのお友達が、『どうにも待ちきれなくって買ってしまいました。面白いです!読んでないならお貸しします。』とメールをくれて、是非!と返信したら翌日には読み終えて持ってきてくれて・・・大感謝です。

いや~~面白かったです。三浦さんってどこから「辞書作り」なんて超地味そうなところに目をつけられたのか??気になって仕方ありません。

登場する人たちは少ないのですが、皆さんキャラが尖っていて最高なんですよ。ここで紹介しちゃうと読んだ時の楽しさが半減しちゃうので・・・

今まで辞書がどんなふうに作られてきたのかって、まるで気にしたことは無く、三浦さんが辞書を作るお話を書かれたって聞いて「えらい地味そうな本だなぁ」と思ってたのですが、こんなにハードで壮大で言葉に対しての愛情がいっぱい詰まった本が出来上がっていたとは。
たった一つの言葉を辞書に載せるにあったって、どれだけの時間と手間と推敲と愛情が掛かっているのか・・・心が震えそうになります。

「舟を編む」の題名が不思議で仕方なかったのですが本文中に・・・『ひとは辞書と言う舟に乗り、暗い海面に浮かび上がる小さな光を集める。もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫漠とした大海原をまえにたたずむほかないだろう』・・・と書かれていて、この思いがこの本の題名になったんだなぁと。意味は深いですねぇ。

そしてかれらが編纂する辞書は『海を渡るにふさわしい舟を編む』ことから「大渡海」と名付けられたのです。

もう一つ辞書の背負う重たさが書かれているのです。
海外では辞書の編纂に公的資金が使われていることが多いが、日本では今まで一度たりとも公的資金が辞書の編纂に使われたことは無く、民間で編んできている。
そのことの重大さを

『公金が投入されれば、内容に口出しされる可能性もないおは言えないでしょう。また、国家の威信をかけるからこそ、生きた思いを伝えるツールとしてではなく、権威づけと支配の道具として、言葉が位置づけられてしまうおそれもある』と。

いろんな重たい側面もあるのですが、読んでいくと重かったり型苦しかったりなんてまるでなくって、馬締さんの一生懸命さや一途さ真面目さ純情さ優しさにホッコリ幸せな気分になってあっという間に読み終わって・・・あ~~あ もったいないことをしたと。

久々に「さすが本屋大賞!」と言える作品でした。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

限界集落株式会社

2012-05-23 12:39:51 | その他
黒野伸一さんの「限界集落株式会社」を2日前に読了。

起業のために会社を辞めた多岐川が訪れた故郷は、限界集落と言われる社会的な共同生活が困難な土地だった。彼は故郷を再生するため、かつての負け組たちと立ち上がる!

新聞の書評を読んで面白そうだなぁと図書館で予約して借りた本です。

すごく面白かったです。

いろんな教訓もいっぱいそれとなく書き込まれていて・・・フムフム、そういうことを言いたいんだあぁ・・・って箇所がいくつもあるんですが押し付けがましくないのがいいの。

人にはどこか秀でた才能があるってことや、いくつになってもやり直しは出来るんじゃないだろうかとか、何事も後ろ向きだと先は見えてこない(当たり前か)とかね。

そして発想の転換って民間からが始まりでお役人はそれをなかなか認められなくって置いてきぼりを食っちゃう。なかなか共存共栄って難しい。

などなど小難しいことを脇に置いていてもこのど田舎に暮らすおじいちゃんおばあちゃんは魅力いっぱいだし、田舎の良さも困難さもたくさん。

頑張れ頑張れと読みながら応援してしまう1冊です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いのちなりけり

2012-05-19 23:19:10 | 時代小説
葉室麟さんの「いのちなりけり」を読み終えました。

話題の葉室さんの本を初めて読みました。

”あの時桜の下で出会った少年は一体誰だったのか・・・鍋島と竜造寺の因縁がひと組の夫婦を数奇な運命へと導く。
『天地に仕える』と次期藩主にてらいもなく言う好漢・雨宮蔵人と咲弥は一つの和歌をめぐり、命を懸けて再会を期すのだが、幕府・朝廷がからんだ大きな渦に巻き込まれていってしまう・・・”

読んでいて藤沢周平さんの文章の雰囲気に似てる感じがしました。
ちょっと「蝉しぐれ」っぽいんですよ。

蔵人が「わしの生きた証は咲弥殿に何かを伝えることだ」というと友人の右京はこう答えた。

「伝えたいことがあり、聞きたいことがあるのを恋というのでしょう」

すごく心にしみて納得してしまいました。

幕府と朝廷や鍋島藩の騒動などは入り組み過ぎて難しかったのですが、このお話はグッと胸に来るラブストーリーです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風の市兵衛

2012-05-17 22:54:49 | 時代小説
辻堂魁さんの「風の市兵衛」を読み終えました。

初めての作家さん・辻堂魁さんの書下ろしの時代小説です。

主人公はさすらいの渡り用人・唐木市兵衛。『算盤侍』と揶揄されても一向に気にすることもなく飄々とした姿からは想像できない程の剣の遣い手でもある。

思ったほどには算盤をはじきませんが結構面白く読みました。

シリーズ化してるのであと何冊か読んでみようと思ってます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おそろし

2012-05-17 22:42:44 | 時代小説
宮部みゆきさんの「おそろし」を昨日読み終えました。

副題に「三島屋変調百物語事始」とあり、

ある事件で心を閉ざした姪・おちかの為にと江戸で袋物屋「三島屋」の主人が、不思議話の聞き役をおちかに任せると・・・

おちかの心を少しずつ溶かし始めた・・・

宮部さんの作品の中でちょっと怖い時代小説は苦手。

本を手に取るときに何度も迷ったのですが、宮部作品に飢えていたこともあって読んでしまいました。

弓之助とおでこが出てこないのが寂しい・・・当たり前ですが・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薔薇を拒む

2012-05-14 22:20:26 | ミステリー
近藤史恵さんの「薔薇を拒む」を読了。

近藤さんっていろんな面を持ってる作家さんだなぁと今更ながらに実感しています。

人里離れた洋館に雇われた美少年二人。。。。

なんかストーリーが想像できそうですが、どちらかと言えば想像に近いお話かなぁ。

近藤さんって確か離れ孤島での男女のお話を書かれていたと思うのですが、密閉された空間での濃密な人間関係を書かれるのが好きなのかしら?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする