yamaの読書日記

 活字中毒のyamaが日々手にしている本のお話を綴っています。
 読んだ本についていろいろお話しませんか?

ぼくのメジャースプーン

2009-11-30 23:02:22 | その他
辻村深月さんの「ぼくのメジャースプーン」を読み終えました。

感想・・・なんて書いていいのか・・・難しい。

ちょっと付いていけないところもあるんですが、小学校4年生の『ぼく』の想いに心が揺れて・・・良かったと言うのか、読み疲れたと言うのか、苦しかったと言うのか・・・

超簡単に書くと「不思議な力を持った小学校4年生の男の子が、幼馴染の女の子を救うために戦うお話」です。

無残に殺されたウサギを発見した心優しい『ふみちゃん』。犯人は見つかったけど、罪状は「器物破損」。
ウサギたちの身体と心を奪い、『ふみちゃん』の心を壊したのに、犯人は刑務所にも入らず、何も失わず、自由なまま・・・
『ぼく』は使うのを止められていた力を使って犯人に復讐をと企てる。

『ぼく』の持ってる不思議な力を説明する話が長い上に、結構理解するのが難しくってだれちゃいました

ですが、『ぼく』がどれほど幼馴染の『ふみちゃん』を大切に思って、彼女の心を取り戻したいと思っているのか・・・知るほどにせつなくって

不思議な力をいかに使うか、しっかり勉強し、熟考を重ねて彼が出した結論は・・・先生や読み手を驚かせる。

小学校4年生なれど、彼の命を賭けた戦いが始まった。
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ごきげんな裏階段

2009-11-26 22:46:36 | その他
佐藤多佳子さんの「ごきげんな裏階段」を読了。

アパートの裏階段で出会った、不思議な『ともだち』との心暖かになるお話が3篇が収録されています。

佐藤さんの初期の作品とのことですが、児童文学を愛している佐藤さんらしいお話です。あさのあつこさんといい、佐藤さんといい、児童文学から出発された方の作品は登場する子供たちがとっても生き生きと描かれていて、自分の子供の頃と重ねて読んでいることに気付かされます。感受性の豊かな子供時代を過ごされたんだろうなぁと思わずにはいられません。

子供の目線で日常の出来事が描かれていて、忘れてしまった自分の中の子供の心を取り戻せそうなお話です。
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鎌倉河岸捕物控  夢の夢

2009-11-25 22:30:05 | 時代小説
佐伯泰英さんの「鎌倉河岸」シリーズの第15弾、「夢の夢」を読了。

今回は政次、亮吉の幼馴染の彦四郎が主人公です。

やっと彦四郎の番が来たのかと楽しみに読み始めたのですが・・・

政次や亮吉に内証にしていた幼馴染の秋乃と偶然であった彦四郎がその色香に取り込まれて行方不明に。

しっかりしてそつの無い彦四郎だけど・・・女にはうぶだったのね。

もっと出来る彦四郎の話かと期待してたけど、ちょっと肩透かしでした。
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ゆりかごで眠れ 上下巻

2009-11-23 22:35:33 | ミステリー
垣根涼介さんの「ゆりかごで眠れ」を読了。

垣根さんがいつも書かれている移民をその根底に敷いて立ち上げた話です。

コロンビアの奥地で移民の子として生きていたリキは両親を惨殺され、現地の二人の子持ちの未亡人に引き取られて成長する。

そのリキの生に執着しない醒めた人生観、そしてそれに共鳴していく妙子。

リキの生き様というか生に対するクールさがどうにも読んでいてしっくり来なくって。全体にインパクトが無い感じです。

コロンビアという国の成り立ちには少し詳しくなりましたが・・・
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便り屋お葉日月抄 夢おくり

2009-11-18 21:54:11 | 時代小説
今井絵美子さんの「便り屋お葉日月抄 夢おくり」を今、読み終えたところです。

読み心地、爽快です。

辰巳芸者・喜久治は飛脚屋・日々堂の主人甚三郎の後添いになり、先妻の子清太郎とも円満で幸せを噛み締めていた・・・

が、甚三郎が心臓の病で急逝。喜久治改めお葉は日々堂を持ち前の侠な心意気で、胸のすく威勢のいい啖呵で守っていこうと頑張っていく姿を心地よく見せてくれる。清太郎、番頭夫婦、出入の人たちとのやり取りで、いなせで粋なお葉の生き様を楽しく爽快に楽しませてくれます。

シリーズ化されそうなので、これもまた楽しみ。

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夜叉桜

2009-11-16 22:36:14 | 時代小説
あさのあつこさんの「夜叉桜」を読み終えました。

昨年に読んだ「弥勒の月」の続編になります。

いつも愛読してる時代小説とちょっと違って、中心になる人物が所謂「いい人」ではないのが異色・・・と言っていいのかしら。
一度読んだだけでは消化し切れなくて、「弥勒の月」から読み直したかったのですが、今、手元に無いのが残念。

北定町町廻り同心の小暮信次郎の心の奥底で蠢く捩れた感情。
その信次郎が追い続ける小間物問屋「遠野屋」の主人・清之助もまた、その心の奥底に表に出せない暗い感情を押し込んでいる。

この二人の丁々発止のバトルは読み手の私の心を深く抉りそうになるのだけど、その間を計ったかのように、信次郎の配下の岡引・伊佐治が合いの手をボソッと・・・その言葉に緊張した心がほっと緩みます。

春をひさぐ女たちの喉を掻き切る事件が続き、その探索に走る信次郎と伊佐治。
女の関わりから又も信次郎は「遠野屋」に係わりあるのでは疑うが、主人の清之介の行方がわからなくなったりと・・・先の見えない出来事が起こっていく。

殺人事件は片がついたが、清之介の身辺に暗雲が・・・

続きが早く読みたいよぅ。癖になる読み心地です。
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午前三時のルースター

2009-11-14 21:58:52 | ミステリー
垣根涼介さんの「午前三時のルースター」を読了。

2000年にサントリーミステリー大賞受賞作です。

旅行代理店に勤務する長瀬は、得意先の中西社長に孫のベトナム旅行に付き添ってくれるように頼まれる。
孫・慎一郎は一緒に旅行することになった長瀬のところに一本のビデオを持ってきて本当のベトナム行きの目的を話す。
「ベトナムで殺されたと言われている父親がビデオに写っており、生きていると確信していて探し出したい」

祖父の中西社長に、慎一郎の本当の思いを隠したままベトナムへと向けて出発する。

何となく最後は想像できてしまう設定なのだけど、長瀬、慎一郎だけでなく長瀬の友人・源内や現地で雇った運転手のビエン、と娼婦のメイとのチームワークも素晴らしく、それぞれが16歳の慎一郎を大事に思い気遣っているのも読んでいて気持ちが優しくなります。

ベトナムから帰ってきた慎一郎が、家に帰る途中で父親から託された時計を投げ捨てるシーンには心が締め付けられ、これからの彼の人生への思いや心の葛藤などを切なく感じました。

「ルースター」ってどういう意味?と思いながら読んでいたのですが、「一番鶏」のことだそうです。
この本にも書いてありましたが、鶏の鳴き声って最近聞くことがないですねぇ。
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ブラバン

2009-11-12 22:57:28 | その他
津原泰水さんの「ブラバン」を読了。

高校時代の吹奏楽の部員が、卒業後25年も経ったある日・・・1人の部員の結婚式の当日に皆で演奏して欲しいとの要望に再結成の話が持ち上がる。

今は小さなバーをやっている他片等を語りにして、現在と過去(高校時代)を交差して見せながら青春時代のほろ苦さを思い出させてくれます。

本文中の会話が広島弁・・・何しろ広島の高校が題材なのですから・・・なので最初はなかなか会話についていけないのですが、そこは同じ中国圏のこと、直ぐに馴染んでしまいました。
ただ私はブラバンや楽器にまるで疎くて楽しみは半減。書かれてる楽器がどんなものかがサッパリ判らないのですから。残念。
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君たちに明日はない

2009-11-11 21:57:47 | その他
垣根涼介さんの「君たちに明日は無い」を昨日読み終えました。

前回読んだ「ワイルド・ソウル」が面白かったのでこちらにも手を出したわけです。

リストラ請負会社に勤める村上真介。彼の仕事は首切り面接官。
こう書くと、なんかムチャ暗くって落ち込みそうな話なのかなぁと心配なわけですが・・・そこは書き手が垣根さん、しっかりと楽しめるエンターテイメントに仕上げてくれています。

「ワイルド・ソウル」のケイも復讐の最中にあっても暗くならず惨めにならずあっけらかんと人生を楽しんでいるそのスタンスが読み手の私には嬉しいのですが、この首切り面接官の真介君もムチャいい奴なのです。

しかし、今の時代、従業員の首を切るのに外部の会社の人間に頼らなくてはいけないという状況って・・・・・大変な時代だなぁ。

こちらの主人公の村上真介くんも、ケイに負けず劣らず、かなりの助平でいらっしゃいます。
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ワイルド・ソウル

2009-11-07 22:32:58 | ミステリー
垣根涼介さんの「ワイルド・ソウル」上下巻を読了です。

初めての作家さんの本なのですが「史上初、三冠に輝く傑作」のコメントについつい手を出してしまいました。

『三冠』とは、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞だそうです。

前半は1961年、日本政府の募集でブラジルへ入植した移民たちの血反吐を吐くような悲惨な暮らしが書かれており、読み進むのが苦しいくらいでした。
農地として整備された大地、灌漑施設も完備され、住む家までもが提供されると夢のような宣伝文句に踊らされた移民たちは、、、自分たちが日本に捨てられたと知る。

以前TVで、この話と同じように政府と外務省に騙されて、何も無い荒地に置き去りにされた方たちの話が放送されていたのを思い出しました。

後半は、日系ブラジル人のケイの陽気さや元気さでサクサク読み進みます。
マスコミ関係者の貴子ちゃんを巻き込んでのケイの行動にはドキドキしながらも笑ってしまいました。

読みながら、1960年代の政府や外務省の体質と現在の政府と外務省の体質・・・変わってないんじゃないかなぁと疑心暗鬼。

いわゆる、復讐劇なんですが読み終わったときって、、、あっけらかんと笑えました。
コメント (2)
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